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なんとなく面談からの脱却! 本当に意味のある1on1面談とは(全3記事)

忙しいプレイングマネージャーが陥りがちな“部下との会話不足” 若手の離職防止にもつながる「定期面談」の効果的なやり方

【3行要約】
・ 離職予防に効果的とされる定期面談ですが、多くの企業では評価面談のみを実施し、部下の育成にも効果的な定期面談を行う企業は少ないのが現状です。
・若手社員の傾向として「上司に相談できる機会を作ってほしい」というニーズが年々増えています。
・管理職は月1回最低10〜15分の定期面談を実施し、部下との信頼関係構築や報連相をしやすい環境作りに取り組むべきです。

多くの企業では「評価面談」しか行われていない

宮地尚貴氏:本日お話しさせていただきます、PDCAの学校の宮地尚貴と申します。よろしくお願いいたします。今日のテーマは大きく4つありまして、「定期面談とは?」「面談の必要性 ~若手の傾向~」「要注意! やってしまいがちな悪い面談、NG面談とは?」、そして最後に「効果的な面談にするためには」です。

ではまず、1番の「定期面談とは?」からお伝えできればなと思っています。弊社も育成に携わるサービスを提供している会社ですので、例えばどういう取り組みが離職予防につながるのかとか、離職が少ない企業さまはどういう取り組みをやられているのかというところで、共通しているのが「定期面談」です。

「日本の人事部」という有名なサイトがあると思うんですが、そういえば過去に日本の人事部で(掲載されていた)離職を防ぐための社内施策第1位でも、「1on1」や「定期面談」が挙がってきています。

定期面談というのは、上司と部下、場合によっては人事と部下、人事と若手の方が定期的に面談を行うこと。上司が話すのが主というよりは、あくまで面談をされる部下側の方が主体的に話す機会です。

面談の種類で言うと、こういったかたちで3種類ぐらいあります。「人事面談」と「定期面談」を混同してしまうこともよくあるのですが、仮に上司が定期面談をやるとなると、大きくはこの3つに分かれてくると言われています。

弊社が「離職予防のために面談がおすすめですよ」というお話をした時に返ってくる企業さまの声として多いのが、「面談? やっていますよ」というものです。ただ、「評価面談」「定期面談」「人事面談」と3つある時に、だいたいの企業さまが評価面談しかやっていないなと思っています。

最低でも月1回、理想は週1回の定期面談がおすすめ

評価面談というと、例えば半期に1回の面談、四半期に1回の面談、年に1回の面談とか、そんなかたちになると思うんですよね。半期に1回、年に1回しか膝と膝を突き合わせてじっくりと会話をする機会がないとなると、正直、離職予防や育成にもつながっていかない部分があります。

なおかつ、面談や評価制度をうまく回すためにも、評価面談だけだとうまく回っていかないことが多いなと思います。だいたい半期に1回の面談をされている企業さまが多いなという印象があるのですが、半期に1回面談をして評価をしていく。

そうなった時に、もちろん他の状況も見ているとは思うんですが、半期に1回しかきちんと会話をする機会を用意していないとなると、直近の印象評価につながってしまったりして、評価の妥当性や納得感も下がってしまいます。なので、定期面談は人事がやる場合もあるとお伝えしましたが、あくまで上司が評価者をやるのがおすすめです。

評価の質を高めるためにも、定期的な面談を行う。弊社でおすすめしているのは、「特に新人に対しては理想は週1ぐらいはやりたいですね。ただ、最低でも月に1回ぐらいは、10分や15分でかまわないのでやるのはいかがでしょうか?」というお話をさせていただいております。

じゃあ、(面談の種類ごとの)違いにも触れることができればなと思っております。評価面談は、あくまで部下の人事評価を決定・通知することが目的になっているかと思っています。

なので、1on1などのいわゆる定期面談は、どちらかというと部下の能力を高めるとか、課題解決に導くとか、最近の状況をヒアリングして適切にフィードバックをするとか、目標の進捗を確認するといったように、あくまで育成の観点が強いのが定期面談です。

人事面談はどちらかというと、ケアやハラスメント系の予防、ガス抜きを目的として用いられることが多いと思っています。なので、評価面談、定期面談、人事面談は目的が変わっていきます。面談の種類はこの他にも細かく言うと、フィードバック面談、目標設定面談とかいろいろあるのですが、大きく分けるとこの3つ(評価面談・定期面談・人事面談)があると言われています。

上司が忙しさに逃げると「報連相をしやすい環境作り」が崩壊……

「定期面談がおすすめですよ」というお話をさせていただいているのですが、定期面談を行うメリットが5つございます。まず1つ目が、信頼関係を構築できる。2つ目が、部下やメンバーの状況把握が適切にできる。3つ目が、メンバーの自己成長の部分につながっていく。4つ目が、キャリア開発を支援できる。5つ目が、定着改善につながっていく。

1つ目の「信頼関係が構築できる」の部分なんですが、上司層の方々はやはりプレイングマネージャーが非常に多いと思っていますので、「忙しすぎて部下の現状を把握できていない」「部下と会話をする機会がない」「世代間ギャップがあって、コミュニケーションが取れていない」といった課題を抱えられている上司も多いと思うんですよね。

