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(2025年再掲版)【困った部下へのマネジメント】最強の対処法 5選(全1記事)

「納得しないと動かない」困った部下の対処法 メンバーの主体性を引き出す伝え方 [1/2]

【3行要約】
・上司と部下の間の「常識のズレ」は多くの職場で見られ、業務効率の低下や人間関係の悪化を引き起こしています。
・社会人基礎力の要素である「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の不足が、職場での問題行動の根本原因となっています。
・行動変容ステージモデルを活用し、部下の状況に応じた適切なアプローチを取ることで、効果的な成長支援が可能になります。

特に反響が多くあった同イベントの記事を再掲します。

元の記事はこちら

常識の通用しない困った部下の対処法

伊庭正康氏:今日のテーマはこちらです。あなたの職場に、常識の通用しない困った部下はいないでしょうか? そんな人に対する悩みを解決する方法を5選、紹介していきます。

問題なのは、もはやあなたの常識が通用しなくなっているのか。それとも部下や後輩の常識がズレているのか。そこを知らないと、必要以上に部下に迎合してしまったり、必要以上になんだかわからない常識をかざし、関係が悪くなってしまうなんてことはよくあります。

ということは、いったいどこに問題があり、そして何が客観的な常識なのかを抑えておく必要があります。今日はそれをお話しします。

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さぁ、ではいきましょう。先ほど言いましたように、常識が変わっていることが問題なのか。それとも部下や後輩たちの常識がズレているのか。ここを押さえておかないといけないという話をしました。

お互いの私見、つまり主観ではなく、明確に基準を定めることが必要なんです。誰もが納得する基準がないと、ボタンの掛け違いが起こって当たり前。

じゃあ、この基準はどこに隠れているのか。そうなんです、隠れているわけじゃないんです。もう世の中にあるんです。まず、これを知らずしてマネジメントはできないと言っても過言ではありません。

言われたことしかやらない「受け身すぎる部下」

実は(すでに)国が言ってくれています。経済産業省が「社会人としてこの力がないと、自分らしいキャリアはもはや歩めないですよ」と言うように、社会人基礎力を知らずしてマネジメントはできないんですよ。

これはなんでか。そうなんです。この基準で社会人をやらないと、あなたはどこでも通用しませんよという基準があるんです。3つの分野で12個の力があるんですが、今日はこれを使って基準を揃えていきましょう。

ランキング形式で困った部下の5位から1位までご紹介し、最後に、じゃあどうすればいいのかという話も具体的な話をしていきます。

こんな部下はいませんか? 第5位。完全に受け身すぎる部下。言われないとやらない。言われたことしかやらない。工夫を求めると「指示をしてほしい」と言う。学生じゃないんだからと思いたくなりますが、部下からしてみれば「教えてもらっていません」と言うんでしょうね。どちらが常識なんでしょう。



社会人基礎力は明確に示されていて、3つの力があると申しました。1つが、前に踏み出す力。2つ目が、チームで働く力。そして3つ目が、考え抜く力。



その1つ目の前に、踏み出す力についてしっかりと書かれているんです。私がふだん新人研修でやっているやり方を紹介しますので、もし良かったら職場でもやってみてください。

上司が100回説教するより効果のある方法

まず、困った部下だけではなく、困った部下といわゆる普通の部下、常識のある部下をミックスします。2人でも3人でもけっこうです。その上で、この社会人基礎力の項目を出します。

出した上で、今回のケースで言うと主体性が低い部下がいるわけですよね。集まってもらって、「これが社会人基礎力で経済産業省が言っている、社会人として必要な力なんだよね」と、こうするんです。

「今日みんなと考えたいのは、前に踏み出す力、とりわけ主体性、物事に進んで取り組む力。そして3つ目の実行力、目的を設定して確実に行動する力。この2つの観点でGood/Poorを考えたいと思っている。Goodはイケてる社会人。Poorはイケていない社会人。このGoodな社会人とPoorな社会人の行動を、みんなで考えてほしいと思っている」。

すると、研修なんかでは明らかに、どう見てもPoorな人もGoodに引きずられて1つの見解ができるんですね。上司が100回説教するより、よっぽど効き目があります。自分たちの同僚はそう考えるわけですから、そちらに引っ張られます。

そして「いいね。Goodがこうで、Poorがこうね」「じゃあ、我々はもっとできることがないかを話し合ってみよう」と言って話し合い、「こういったことをやるべきです」という気づきを与えるんですね。これをやると、Poorな部下もGoodに引きずられます。ぜひ押さえておいてください。基準が揃っているでしょう。

「社会人として必要なことはこれ」と、国が言っています。これはめちゃくちゃ説得力がありますよね。

できないのに「1人」でやろうとする

第4位。できもしないのに、なんでもかんでも1人でやろうとする。いますよね。1人でがんばるものの、結局はできない。なんでも自分でやりたがる。先輩に聞けば早いのに、聞くのが恥ずかしいと言って聞かない。もちろん部下にも言い分はあるんでしょうね。でも、その言い分は周囲にとって決して良くないわけですよ。



