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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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【3行要約】
・成長の停滞期はビジネス人生の大半を占めるものの、その正しい理解と対処法を知っている人は少ないのが現状です。
・学習段階を「意識」と「能力」の2軸で分析すると、成長には「きっかけ」「行動」「報酬」の連鎖が重要であることが明らかになっています。
・上司は直接的なアドバイスよりも、メンバーが成功体験を積み、お客さまから直接フィードバックを得られる環境構築に力を入れるべきです。
本記事では、特に反響が多くあった同イベントの2記事目を再掲します。
高橋浩一氏:先ほど「うまく成長をしていくためには『停滞』との付き合い方が大事である」という話をしましたが、プラトー(停滞)とは何かと言うと、学習段階の壁にぶつかっているということなんですね。すなわち、人が何かをできるようになっていくプロセスが、途中でうまく進捗しなくなるわけです。
これをマトリックスで考えてみます。横軸が意識している・していない、縦軸が能力としてできる・できないだとします。そうすると、どんな領域であれ、ほとんどの人は「意識もしていないし、実際にはできない」みたいなところからスタートしますよね。いわゆる無意識・無能というやつです。

これが、「意識はしているけれどもできない」という段階に入っていきます。やろうと思っているけどできないということですね。それで練習を積み重ねると、「やろうと思ったらできる」というレベルになり、そして「意識しなくてもできる」になります。
さらにこの次は、「自分が無意識でできるようになったことを、人にできるようになるまで教えられる」という段階です。これらを踏まえて考えてみると、①や②は能力としてはできていないわけですから、誰もが成長を実感しないんですね。
意識していない状態から意識している状態になってくると、②はけっこうもどかしいんです。だから、だいたいこういう時って人は苦しさを感じるものです。「自分なりにがんばってやっているんだけど、うまくいかない」みたいなことですね。
③に行くと成長を実感します。これがいわゆるスパートというやつですね。意識してできなかったことが、意識してできるようになっていくということです。
そして、アンテナが鋭いメンバーが成長を実感するのが④や⑤なんですが、かつては意識しながらできていたことが、意識しなくてもできるようになったとか。あるいは人を教える立場になることによって、再現性を生み出すことができた。ということは、④や⑤を上司がサポートしてあげることによって、成長を実感させることができるわけですね。 このようなことを考えていくにあたり、やはり①や②って誰もが成長を感じないわけですから、どうやってこの停滞を乗り越えていくのかというと、このマトリックスで言うところの③、④、⑤に乗っけてあげたいです。どうしたら乗っかるんでしょうか? 1つは「分解をしてあげる」ということです。 例えば「アポイントを獲得したいのに、なかなか獲得ができないな」という人に対して、「それは大量行動するしかないよ。目標達成を意識しなさい。お客さんと関係構築をしていきなさい」と言ったら、確かにアポイントはいつか獲得できるようになるかもしれませんが、やはり上達実感を感じにくいわけですし、途中で心が折れてしまうかもしれません。 そこで、まずは段階的にスキルのレベルアップを描いてあげます。まずは「お客さんとの会話を続けられるようになろうよ」と。そうしたら、「アポイントの可能性があるかどうかのヒントを探ることができるようになってみないか?」。 その次には「会う理由につながる一言を訴求してみよう」、そして「タイミングを捉えて、日程調整に入る質問にトライしてみよう」。それから、「難色を示されることがあるけれども、そうしたら返しの対応をがんばってみようじゃないか」。 これをつまずかずに登れる人たちは一握りなんですね。ですので、やはり途中でつまずきながら登っていくことになるんですが、最初から頂点だけを示して「さあ、あとは自分なりにやってみなさい」だと、なかなかできるようにはなりませんので、ここをどういうふうにサポートしてあげるかということになります。 停滞の乗り越え方がわからないと、上達の途中で行き詰まってしまうということなんですが、どうなったら行き詰まりやすいのかが見えていても、適度な支援ができていかないと変わっていかないですよね。 例えば、「もうわかった気がする」という人に対しては、「その先があるよ」ということを示す必要がありますね。そして成長を焦ってしまう人に対しては、「道のりが長いんだから」ということをちゃんと示してあげることが必要です。そしてハッカーの人には、正しく現在地を知らしめてあげることが大事だったりするわけです。 このように学習段階を進ませることで、プラトーを乗り越えることが求められていくわけなんですが、ざっくり言うと「ビジネス人生の大半は停滞である」ということです。ある時ぐっと急に上がるんですが、大半は停滞です。 そうなったら、どうやって引き上がる場面を作っていくかということがポイントになってくるわけなんですが、学習段階を理解しましょうという話です。特に①、②の間は停滞です。そして、これを③、④、⑤に移行していくことがポイントになっていきます。 これを進ませるためにはどうしたらいいかということなんですが、ここで「行動分析のフレームワーク」というものを知っておくと便利です。行動は「報酬」で促進されるという性質があります。具体的には、「きっかけ」「行動」「報酬」というフレームがあります。 例えば、商談でお客さまから難しめのリアクションが出てきた時に、「ああ、これってロールプレイで練習したところだな」と認識ができたら、「練習の成果を活かしてがんばろう」というふうになりますよね。そうしたら受注が獲得できたりするわけなんです。 