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LINEヤフーの川邊だけど質問ある?(全4記事)

孫正義氏と他の経営者との圧倒的な違い LINEヤフー会長・川邊健太郎氏が得た学び

【3行要約】
・LINEヤフー代表取締役会長川邊健太郎氏は、孫正義氏の最大の魅力は「スケールの大きさ」と語り、その構想力と巻き込む力が他の経営者と一線を画す特徴だと注目しています。
・川邊氏は、孫氏が数字やエピソードを駆使して周囲を巻き込む手法を紹介し、PayPayの急成長を例に挙げています。
・AI時代の競争優位性について問われた川邊氏は、スタートアップはスピードを武器にすべきだと強調し、2025年に向けてはAIを積極的に試す習慣が重要だと語ります。

前回の記事はこちら

孫正義氏の魅力は「スケール」の大きさ

高橋弘樹氏(以下、高橋):じゃあ続いて、早かった方からいきますか?

岸上健人氏(以下、岸上):むしろ「最初にこれを聞くほうが盛り上がったかな?」と思ったんですけど。僕、実はソフトバンク出身なんですが、孫正義から学んだ一番の教訓とかエピソードって……僕は社員としてはあるんですけど、川邊さん視点でもすごくうかがってみたくて。

川邊健太郎氏(以下、川邊):学んだというか「孫さんの魅力は?」という話にちょっと置き換えて話をすると、スケールですね。たぶん孫さんよりも頭のいい人とか、仕事ができる人は絶対にいっぱいいると思うんですが。スケールだけは、ちょっと頭抜けて異常だなと感じる時が……今のAIの取り組みとかでもそうですけど。

それは何ていうんでしょう。やはり考えて妄想してやっているのが、まさに再現性があるというか。孫さんは「いつも禿げるほど考えているんだ!」って言いますけど。

(会場笑)

川邊:禿げるほど考えるとこういうスケールが生まれる。あとは巻き込む力があるのがすごいですよね。巻き込む力があれば、もうとんでもないスケールのことができる。2018年から「PayPay」を始めて、わずか7年で7,000万ユーザーで、上場の準備を開始したと発表しましたけども。

「7年でこんなことができるんだ」みたいな感じは、彼の構想力のデカさと、巻き込む力という。自分もそのスケールまでいけるかどうかはわからないですけど、これを愚直にやっていきたいなと思いますよね。

孫氏の周囲を巻き込む伝え方

岸上:すごく気になるのが、スケールという観点で、孫さんは川邊さんとかトップ経営者に最初に言うわけじゃないですか。

川邊:うん。

岸上:川邊さんみたいなトップ経営者に、最初にどういうふうに伝えるんですか? 僕は社員のレイヤーで伝わったことはあるんですけど。

川邊:数字か、エピソードかのどっちかですね。数字の場合は「今こういう状況だけど、まだ小さい。だけど成長率はとんでもない」「1ヶ月ごとにこんなに伸びている」「これをこうやってやっていったら、3年後はこんなことになっているんじゃないか」みたいなのをグラフで示すことが1つですよね。

あとエピソードとしては、本当に刺さることを言う。昔パズドラの話をしていた時に、「おい、魔法石って知っているか? 今、みんな魔法石を買っているらしいぞ?」。

(会場笑)

川邊:そういう、すごく細かいエピソードから入ったりという感じですかね。

岸上:確かに。ありがとうございます。孫さんが魔法石の話(をするの)は確かにおもしろい(笑)。


川邊:そうですね。あとおもしろかったのは、小澤隆生に「お前さ、戦略とか何かを考える時ってさ……。『キングダム』読んでるの?」とか(笑)。

(会場笑)

高橋:(孫さんは)『キングダム』を読んでいるんですか!?

川邊:(孫さんが)「『キングダム』読んでるの?」って。(孫さんは)「『キングダム』読んでいるんですか!?」って、まさになるじゃないですか。

高橋:そうですよね。

川邊:「あの時のあの戦いの、この戦い方はさ……」みたいな。そういう具体がおもしろいというのもありますね。

岸上:いやぁ、ありがとうございます。

大企業には真似できないスタートアップの優位性

高橋:まだ1回もいっていないですよね? 「AIの競争優位性」、その心は?