だから、ここでまた社会人基礎力を登場させます。主体性、実行力の他に、前に踏み出す力には「働きかけ力」というものがあるんです。これは他人に働きかけ、巻き込む力です。



「なんでも1人でやりたがる」ということが今の問題なのであれば、ここについてGood/Poorを話し合い、伸びしろを確認する打ち合わせ、ミーティングをすることがおすすめです。これも使えそうでしょう。

第3位。「納得をしないと動きません」という部下。います。私も新人研修をしていて、概ね6割から7割は「納得しないと動けない」と、最初は言います。でも、今からご紹介するワークをすると「動きます」というふうに変わるんですね。また社会人基礎力の力をお借りしますが、こういった部下はいませんでしょうか?



自分の考えにこだわりすぎる。相手の真意をつかもうとしない。相手の言葉の表面的なことを捉えて、「それはおかしいですよ」なんて言っちゃう。真意を捉えない。考えが相容れないなら会社や上司をディスり、そして辞めてしまおうとする。

これはもう本当にイケていない症状ですが、ないわけじゃないんですよ。じゃあどうすればいいかというと、また社会人基礎力の他の力を使うんです。

「納得しないと動かない部下」への伝え方

私はなんて言いましたか? そうです、まだ他にも力があります。「チームで働く力」なんですね。チームで働く力のうち、傾聴力、柔軟性、状況把握力において、GoodとPoorの行動を出してみよう。そして伸びしろを考えてみない? というふうになればいいんですね。



傾聴力というのは、相手の意見を丁寧に聞く力。柔軟性というのは、意見の違いや相手の立場を理解する力。そして状況把握力は、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力。まずはこの3つで話し合ってみると、どうでしょう。すると、またPoorがGoodに引き寄せられるんです。

このあたりを押さえておいても損はないでしょう。だって、納得しないと動けない(部下は)多いですよね。そしてプラスαでもう1つ、納得しない部下に対して「納得しないままに動け」というのはさすがに雑なんですよね。

「納得のポイントを変えたほうがいいよ」と言うといいと思います。学生のうちは納得をして動くのが1つの常識だったかもしれないけれども、社会人の場合は納得するポイントが違うのだと言うんです。(納得するポイントとは)どこなのかというと、社会人はいったんやってみて、結果、進捗を見て納得をするということですよね。

なので、納得をして間違えていることもあるけれども、納得をせずにやった結果、納得いく結果もあるわけですよね。ですから、結果から逆算をするんです。結果を見ながら納得をするので、まずはいったん動いてみて、ということをお伝えしてもいいでしょうね。

ストレスに弱すぎる部下

第2位。ストレスに弱すぎる。これもよくマネジメント研修で相談をいただきます。「うちの部下はストレスに弱すぎるんです」「すぐに休んじゃうんです」。体調が悪ければもちろん休んでください。体調を最優先でお願いします。でも、そうはならないように持っていきたいですよね。



こんなことはないでしょうか? 失敗をすると必要以上にネガティブに落ち込んでしまう。嫌われるのが怖いので、無理をしてがんばって体が悲鳴を上げてしまう。さらに無理をし過ぎているのでミスを繰り返し、また自己嫌悪に陥り、職場に通えなくなってしまう、なんてこともよく聞きますよね。

これは本人の問題というよりは、何かこちらでサポートをしてあげたほうがいいことも多いんですよね。まずは、またGood/Poorで「どういった行動を取ればいいのか」を確認していくといいでしょうね。



チームで働く力を見ていくと非常におもしろいんですが、一番上は発信力、自分の意見をわかりやすく伝える力。例えば、ストレスを感じていて無理をしているのであれば、自分のことを遠慮して言っていないケースが多いんです。その場合は、「ちゃんと伝えようぜ」ということに気づいてほしいですね。

そしておもしろいのは、チームで働く力に含まれているのが、一番下にあるストレスコントロール力。そう、ストレスをコントロールする力も、実はチームで働く上では重要なんだと。

「どういうこと? 我慢しろということですか?」というと、そういうことではないんです。ストレスの発生源に対応する力。つまり、先ほどこう言いました。

嫌われるのが怖いので、無理をしてがんばる。自分の伝えたいことを伝え、そしてストレスの発生源である業務負荷に対して、相談をすることも必要ですよね。こういうことを含めて、きちんと対応する力が必要ですよということです。

また、例えば先輩方からの指導があまりにもハード過ぎて、心が萎えてしまうということがよくありますよね。そんな時は先輩に対して言うのが難しければ、その上司に対して「今、実はこういう指導を受けているんですけれども、どのように受け止めたらいいものでしょうか?」と相談をすると、受け止め方のヒントをもらうこともできる。

場合によっては、もし先輩の行き過ぎている指導があるのであれば、指導が入るでしょう。そのあたりは、ちゃんと働きかける必要があるということなんですね。これもストレスコントロール力に入ります。

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