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LINEヤフーの川邊だけど質問ある?(全4記事)

KGIは「売上」ではなく「利益」に LINEヤフー川邊健太郎氏が語る、経営の「最重要課題」 [1/2]

【3行要約】
・売上必達と利益確保は多くの経営者の課題だが、実は経費削減が黒字化の鍵という視点が見落とされがちです。
・LINEヤフー会長の川邊健太郎氏はビジネスイベントで、達成可能なストレッチ目標の設定と徹底した経費削減の重要性を強調しました。
・経営者は利益をKGIとしたKPIツリーを作成し、限られたリソースをどこに集中させるかを戦略的に決定することが求められています。

LINEヤフー会長・川邊健太郎氏が登壇

高橋弘樹氏(以下、高橋):「LINEヤフーの川邊だけど質問ある?」

(会場拍手)

高橋:このタイトル、ちょっとすごいですね。

川邊健太郎氏(以下、川邊):ね。上から目線ですみません。

高橋:いえいえ、ぜんぜん。本セッションは、LINEヤフーの川邊健太郎さんをお迎えして、資金調達、事業戦略、組織運営など、リアルな経営課題について生の知見を聞ける、業界トップランナーとの直接対話セッションです。本セッションのモデレーターを務めるReHacQの高橋と申します。よろしくお願いします。

川邊:イエーイ!

(会場拍手)

高橋:ハロプロで鍛えた応援力がありますね。ありがとうございます。それではスピーカーの方をご紹介させていただきます。LINEヤフー株式会社、川邊健太郎さんです。よろしくお願いしまーす!

川邊:よろしくお願いしまーす!

(会場拍手)

川邊:LINEヤフーの川邊と申します。1995年の大学3年生の時にスタートアップで起業家となって、以後30年間ずっとインターネットのサービス開発をやっております。現在はLINEヤフーの代表取締役会長です。Xに大変力を入れておりますので、とにかく今日は(みなさんが)Xのフォローだけをしてくれればそれでいいと思ってやって参りました。よろしくお願いいたします。

高橋:よろしくお願いします。

(会場拍手)

業界トップランナーと直接対話

高橋:それでは、「ぜひ川邊さんに質問してみたい」とお越しいただいた6人の起業家さまに、一言ずつお名前と、会社と、どんな事業をやっているのかの自己紹介をいただきたいと思います。じゃあ、金谷さんからよろしいですか?

金谷元気氏(以下、金谷):Akippaの金谷と申します。よろしくお願いします。駐車場シェアリングサービスを運営しております。今ゲスト側の会員が450万人、ホスト側が約5万件の駐車場が掲載されておりまして、「Yahoo!カーナビ」とも連携をさせていただいております。よろしくお願いします。

(会場拍手)

高橋:じゃあ、蓮田さん!

蓮田健一氏(以下、蓮田):hacomonoの蓮田と申します。我々はウェルネス産業という、フィットネスクラブとか運動に関わるスクール、今約1万店舗ぐらいをお客さまにしたSaaSとFinTechをやっております。今日は若手芸人枠としてがんばりたいと思います。よろしくお願いします!

(会場拍手)

高橋:じゃあ、続きまして李さん。

李蕣里氏(以下、李):エルシオの李と申します。よろしくお願いいたします。私たちは、自動でピントが変えられるオートフォーカスレンズと眼鏡の開発をしているスタートアップです。使っていただきたいのは老眼者の方とか、目のピント調整能力が弱いとか、ない方なんですけど。最近はAIとかVR向けのレンズ事業もやっていまして、これから展開していきたいなという感じです。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

高橋:続きまして、岸上さん。

岸上健人氏(以下、岸上):MyDearestの岸上と申します。弊社はVRのゲームなどのコンテンツを作っているエンタメスタートアップです。今、ユーザーの99パーセントが海外で、アメリカの子どもたちが僕らのユーザーの7割、8割ぐらいを占めています。今アメリカですごく流行っているVRゲームを作っています。本日はどうぞよろしくお願いします。

(会場拍手)

高橋:続きまして、中川さん。

中川元太氏(以下、中川):Mintoの中川です。よろしくお願いします。弊社はエンタメのスタートアップで、日本のエンタメをグローバルに持っていくというところで、ファンシーなキャラやウェブトゥーン、ショートドラマなどを作って展開しています。ちょうどこの間、自社キャラが大谷翔平さんとコラボをして、ドジャー・スタジアムで販売されていた、みたいなことをやっている会社です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

高橋:最後にすみません、重松さん。

重松泰斗氏(以下、重松):kickflowの重松です。よろしくお願いします。弊社は大企業向けのワークフローSaaS、稟議とかで使われるような製品を作っています。金を払ってでも解決したいよという課題をどんどん解決していくような会社になりたいなと思っているので、何かヒアリングさせてもらえる方がいたら、ぜひよろしくお願いします。

(会場拍手)

高橋:みなさん、よろしくお願いします。

川邊氏が語る「売上必達のコツ」

高橋:じゃあ、さっそく質問にいきたいと思います。みなさんにフリップを書いていただきましたので、見せていただいてよろしいでしょうか? こちら!