蓮田健一氏(以下、蓮田):AIは非常にすごいですし、もう実装がこれだけ簡単になってきていると、考えれば考えるほど強者がどんどん強くなるし、逆に我々のようなスタートアップの競争上の優位性は、どんな感じで作ればいいのかなと思っていたりするんですけど。そのへんをお聞きできればと思っています。

川邊:まぁ正直、そんなことがわかっていたら、こんなところに登壇して昔話でオラついてなくて。

(会場笑)

川邊:もうずっと籠って仕事ばっかりしますよ。だから正直、わかりっこない大変難しい質問だとは思います。AIそのもので、その解は僕も別にないですけど。今まで30年間ずっとインターネットのビジネスをやってきた経験で言うと、こういう局面は、やはりとにかくスピードですね。

蓮田:あぁ、なるほど。

川邊:とにかくスピード。大企業は、いろいろコンプライアンスとか、いろんな基準とか、いろんなことでどうしてもスピードが遅くなりますよね? それが当初のOpenAIとGoogleの競争の差にもまさにつながっていると思いますけども。そのへんがけっこうありましたから、Googleはやりたくてもできなかったんですよ。

だからやはりスタートアップの人たちは、とにかくどうスピードを出すか。それで試してダメだったらすぐに止めて、次のことをやる。この速さが少なくともこの30年は効いてきたかなと思っていますね。

蓮田:なるほど。もう先ほどからスピードとか、他力本願とか、すごくピンポイントでわかりやすいなと思いました。

川邊:そうですね。再現性があるでしょ?

蓮田:はい(笑)。

(会場笑)

川邊:そこですごく難しいことが出ても、自分にできるかなぁって考えますけど。他力本願でスピードを出そうということですから。

蓮田:がんばります。ありがとうございます。

アイドルは「人事」と「組織」の物語

高橋:じゃあ続いて、こちらにいきますけど。ちゃんとここで爪痕を残しに来る若者が5人ぐらい欲しいですよね。

川邊:そうですね、IVSなので。ぜひ来てください。

高橋:じゃあ、どれにいきますか?

川邊:アイドル、アイドル。

高橋:「アイドルに学ぶリーダーシップ」、どうですか?

金谷元気氏(以下、金谷):ありがとうございます。僕、ももクロ(ももいろクローバーZ)がめちゃくちゃ好きなんですよ。

川邊:えー!

金谷:ももクロはメンバーがずっと変わっていないんですね。川邊さんが好きなハロプロでいうと、モー娘(モーニング娘。)とかもメンバーが変わり続けているんですけど。そうすると、やはり若い人のグループなので、リーダーはすごく大変だと思うんですが。川邊がさんはそこでリーダーシップに少し注目されていそうだなと思いまして。

LINEヤフーの会長さんが、アイドルのリーダーシップでどういうところを学ばれているのかな? というのが気になっています。

川邊:なぜ2024年にハロプロが好きになったかというと、まさにアイドルのグループ、特にそういう新陳代謝しているアイドルのグループは、人事と組織の物語なんだなと。これはもうスタートアップとか、会社とぜんぜん変わらないんだなと思ってエモくなったということです。そこにおいてリーダーシップとか、マネジメントとかの影響は、めちゃくちゃあるなと思っているんですよね。

やはり若い子たちですから、その手法というよりかは、生き様に感化されるところが大きいんですよね。ならばアイドルで学ぶリーダーシップは、10代であったとしても、その生き様をどう見せられるかにあるんじゃないかなと思って、いつも注目して見ております。みなさんも生き様を社員に見せていただければなと。

金谷:なるほど。「この人が特にいい」とか「この人の生き様を見たほうがいい」とか、そういうのがあれば教えてください。

川邊:ちょっと話が長くなってしまうので……。

(会場笑)

川邊:一昨日、モーニング娘。の新人事が発表されまして、今度のリーダーが野中美希さんという人になったんですけど。この人は早稲田大学を出ていて、バイリンガルで、なかなか国際色豊かなビジネスパーソンみたいな人なので。この人がモーニング娘。をどう変えていくのかに注目していただければいいんじゃないんでしょうかね。このReHacQにもちゃんと並べて。

高橋:野中美希さんですね、わかりました。ちょっと注目していきましょう。

川邊:はい。

金谷:ありがとうございます。

2025年にやるべき習慣

高橋:他にありますか? どれにいきますか?

川邊:「みんなやればいいのにということ 2025」。何ですか、それは?

高橋:その心は?

重松泰斗氏(以下、重松):この勢いだったら聞けるかなと思って、ほぼ書いてあるとおりです。川邊さんが他の起業家や社員に「これをやればいいのになぁ」「俺はやっているんだけど、みんなはやってないの?」みたいなことがあったら教えてください。

川邊:はい。今私がやっているのは、何か作業とか行動をしますよね? その時に、今まで自分がやっていたり、秘書やチームメイトにやってもらったりしていたことをいったん止めて、とにかくAIを使ってやってみています。

案外「AIで、ここまでできちゃうんだ」という発見もあれば、「あ、ここはまだAIだとぜんぜんできないのね」みたいなこともある。さらに、「自分のAIのスキルだとできないのね」というものを、もっとAIに詳しい奴に「これをやったらぜんぜんダメだったんだけど、やり方があるの?」と聞いてみる。それで「いや、それはこっちの〇〇ってやつだったらできますよ」と教えてもらうみたいなことをずっと繰り返しています。

そうするとやはり、AIがどうなっていくのかを体感していっている感じがあるので。これはまさに「2025」という観点だと絶対にやったほうがいいです。AIを使ってあらゆることをやってみる。

重松:ありがとうございます。感慨深いです。

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