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(2025年再掲版)『ゆるい職場』著者・古屋星斗さんと考える、キャリアに悩む若手は、なにをすればいいのか?(全1記事)

仕事は嫌いだけど生産性が高い人 原動力は「早く帰りたい」…エンゲージメントは低くても"できる”タイプ [2/2]

転職せず「会社に残っている理由」を言えるか?

古屋:続いてお悩みポイント4ということで、「転職か在職か」。人事をやられてる方は特にそうなんですが、定着率をめちゃくちゃ気にするんですよね。KPIとして離職率を置いたりするのも大事だと思うんですが、それって個人のキャリアにとってそんなに重要ですか?

そんなことより、みなさんは「なぜその会社に在職し続けてるのか」を言語化できますか? これ、ぜひ考えていただきたいんですよ。自分のことを言ってみて、自分の納得感は何パーセントですか? 隣にいる方の理由の納得感は何パーセントですか?

というのは、在職してる方の中には「ポジティブ在職者」と「ネガティブ在職者」がいることがわかってきているんですよ。わかってきているもなにも、実際にそうじゃないですか(笑)。

職場によっては、しがみついてる上の世代の方々もいるでしょうし、若手ですごく生き生きと在職してる方もいる。つまり何が言いたいかというと、転職って「選択」なんですよ。「転職する」と選ぶことが必要で、意思決定が必要じゃないですか。でも、転職しない、つまり在職し続けるのは意思決定が必要ないんですよ。

このために、非常にもったいない状況があり得るんですよね。私が申し上げたいのは、「転職も選択なんだから、在職も選択しよう」ということなんです。

なので、「転職か在職か」というのはイーブンの選択としてあるので、理由を持って選択できているか、理由を持って在職できているか。KPIの作り方だと思っているんですが、在職率じゃなくて「ポジティブ在職率」で見る。

旭化成の三木(祐史)室長と共同研究していて、その資料なんですが、おそらく今後は「積極的在職」や「ポジティブ在職」がすごく大きなファクターになってくるだろうなと思っています。

それで、みなさんはどうかってことなんですよね。もちろんみなさんいろんな理由があると思うんですが、それを自分の言葉で話せますか? それを実際に話してみて、自分の納得感は何パーセントですか?

仕事に熱意は必要なのか?

古屋:ポイント5です。さっきちょっとお話がありましたが、「仕事に熱意は必要か?」。エンゲージメント全盛の時代じゃないですか。エンゲージメントによって、従業員の給料が変わる時代になってるわけですよ。

それはぜんぜん良いことかもしれませんが、私はこういう調査をしてるんです。「仕事はそもそもつらいもので、楽しさを見出すことは困難だ」という質問をして、統計的な調査を取ってみると、この回答はどうなると思いますか?

びっくりしたんですが、この回答はきれいに正規分布するんですよね。つまり、どっちもいるんですよ。相当バラバラ。「仕事はめちゃくちゃ楽しめるよ」と(回答した人もいる)。

私の『ゆるい職場』の隣に並んでる、この『ジョブ・クラフティング入門』という本では「ジョブ・クラフティングできる」と。……これ、時間大丈夫ですか?

大西:大丈夫です。

古屋:大丈夫ですか(笑)。ちょっとみなさんの眼差しが熱すぎて、どんどん話しちゃってますが……。

大西:ぐっちゃんの新幹線に間に合えば大丈夫。

(会場笑)

古屋:このペースでいくと間に合わなくなっちゃうかもしれないので、ちょっと巻いていきます。「(仕事を)楽しめない」という方は相当数いらっしゃるが、「楽しめる」という方も相当数いらっしゃる状況です。

でも意外なことに、「困難だ」「仕事はそもそもつらいもので、ジョブ・クラフティングはできるはずがない。意味がない、無意味だ」とおっしゃっている方もいる。ちなみにみなさんはいかがですか?

あえては聞きませんが……いや、逆に聞いてみましょう。「仕事はそもそもつらいものであり、そこに楽しさを見出すことは困難だ」という質問に対して、そう思うか、そう思わないかの二択でいくとどうでしょう? じゃあ、そもそも仕事はつらいものだ、楽しめないと思う方はどれぐらいいらっしゃいますでしょう?

(1人も手が挙がらない)

古屋:……ほら、やっぱりこうなっちゃう。

(会場笑)

大西:挙げづらいですよね(笑)。

古屋:人事図書館ですからね。だから、もう聞かないことにします(笑)。

(会場笑)

エンゲージメントは低いが、仕事の生産性は高い人

古屋:でも、そういうみなさんだということを認識したほうがいいと思うんですよ。ぜんぜん悪いことじゃなくて、すごく素敵なことですし、すばらしい。たぶん現代社会に最も適応されていて、今後おそらく各分野の第一人者になられていく方々が、この中には相当多いと思うんですよね。

ですが、ここからが大事ですよ。世の中にはそういった方々ばかりではないということなんです。みなさんと同じ数だけ、そう思ってない方がいらっしゃるということなんですよ。これを考えないと、今後マネジメントができない。

なぜかというと、「そもそも仕事はつらい」と答えた方のほうが、実は幸福感やキャリアの進捗度合への満足感が高いんですよ。たぶんキャリアに関しては、キャリアに対する期待値が低いから満足感が高いところがあると思うんですよね。

たぶんみなさんはキャリアに対して期待値が高いので、満足ってそんなにしないですし、それで不安に思っちゃったりするじゃないですか。それはすごく良いことなんですが、「仕事がつらい」と思ってる人のほうが、幸福感とか生活満足感をひっくるめて高いという結果が出ております。

だから申し上げたいのは、「そもそも仕事に熱意は本当に必要なのか?」ということを考えなきゃいけないんです。エンゲージメントという言葉は当たり前に使われてますが、それは本当に万人にとって大事なのか。

申し上げたいのは、エンゲージメントが低くても成果をあげる方はいらっしゃるわけです。私はこれを「職人肌」と呼んでます。粛々と目の前にある仕事をこなしていくことに対して、ものすごく効果的・能率的で、仕事が嫌いで早く帰りたいからこそ、すごく生産性が高い。そういう方も、日本社会には実際にいらっしゃるわけですよね。

エンゲージメントが高くて「おっしゃ、俺は仕事が大好きだ」と言ってるけど、「こいつ、ぜんぜん仕事できねぇな」っていうやつと、どっちがいいですか? という話なんですよね。実際、そうじゃないですか(笑)。

私はぶっちゃけエンゲージメントがめっちゃ高い人間です。うちの研究所内には、そうでなくてすごくドライにかまえてる人間がいて、その人間とこの話でいつも相当揉めるんですよね。

(会場笑)

古屋:だけど、揉めたほうがいいということなんです。

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