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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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【3行要約】
・組織が大きくなるほど運営は難しくなるはずが、READYFORでは200人規模でも創業時のように楽になったという逆説的な現象が注目されています。
・READYFOR株式会社 代表の米良はるか氏は、「問いを立てて仲間に思いっきりバットを振ってもらう場」を作る組織運営が自分に合うと語ります。
・「やりたいこと至上主義」ではなく「問いを解くことを好む組織文化」がREADYFORの強みであり、多様な専門性を持つメンバーが集まる理由になっています。
本記事では、特に反響が多くあった同イベントの4記事目を再掲します。
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中土井僚氏(以下、中土井):ちょっと別の角度から興味が出てきたことがあるんですね。
(イベントが)始まる直前にお話をうかがった時に、今READYFORさんは(従業員数が)200人ぐらいになっていて。「50人から200人になったら、また組織の大変さって違うんじゃないですか?」というお話をしたら、「ある意味、創業の時くらい楽になった」とおっしゃったのがすごく印象的だなと思っていて。
米良はるか氏(以下、米良):(笑)。
中土井:今の話と関係があるような気がしているんですね。組織運営をしていくうえで、(従業員が)数十人だった時と今とで、米良さんの中では何が自分を楽にさせてくれているのかは、見えているんですか?
米良:そうですね。それで言うと、まさに問いを立てて、その問いに対してしかるべき仲間を集めてきて、その仲間たちに思いっきりフルスイングでバットを振ってもらう場を用意するようになって。自分の性格とマネジメント方法がすごくフィットしてきたところがありました。
中土井:おもしろい。
米良:逆に100人ぐらいの時は、ある程度執行の部分を自分が見ていかなきゃいけないような時でした。私はどっちかというと、個人的にも「会社と社外」をあんまり分けてしゃべっていなくて、「こういう社会が必要だよね。だからREADYFORではこんなことやっていきたいよね」とか考えるほうが向いているなと思います。
最近だとISA(Impact Startup Association)というスタートアップの協会を作っているんですが、スタートアップの協会も同じテンションで、「こういうふうにやろうね」と言って、仲間を集めてやっていたりします。同じ志を持っているんだけど、違うバックグラウンドやプロフェッショナリティを持った仲間たちが集まって、みんなでワイワイやりながら。
目標という目標じゃないけど、「こんな社会になる時には、こういうKPIが実現されていたらいいよね」と言って、とりあえず数字を置いてみて、「そのためにどうしたらいいんだ?」と言って、近づいていくためにみんなでやっているようなイメージです。
中土井:すごいなぁ。
尾原和啓氏(以下、尾原):なるほどな。 米良:さらに言えば、それ自体は目標として置いているけど、やはりその過程のプロセスがおもしろいと思って。みんながだんだん巻き込まれていくというか、巻き込んでいっているのかもわからないんですが。 自分のスタンスとしては、「社会にこういう課題があるから、こういうふうにみんなで解決していけたら楽しいよね」みたいなマインドで、あらゆるコミュニティを作っているというか。 尾原:今の話を聞いてすごく思ったのが、やはり米良さんって、結果的にチーミングを前提にした組織になっているんだなって気がしたんですよね。 中土井:私もそう思いますね。 尾原:世の中のものづくりの会社ってチームを前提としていて、最初から役割の中で、どっちかというと「個性を殺して、日本、トヨタのために黙々と機械になっていい製品を作るんだ」みたいなものが日本の勝ちパターンだったわけですよね。 なんだけど、さっき米良さんがおっしゃったように、解きがいがあるいい課題を提供してくれる人って、僕らみたいな問題解決屋からすると“エサを与えてくれる人”みたいな(笑)。 米良:それに近い気がします(笑)。だから、おもしろがられます。それはすごくそうですね。 尾原:そうそう。だから米良さんって、たぶん最初からチーミングとしてメンバーが集まってきやすい組織だったから、かえって執行としてパーツの仕事をやらなきゃいけない時は大変だった。 米良:そうですね。言語化していただいた。 尾原:逆にチーミングだけで回るようになったら、これってむちゃくちゃ組織の作り方のヒントになる気がしますよね、中土井さん。 中土井:そうですね。 中土井:私が今のお話ですごく興味深く思ったのは、米良さんがREADYFORというプラットフォームでやっていた思いがかたちになっていって、それが離合集散していく動きを自組織の中でも実現されたんだろうなと思うんです。 自組織とREADYFORというプラットフォームの違いがあるとしたら、固定費を払うか・払わないかって、すごく大きい話な気がするんですよ。READYFORに集まっている方々は雇っているわけじゃないから、ある意味、彼らに対して米良さんがリスクを取る必要はないですよね。 例えばヤマダさんという人が「このプロジェクトをやりたい」ってなった時に、そのプロジェクトをやりたいと言った人に、先行でREADYFORさんがお金を出しますってなったら、それはリスクです。ただ、そのリスクを取る必要がないという話で言うと、自組織の場合は従業員の給料というかコストが発生する。そこって似て非なる動きがあるだろうなと思うんですね。 それでも、READYFORのプラットフォームと同じように組織のことを捉えて運営されているんじゃないかなと見えたんですが、その点はどうですか? 米良:どうなんだろう。 