お知らせ
お知らせ
CLOSE

まだリーダーになりたくない人向け ラジオ風ウェビナー『人的資本経営の成否を分ける“関係性リーダーシップ”』 ~信頼と共創を導く人材育成とは~(全3記事)

「人との信頼関係と売上ってどっちが大事ですか?」 即答できないリーダーが陥る“人的資本経営の落とし穴”

【3行要約】
・人的資本経営が注目される一方、投資対効果の測定の難しさと短期的な業績への圧力の板挟みが課題です。
・組織開発などのコンサルタントを行う宮木俊明氏は、ゼネラル・エレクトリック(GE)や丸井の事例を元にトップの決断力の重視を強調。
・経営陣は売上よりも人との関係性を選ぶ覚悟を持ち、現場に明確なメッセージを発信すべきです。

前回の記事はこちら

人的資本経営でよくある“投資対効果をどう測るか”問題

宮木俊明氏(以下、宮木):(参加者から)1つコメントをいただいていますね。ありがとうございます。「ROI(投資対効果)を重視するあまりに、人的資本への投資が長期的な価値として評価されにくい傾向があり、短期的視点を優先される課題がありますね」。いや、そうですね。やはり(人材の)定着の支援がより重要視されているということで、本当にそうだと思います。

人への投資をROIで測ろうと思った時に、やはりどうしても中長期になります。もう1個あるのが、「じゃあ、それって本当に人に投資したおかげなの?」と言われると、「因果関係がよくわからん」ということになりがちだったりするんですよね。

人的資本経営に本格的に取り組もうと思った時に、ROIをどう測るかという問題は本当に各社めちゃくちゃ試行錯誤している状況で、なかなか答えがないところかなと思います。私の知っている事例で言うと、ちょっと古いんですがGE(ゼネラル・エレクトリック)ですね。

あれはもう当時は世界一の会社だったわけでありますが、こちらのジャック・ウェルチは人にすごく投資したことで有名な経営者かなと思うんです。彼は「効果はよくわからんけど10パーセントは投じる」って言いきったんですよ。それでトップから黙らせるみたいな(笑)。そういう方法は1個あるかなと思います。

もう1個、最近おもしろいなと思った事例がデパートの丸井ですね。あそこも「人的資本経営を始めます。人に投資します」と。その投資対効果は、投資を始めた年以降に出来上がった新規事業のレベニュー(収益)をすべてここに換算しますということで、これも「本当に関係あるの?」みたいなことを、ある意味トップダウンで黙らせるというか。

ある意味、独自の計算方法というか見解を示して取り組んでいるという、すごく先進的な事例だなと思って注目していたりするんです。だから、そのぐらい割り切らないとなかなか難しいところはありますね。

島津愛氏(以下、島津):そうですね。

宮木:何か指標ができると、取り組みが進みやすくなるところが1つあるかなと思います。合っているか間違っているかよりも、やるかどうかの決断が重要だということ、特に「仕事は決断である」みたいなことを体現している事例かなと思いましたね。

島津:そうですね、すごくよくわかります。

社内で人を育てるか、外部から採用するか

島津:一方で聞いていて思ったんですが、人への投資というのは今の文脈でいくと、「人を育てる」みたいなことなのかなと思うんです。ただ、育てきるまでは別に何もしないというわけでもないじゃないですか。

私も採用に関わることがすごく多いんですが、よく議論になるのが、例えば「リーダークラスのみなさんがちゃんと育ってくるまで、外からリーダーを採用しない」という決断をする会社もあります。

ただ、人が育ちきるまで待っていたら事業のスピードが遅れてしまうし、競争にも勝っていけないところがあるので、「(社内で)育ててはいくけど、途中からは外からも(人材を)入れるよ」みたいなケースも両方あって。これは当然、経営方針によっても違うので賛否両論あって、どちらが正しいとかはないと思うんです。

ただ、私の個人的な見解というか意見は、やはり(社内で人材を)育てていくこと。でも、同時に外からの“血”もどんどん入れながら、それがうまく混ざっていくような文化作りに投資することも、人的資本経営の1つの投資だと思っていて。だから「人が育ちきるまでは採用しません」というのは、ちょっともったいないかなとも思っていたりしますね。

宮木:うん。

島津:そこが議論になるというか、中小企業とかではけっこうあるあるかなと思ったりしますね。

宮木:外から採るにしろ育てるにしろ、しっかりと人に投資しているところが「魅力的な職場だ」というふうにみなされる傾向が、年々高まっているみたいです。そういう意味では、外部からいいリーダーを迎えるためにも、しっかりと人を投資する環境であるということを示していくのは、1つの有効な方法だとは思いますね。