ただ、月に一度、10分から15分でも定期的に面談を行っていくことによって、コミュニケーションの機会がそこだけでも担保されていきます。

月に1回、10分や15分だと少ないと思っているので(この数字は)最低限にはなるのですが、理想は週間ぐらいでやっていただきたいなと思っています。それぐらい接点を持つと信頼関係が構築されるので、報連相をしやすい環境作りにもつながっていきます。

よく新入社員研修で「報告・連絡・相談を円滑にするためには?」というものを実施させていただいているんですが、「報告・連絡・相談を円滑にするために重要なことは、日頃のあいさつと日々のコミュニケーションが重要です」と、新人の方々にお伝えしています。

理由といたしましては、日常のあいさつや何気ない会話ができていない中で、いきなり「部長、問題がございまして」という悪い報告をしようと思っても、恐らくできないです。

なので、日常からコミュニケーションの頻度を増やしたりあいさつをする。そういった基礎的なところから徹底することで、会話しやすい空気作りを作っていって、自分で自分が報連相しやすい環境を作るんですよ、というお話を新人研修ではよく伝えさせていただいております。

これは上司も一緒だなと思っております。上司側が忙しすぎて「部下と会話をする機会がない」というふうに逃げてしまうと、報連相をしやすい環境作りが崩壊してしまいます。特に今は若手の傾向を見ても、上司側からも下に降りていくような姿勢が必要なのかなと思っています。

定期的な面談はメンバーの自己成長にもつながる

(定期面談のメリットの)2つ目が、部下やメンバーの状況を定期的に把握することができる。今、現場で何が起こっているのかとか、部下の目標達成に対する進捗がどのぐらいなのかとか、そういったところを把握していかないとどうなるのか。

例えば、半年経って「ぜんぜん達成していないじゃないか」と怒る、指摘をする。また半年後に「ぜんぜん達成していないじゃないか」と怒る、指摘をする。そうなると、結果的にはPDCAがまったく回っていない。

ですので、管理職や上司の方は自分だけの成果ではなく、部下や後輩が成果に向かえるように支援をすることが役割の中にも入っております。なので(定期面談があることによって)きちんと上司が(部下の)状況を把握して、フィードバックをする機会につながっていくのかなと思っています。

あとは3つ目が、メンバーの自己成長につながる。特に能力・経験が浅い方々に対して有効だなと考えています。理由といたしましては、能力・経験が浅いと、個人の自力ではPDCAサイクルが回っていかない。

やはり働いているからには、生産性を上げるとか、成果に向かって求められる行動をしっかりしていくということは、どの社員さんにも求められるとは思います。ただ、能力・経験が浅いばっかりに、問題や課題に直面してしまった時に、どうやってこれを乗り越えていけばいいのかがわからない。上司もバタバタしていそうで相談もできない。

そうなると、行動が止まる、同じ行動を繰り返すなどの傾向が見られますので、結果的に上司から「いつまで経っても伸びていないな」という評価を下されてしまう。定期的なフィードバックがあることによって、「あ、その手があったか」という気づきになりますので、定期的な面談は本人の自己成長を支援することにもつながっていきます。

若手社員は上司とのコミュニケーションを求めている

あとは、キャリア開発を支援することができる。例えば、よく弊社の研修を活用されている企業さまの中には、助成金申請をされている会社さまもいらっしゃるんです。助成金を申請する企業の要件の中には、就業規則か雇用契約書か育成の方針を書く書類に、「従業員のキャリアコンサルティングを実施している」ということを明記するのがチェック項目になっているんですね。

なので、国としても従業員のキャリアを支援していってほしいというのが、いろんなところで開示されています。定期的な面談を行うことによって、どういったキャリアが適しているのか、どういった方向性に本人は進んでいきたいのかといった話題にも発展する機会がございますので、キャリアコンサルティングの一環にもなるのかなと思っています。

最後に、定着改善につながっていく。これらの4つがなされていくと、本人の行動改善にもつながります。あと、人でグリップを握りすぎるのは良くないなとは思っているんですが、「上司はこれだけ見てくれているし、自分もこの会社でもっと踏ん張っていくか」と、がんばれる源泉にはなり得ると思うんですね。

なので、本人が会社でキャリアを歩んでいくためにも、定期面談があることによって支えになることもあるのかなと思っています。「上司とのコミュニケーションを求めている」というデータは、やはりかなりいろんなところでお見受けいたします。

ラーニングエージェンシー(現:ALL DIFFERENT)さんのデータをお借りしているのですが、今の若手の傾向ですね。少し古いデータにはなっているんですけれども、「上司に相談できる機会を作ってほしい」「上司以外の社員にも相談できる機会を作ってほしい」というのが、年々パイとしては上積みされているんですね。

なので、キャリア形成について会社に期待することは何かというと、相談できる環境が欲しい。明確に言えるのが、相談できる環境がないと退職をするというのは、弊社の研修のお客さまを見ていても感じますし、日々商談をしていても感じるところではあります。

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