尾原:単純に言っちゃうと、「200人に毎月給料を払わなきゃいけないんだから」みたいな思考がよぎりませんか? それを前提として、やはりチーミングがチープになっちゃいませんか? みたいな話です。 中土井:そうそう。翻訳してくださってありがとうございます。 米良:でも、普通に会社の中には売上目標はありますし、利益目標もあるので、基本的には非常に管理されています。 中土井:なるほど。おもしろい。 米良:なので、とても細かく数字管理がされている会社だと思います。 米良:なんですが、今日の話にも通ずるかもしれないんですけど、ある程度トラックがあるところじゃないと数字管理ってできないじゃないですか。 過去の推移がないと数字の目標って立てられないと思うので、それ以外はどっちかというとムーンショット的に置いて、ガンガンPDCAですかね。とりあえず、見えないゴールに向かっていろんなことをトライしていきながら、吸収してやっていこうと。 こういうのはマイルストーン的に管理していて。ただ、これぐらいの時にこういうチャレンジを何個やるとか、別に数がすごく厳密に測られているわけじゃないですけど、そのぐらいのペースで解像度が上がっていたらいいよねみたいにやっている感じです。 どこの会社も同じかもしれないですが、既存事業のほうが、ある程度数字を読めるから目標がきちっと置かれているし。とはいえうちの会社だったら、既存の事業でもけっこうトライアルをやっていたりするんですが、そのへんの目標はわりとマイルストーンっぽく置いている感じですかね。 中土井:おもしろい。 米良:この目標系の話は、さっきのチーミングの話とは。 中土井:いや。そういう意味で言うと、すごく新しいこれからの時代の組織運営だなと思ってお話をうかがっていました。 中土井:逆の観点でちょっと意地悪な質問をしちゃうかもしれないんですが、READYFORさんぐらいやりたいことを応援することが当たり前というか、「やりたいことあってこそだよね」となった時に、組織の中にはやらないといけない仕事も出てきたりするじゃないですか。 米良:はい。 中土井:「やりたいこと至上主義」「やりたいこと原理主義」みたいになっちゃうと、やらなければならないことをめぐって、組織の中で不協和音が起きてもおかしくないなと思うんですね。そういったことって、米良さんの中ではどんなふうに見えていらっしゃるんですか? 米良:そうですね。それで言うとうちは、「あなたがやりたいことをやりましょう」っていう組織ではあんまりないと思います。 中土井:へぇ〜! おもしろい。 米良:基本的には、問いを解きたいと思っている人が集まってくる組織。「この問いは自分1人では解けないから、みんなの専門性を集めて解いていきましょう」みたいなことをおもしろがっている組織という感じですね。 尾原:脱出ゲームって、自分が解くんじゃなくてみんなで解くことが楽しかったりするから(笑)、それに近いんですかね。 米良:私、そもそも脱出ゲームをやったことなくて。すみません(笑)。でも、そうですね。なので、さっきの「チーミングとチーム」の「チーム」の部分の定義をちゃんと理解しているかはわからないんですが、うちのメンバーはわりと長く働いているメンバーも多くて。 本当にいろんな試行錯誤を繰り返しながら、信頼できる仲間とそれぞれの能力を合わせて、「こんなことが解けた」ということをどんどん繰り返していくというのが、今うちで起こっている状況かなと思います。 中土井:おもしろいなぁ。 中土井:ちょっとスライドをシェアさせていただきたいです。私がこの書籍の中で言っている「パラダイムシフト」の大きなもので、計画のジレンマって、結局のところ「やる前に勝ち筋が見えないとやりません」というのは自分都合な発想なんですよね。 自分の都合に合うかどうかという話なのに対して、山登り型の場合って、山に登りたいのは自分の都合だし、登り方を決めるのも自分の都合。(一方で)波乗り型は、自分の都合とはまったく違うけど動くというところに、どうダンスしていけるかという話だと思っているんです。 この「ビジョン」というのは、4つのカテゴリーで表現しているんですよ。ビジョンクローバーモデルと言っているんですが、私たちのこれまでのビジョンが到達目標と語られるという意味で、「Should型」のようにすごく偏っていると見えていた。 北極星のように「こうしたいよね」「こんな社会にしたいよね」って米良さんがおっしゃっている部分は、まさにWillだなと思っているんですね。それに対して、ShouldでCanに落としていく。 Canというのは「ロードマップ型」と言っているんですが、これはShouldなりWillなりで示された方向性をどういう階段を上っていくか、どうやればいいか、道筋が明確にわかるというものです。 なのでShouldを示して、そこに到達させたい会社側と、コスパやタイパを考えたくなる社員側という意味で言うと、ShouldとCanだけで成立している場合は相性がいいんですよね。 山登り型はShould、Canだけですごく相性がいいのに対して、波は勝手に変わる。これがCould beに当てはまるところなんですが、起こり得ることは、「今後どうなるかはどんどん変わっていくよね」って、まさに問いが強制的に生まれる話だと思っているんですね。自分たちが何を解かないといけないかが問われている話だと思うので。 今のお話が非常に興味深いなと思ったのは、「やりたい」がWillなのに対して、「やらなければならない」のShouldが離れている時にどうするのかな? というのが、私の先ほどのご質問だったんです。米良さんはそれに対して、問いが欲しくて、問いを解くことを求めている。組織内で個性を殺すのが、かつては日本の勝ちパターンだった
固定費を払うか・払わないかは大きな違い
READYFORの目標設定のポイント
個人が「やりたいことをやる」組織ではない
「山登り型プランニング」と「波乗り型プランニング」


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