「売上必達のコツ」「AI競争優位性のカギ」「資金調達で投資家との信頼関係」「会社の最重要課題をどう確認するか」「官民連携のコツ」「成功事例VS失敗事例」。川邊さん、これはどれからいきましょうか?

川邊:うん! なんか事前に見た質問とまったく変わっていてビックリしていますけど。

(会場笑)

川邊:あれは何の台本だったんでしょうね。いや、難しいな! まぁ、これが一番簡単そうですね。

高橋:「売上必達のコツ」が簡単そうなんですか!?

川邊:はい。

達成可能なレベルの目標を作る

高橋:それ知りたいですわ! じゃあ「売上必達のコツ」。この質問の意図を簡単に30秒ぐらいで教えていただいて、川邊さん(の回答に)いきましょうか。

金谷:「Yahoo!ニュース」の責任者の時に大赤字になったGYAO!の社長をされていた中で、どうしても売上が足りないというところが続いたこともあったと思うんですが。それをGYAO!で、どういうところをどういったかたちで黒字化したのか。やはり役割によって変わってくると思うんですけど。社長や会長が、それぞれの時にどう関わられてきたかをお聞きしたいです。

川邊:まぁ、事業ですからKGIというものがありますよね。KGIは、実は売上ではなくて利益だと思うんですけども。ですから、仮に売上と利益の2つあるとした場合、ご質問は売上のほうですから売上の話を先にします。達成できそうな予算にするというのは、まず1つ(笑)。

(会場笑)

川邊:身も蓋もないですけれども、あると思います。やはり今の事業の成り、プラスややストレッチで、うちの今の組織だと前期比105パーセントぐらいいけるのか、125パーセントぐらいいけるのかを見積もった上で、達成可能なレベルで目標を作る。これは達成しないと組織がけっこう萎えますから。だけど簡単に達成できてしまうと緩みますから。

やはり自分の組織のケイパビリティを見た上で、達成可能なストレッチ上限を設定して達成するのが、まず基本ですね。

KGIは「売上」ではなく「利益」に

川邊:その上で、まったく発想を変えて、絶対にいかないであろう3倍の売上みたいなことをやるという手もあります。この場合は、もう今のやり方を変えなきゃいけないですから、発想が変わることになります。

社長であれば「ここの局面は、会社のやり方を変えなきゃいけないよ」みたいに思った時は、そういう無謀な売上目標をもって達成させないという手もあると思います。いずれにしてもKGIは利益ですから、売上よりは利益をどう活かせるかが経営者の本当の醍醐味です。

ソフトバンクの強みは「経費」を削減する力

川邊:利益のほうは、経費です。みなさん、売上のトップラインで黒字にしようとか、増益させようとしていますけども、実は経費なんですね。これはよくXで書いていますけど、ソフトバンクが本当にすごいのは、実は経費をコストダウンさせる力がものすごいから、ああやって利益が出てくるわけであって。

経費の「今日100円でやっていることは、明日99円でできる!」というのを社内に浸透させて、とにかく全員がコストダウンできるという信念と、方法論を持つ。それによって利益を出すということをやっていただきたいなと思います。参考になりましたか?

金谷:はい。利益のほうを、すぐにやってみようと思ったんですけど。あと売上の場合、例えば今期の達成率が90パーセントぐらいの状態だったら、どう……。

川邊:他力本願ですね。

金谷:他力本願(笑)。

川邊:社員にも「頼むからやってくれ!」と言うし、だいたい何かを売る時に、いろんなパートナーがいますよね?

金谷:はい。

川邊:うちだと電通とか博報堂とか。GYAO!の時代も私はそこに行って「売上を付けてくれ」と、ほぼ土下座です。だから、巻き込む力が重要なんじゃないでしょうかね? すみません、本質的じゃなくて。

金谷:いえいえ、勉強になりました。

高橋:かなり本質的な話でしたね。

金谷:本質的です。目指していた売上が付かなかったらもう、それしかないなと。

川邊:他力本願でお願いします。

金谷:ありがとうございます。

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