それが、離職の防止とか定着につながっていくという好循環を生んでいければいい。「だが、しかし……」ですよね(笑)。

島津:(笑)。ここはもう本当に難しいですよね。

カギを握るのは「目線合わせ」

宮木:「お前、今期の目標にあった売上に〇千万円足りないんだけど、どうするんだよ?」という世界があるわけですよね。その時にマネージャーとしては数字合わせをしなきゃいけないから、どうしても従業員をひっぱたかざるをえないような場面が、やはりまだまだあるのかなと思うんですよね。

島津:そうですね。だから、おっしゃったように目線合わせ(が必要)ですよね。どのぐらいの期間で、どのぐらいのパフォーマンスを期待しているという会社からのメッセージと、「やります」というコミュニケーションを取る。そこの握りも大事でしょうね。

マネジメントする側からすると、どこまで見守るのかっていうラインも、意外とチームごとやリーダーによってみんな違ったり、そこでちょっと方針がズレることもあると思います。

宮木:ありますね。

島津:なので、そこの目線合わせはすごく大事かなって思いますね。

宮木:うん。結論を言うと「バランスを取れよ」っていうことなんですが(笑)、「両利きでいこうぜ」みたいなことになりがちなんです。でも、例えばパーパス経営とかサスティナブル経営とか、「〇〇経営」という言葉ってけっこういろいろあるじゃないですか。

島津:はい。

宮木:ああいうものの意味って、「今までと大きくフィロソフィーを変えます」ということの宣言になっていなければならないんです。「あれも大事です。これも大事です。それも大事です」というふうにやっていると何の意思決定もできないので、「今までと変わらないじゃん」となってしまうんですよね。

売上よりも「人との信頼関係」を重視する

宮木:なので人的資本経営のところに立ち戻ると、これはあくまで僕の解釈というか、僕の願いみたいなところなんですが、「短期的な売上よりも人との関係性を重視してくれたまえ!」というメッセージになっていないと、経営がうまくいかないなって思うんですよね。

島津:そうね。そこがブレるケースがありますもんね。

宮木:ほとんどの場合、ブレブレですよね。「あれもこれもそれも大事だよね」「コンプラも大事でサスティナブルも大事だよね」みたいな感じになって、「結局何をしたらいいの?」ということになるんですよ。

全部大事なのはわかるんだけど、人的資本経営を標榜するのであれば、優先順位として人の成長とか人との関係性(を重視すること)ですね。なのでリーダーで言うと、リーダーとメンバーがいた時に「この関係性を損なってまで売上を取りにいくな!」というメッセージになっていないと、現場は何もできないんですね。

島津:それはめちゃくちゃ重要なところですよね。

宮木:うん。僕の経験談ですが、けっこういろんなリーダーに「ぶっちゃけ人との信頼関係と売上ってどっちが大事ですか?」と聞いた時に、これを即答できる人ってほぼいないんですよ。なんですが、人的資本経営を掲げるのであれば、「人との信頼関係に決まっているじゃないですか」って言いきらせてあげなきゃいけないんですよね。それが中長期的な売上につながってくるから、というロジックなんです。

島津:そのとおりですよね。

いい関係性とは「ただの仲良しクラブ」とは違う

宮木:「今月の目標があと数百万円足りない」みたいな時に、「お前、行ってこい! ボケェ!」とか言ってね(笑)。言い方はともかく、昭和の世界みたいなものがまだ残っていたりするわけですよ。

あるいは生産現場で何か事故があった時に、「お前、何やってんだぁ!」みたいな。言わなかったとしても、そう思ってしまって個人を叱責する。それで個人に帰責させて、責任を取らせるということがまだまだあって。

でも、そうさせてしまった組織側の論理とか、変えていかなきゃいけない部分があるので、組織開発観点で言うと個人を責めてもまったく意味がない。再発しないように仕組みをどうするかとか、あるいはどう売上を安定的に上げられるような仕組みにしていくか? ということを考えなければならないわけなんです。それをせずにやっちまうという現場が、まだまだあるような気がしていますね。

島津:そうですよね。リーダーとしては、「売上と関係性だったら関係性(が重要)に決まっているじゃないか」って言いきるのは本当に大事だなと聞いていて思います。

ただ一方で、人との関係性で押さえておかないといけないことで言うと、「馴れ合いとかただの仲良しクラブが関係性じゃないんだよ」みたいなところは、けっこう誤解が生じやすいポイントでもあるかなと思います。メンバーの方の成熟度とか、チームの成熟度にもよるとは思うんですけどね。

宮木:本当にそうですね。だから関係性と言った時に、「言いたいことを言えなくなっちゃう」と思う人が多くて、「ハラスメントが怖い」みたいなことを言っているリーダーも多いわけなんですけれども。

島津:そう。「そういう状態を越えるのが関係性がいいってことなんだ」ということなんだと思うんですけどね。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!