このように、「きっかけ」「行動」「報酬」がきれいにつながっていると、その行動をもっと積極的にやろうという意欲が湧いてくるわけです。「事前のロープレ練習をしておいて良かったな」と心から実感し、「よし、もっともっと練習してがんばるぞ」となるわけです。 「報酬」はスピードが重要ということで、鮮度が命です。いくら練習して下積みのプロセスがあったとしても、すぐに報酬を感じられないと、ありがたみが薄れてしまうことがあります。 そして「きっかけ」は、学習ができるという性質があります。どういうことかと言うと、「さあ、ここは練習の成果を発揮する場面だよ」ということに気づく人もいるし、気づかない人もいるんですが、指導してあげれば気づきやすくなるということです。 そして「行動分析」については、いろんな調査・研究からペナルティの効果が薄いことがわかっています。どういうことかと言うと、「やらないから罰則を下す」というマイナスの報酬って、人の報酬に対して短期的な効果はあっても、長期的にはインパクトが薄れてしまうんですね。 ここまでを押さえた上で、ちょっと考えてみましょう。先ほどのグラフに戻っていきたいと思います。「上司からのアドバイスは、本当に意味がないんでしょうか?」ということです。 ここで、「成長に影響を与える要素には序列がある」という話をしたいと思うんですが、このグラフの回答の中には大まかな傾向があります。それは何かと言うと、一番上位にあるのは「お客さまからのフィードバック」なんですね。感謝の言葉とか本音はフィードバックです。お客さまから何らかのリアクションや反応がある、ということです。 そして2番目の集団は「やりきって成功する体験」というものです。そして「アドバイス」は、どちらかと言うとスコアは低めのところにあります。 この3つの傾向を念頭に置いていただくと、こんなことが言えるんじゃないでしょうか。OJTの成長原則は「お客さまからのフィードバックが最上である」。最も良いものである、ということです。 やはりアドバイスしがちなんですが、アドバイスよりも、やりきって成功する体験のほうがインパクトは大きいわけですね。さらに、お客さまからのフィードバックがもっと効果的になります。となると、報酬が早いのはこれ(お客さまからのフィードバック)なんですね。 お客さまからのフィードバックというのは、すなわち自分がやったことに対してリアクションがあるわけですから、例えば商談でお客さまがフィードバックをくださったり、リアクションをくださったりするというのは、ものすごくプラスの手応えを感じやすい。即効性があるわけです。 一方で、やりきって成功するまでって時間がかかりますよね。そして、アドバイスは報酬になりにくいわけです。これをどういうふうに解釈すればいいかということなんですが、「直接的なアドバイスで変わると思わないほうがいいですよ」ということです。 あくまでも、メンバーがお客さまからのフィードバックを得られるような状態にするためのアドバイスだったり、あるいはやりきって成功する体験に行くまでに挫折するのを防ぐために、しっかりケアをするとか。そういう意味でのインパクトはアドバイスにはあるんですが、「アドバイスだけで変わる」と思ってしまうと(落とし穴に)はまります。 具体的にどういう落とし穴かというと、アドバイス自体に価値があると思ってしまう。残念ながら、アドバイスだけで伸びるのは12人に1人の逸材です。12人に1人というのは、正確に言うと8.6パーセントです。 私も社内のメンバーに対してアドバイスすることはいっぱいありますが、心の中では、アドバイスだけで伸びるとは端から思っていません。経営者や上司の仕事は環境作りだと思っています。 落とし穴の②は、「やりきって成功する体験」にフォーカスをしている途中で脱落してしまう。やりきって成功する体験って確かにインパクトはあるんですが、一朝一夕ではそんなにうまくいかないですね。 だからアドバイスというのは、ある意味で潤滑油といいますか、やりきって成功する体験に到達するまでのサポートという側面があります。これをちゃんとやらないと、せっかく意欲があったとしても、途中で心が折れてしまうということも起こり得るわけです。 ここで紹介したいのは、「上司が教えない会社」で有名なネッツトヨタ南国の若手が成長する理由です。この会社は先ほどの原理原則をものすごく押さえていまして、上司のアドバイスの価値がすごく軽いんですよ。お客さまのフィードバックを、いかにメンバーが得やすい環境にするかということを、いろんなところで徹底されているんです。 具体的な例を挙げますと、私もこの会社に見学に行かせていただいたんですが、ディーラーのショールームですね。車がいっぱい置いてあるのが通常のディーラーさんのショールームなんですが、このショールームは非常に変わった文化が根づいています。例えば新人の方がよろしくないことをしていても、上司はすぐに注意はしないんですね。 例えば、ショールームでカツカツカツと足音がうるさい新人の方がいらっしゃったとします。そうしたら、普通は上司の方は注意しますね。「ちょっとあなた、足音がうるさいですよ。お客さまに迷惑でしょ。気をつけなさい」「はい。かしこまりました」となります。 でも、先ほどグラフで見ていただいたように、上司のアドバイスはインパクトが小さいんですね。一番はお客さまからのフィードバックです。「おい、ちょっと君。足音がうるさいじゃないか」とお客さまから注意されたら、その一言のほうがズーンと響くわけです。ですから上司は、そのためのお膳立てや環境作りに集中する。 これ、言うは易しだけどなかなか難しいですね。でも、これをやりきっている会社がネッツトヨタ南国さんということで、非常に人が育つ会社で有名です。成長を実感させて「停滞」を乗り越える

上達の途中で行き詰まるパターン



成長に影響を与える要素には「序列」がある


「上司のアドバイス」よりも効果的なもの

上司のアドバイスだけで伸びるのは12人に1人

「人が育つ会社」で有名なネッツトヨタ南国

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