目線を下げることで部下に自ら気づかせる
私は営業管理職だったので、(部下との間でこんなやり取りがありました。)「目標達成するかな? だって『ニーズがない』って言われてるもんね」「やるだけやってみます!」。やるだけで結果が出るほど楽な仕事はないですよね。
「そっか。まあ、やるしかないといえばそうだけど、もっと他にやり方ないかな? ニーズがないなら、ニーズを作るというやり方があるよね。作れそう?」「いやあ、どうなんでしょうね。ニーズって、どこで生まれるのかな?」
「どこなんでしょうね? 」「ちょっと俺の経験をしゃべっていい? ニーズって、担当者ではなく部長以上で作られるんだよ」「え、そうなんですか?」「そうなの。だから俺の場合は、部長さん以上にお話をすることで、こういう時はこうやって、こうやったよ。どう思った?」「いや、私もそれをやってみたいと思いました」「あ、そうか」。
はい。今ね、統制と自律、できてましたでしょ? これなんですよ。「気づかせる」なんです。
そのためには、さらに成果の出る方法を示唆してあげないといけないんですよね。ですから、プレイヤーとして成果を出せていた人でないとできません。課長になるのであれば、あるいは課長に昇進してもらうのであれば、上位20パーセントに入っている人でないと、務まらないなと私は思っています。いい人では務まりませんということでございました。
従うだけのイエスマンタイプ
4つ目、ドン! 従うだけの忠実な部下タイプ。(いわゆる)イエスマンです。統制も自律もまったくできていない、最悪のパターンでございます。でも、よくあるんですよ? 例えば私が出来の悪い課長だとしましょう。部長が上にいます。メンバーに言うんでしょうね。「部長が言っているからさ、これやろうぜ!」。
するとメンバーは「いや、現場は忙しいけど、それやります?」「俺もそう思うけど、部長がそういう方針だからやろうよ。いや、『やらない』は、ならないんだよ」「いやいや、でも現場はこうで……」と思うんでしょうね。
「まぁ、そうだけどさ。あの部長って、面倒くさいじゃん。だからもう、とりあえずやっちゃって」。ストップ! ストップでございます。

おいおい課長よ。「どこを見て仕事をしているの?」っていう。そうなんですよ。部長を見すぎなんですよね。今、部下との信頼は壊れました。そして現場が荒れました。こんな課長、けっこういません? 部長を見て仕事をしている人っていますよね。
部長の視座は必要ですよ。部長が求めていることや要望は必要ですけども、合わせすぎることじゃないんですよ。これをイエスマンと言います。
対話を避けずに、すりあわせや代案の提案を行う
じゃあどうするかというと、部長である上司としっかりと対話をするんですよね。現場のことを踏まえて上司と意見を擦り合わせます。上司は、こういう方向でやりたい。(それに対して)「確かに、私もそれは絶対にやるべきだと思っています」。
一方で、「今の現場のことを私なりに、ちょっと話をしてもいいですか? こういう状況なので、ご相談なんですけども、段階を追うのがいいのかなとは思っているんですけど」。はい、段階を追ってということもできるわけですよね?
もしくは「それを全体でやると、ちょっとリスクがあるので、いったんこの2人に任せて様子を見るのはいかがでしょうか? 整った場合に全体を確認するのはどうですかね」。
というように、部分から全体に動かしていく、みたいな話もありますよね。そうやって、ちゃんとロジカルに対話ができることが大事になります。この時に、AかBかに加えて、Cという代案をちゃんと出せるかどうかですよ。Cという代案を出しながら、お互いのAとBを合わせていきます。これができないと、板挟みされまくりますので、ご注意ください。
完璧主義で優先順位がわからない人
さぁ、では、いきましょう。最後の5つ目、ドン! 完璧主義で優先順位がわからない人は、課長になっちゃダメ。もう絶対です。これは統制が強いのですけれども、ズレた統制になっちゃうんですよね。部下は、無駄なことに付き合わされます。

「ねえ、このフォント。これで正しい? このフォントにしてくれない?」。「その言い回し、こう変えられないかな?」。「準備? ちょっとここを変えたほうがいいんじゃない?」「確認、念のため2回しようよ」。
私は思います。こういう課長が部下を疲れさせます。私、けっこうこのあたりがね、一言で言うと嫌いなんですよ。明朝からゴシックに変えたところで、どれだけの成果が変わるんですか?
私は気分的にはゴシックがいいなと思っていますよ。でも部下が明朝で作ってきた。しかも細いフォントでね。しかも改行の位置も、ちょっと自分のセンスとは違う。でもそれを「改行直して、ここ直して、あれ直して、これ直して、イラストも差し替えて」。どれだけの成果があるのかな? 私、それが嫌いなんですよ。これは部長を経験したからだと思います。
「気持ちはわかるけど、それ関係ないやん。それに部下を付き合わせるな!」。今回は注意をすればいい。ただ、これは次回からでいいと。「なんで今回も直させるんだ! 残業しているじゃないか!」みたいなことを部長たちは思うんですよね。なのでこれね、もう絶対にやめてください。私は嫌です。これは私の気分ですけどもね(笑)。
できる上司は自分の経験則にしばられない
だって、影響しないのであれば(修正するのは)次回でいいじゃないですか。これはね、本当に(部下を)疲れさせますので「やめてください」の気持ちを込めてお話をしております。これは、根本的にロジカルな考え方ができない人に共通します。自分の経験則でやってきた。課長になったら(重要なことは)経験則をちょっと取るんですよ、
(それぞれに)経験則はあるんですよ。先ほどお伝えしたように「もっとこういう方法はあるけどね」という、成果に影響が出ることは言います。ただ、成果に影響しないことに対して自分のやり方を細々と言う人を課長にしちゃダメなんですよ。(私は)実際に大手企業さんとお付き合いしていますが、ベテランのプレイヤーの方と仕事をすると、仕事ができるんだけれども、「あ、課長になってないなぁ」という方、いらっしゃいます。
課長になりたくないわけじゃないんですよ? 結果が出ているのに課長になっていない人は、だいたいこれです。大手企業さんは人材が豊富なので、その人を無理に選ぶ必要がないってことですよね。もっと別の方が抜擢されているのは見受けられます。
だから5番目ね、私は本当に嫌いですし、部下もこういう人は大嫌いです。部長も嫌いだと思います。ですから抜擢したらダメなんです。部長さんはよく見ていますのでね。だとすればですよ? 私、言いましたよね? ロジカルシンキングは絶対に大事なんですよ。いろんな企業でロジカルシンキングの研修をやりますが、これもよくお伝えしています。
昇進する人とロジカルシンキング能力の関係性
課長さんは、ロジカルシンキングができます。でも、課長手前のリーダーさんに(研修を)やると、ロジカルシンキングができる人は2割なんですよ。「難しい」って言うんです。課長さんは「なるほどね」って言うんですよ。企業さん側はそこまで捉えていないんですけど、課長はロジカルシンキングができないとダメなんですよ。
やはり昇進され、活躍をちゃんとされる方はロジカルシンキングができているんですよね。できていない方は、一生懸命に間違えたことをがんばっちゃいます。ですからね、ロジカルシンキングを覚えておきましょう。
さぁ、では閉めます。このチャンネルではこのように職場での評価を上げる本物のスキルを無料でお届けしています。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いします。そしてそのあとは登録済みとベルボタンを押しておいてください。リアルタイムで更新通知がチェックできるようになります。さぁ、今日の内容はお役に立ちましたでしょうか? では、またお会いしましょう!