PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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高橋浩一氏:これらの「ATM」をどんなふうに見ていったらいいのかというのも、実は考え方があります。目標達成のマネジメントサイクルを回しましょう。
イメージとしては、マネージャーがどんな順番でダッシュボードを見ていくかなんですが、まずは当然言わずもがな、「受注、売上の状況はどうだ?」と結果の数字を見ますよね。ただ、ここで結果の売上だけを見るんじゃなくて、期待収益やパイプラインの金額を見ていきます。ちゃんと先々まで見た時に、案件が積まれているかどうかを見ていくわけです。
これが順調だったら、「よしよし、そのまま頼むよ」という話なんですが、ちょっとおぼつかなかったら内訳やプロセスを細かく見ていきます。特に見ていただきたいのは、案件が動いているかどうかと、案件が作られているかどうかです。フェーズアップの件数や新規商談作成件数が動いていないということは、営業活動が停滞していることを指します。
ここが動いているというふうになったら、「あとはサポートが必要な商談はどれだろうか?」と、重要な商談を見ていきます。先ほどまではモニタリングでダッシュボードを見ていたのが、(今後は)アラートとターゲティングを見ていくわけなんですが、「これはヤバい。もう、すぐに対処して」というものはアラートですよね。
あるいは、「ここらへんに行ったほうがいいんじゃないの?」というのはターゲティングだったりするわけです。このあたりに、ある程度の目安を持っておくといいですよね。こういった指示をしていく中で、やはりアクションや優先順位の具体が必要になってきます。
さっきも申し上げましたが、とりあえず目標だけを握ってあとは放置というのはよろしくないですから、「これを進めてくれ」とか「特にこのお客さんは行ってくれ」と、アクションや優先順位の指示が必要になってくるわけです。
アラートは当然ながら対処するんですけれども、ぶれがちなのは、ターゲティングのお客さまは緊急度が低いですからなかなか進まなかったりしますよね。でも、緊急度が低いお客さまをずっと放置していたら何が起こるかというと、先々困るわけじゃないですか。ですから、ここでターゲティングをしっかり見ていく。
あとは、やっていることがしっかり合っているかどうかということで、最近更新された商談が狙いどおりに進んでいるかどうかだったり、受注や失注のパターンを見ていきながら、ちゃんとうまく結果が出ているかを見ていきます。
こういったことを言うと、「SFAとかCRMの最新のツールを入れないといけないんですか?」って思われるかもしれませんが、一応Excelでもできないことはないんですね。できるはできるんですが、ちょっと注意点があります。
Excelやスプレッドシートで管理されているよという企業さまには、必ずフェーズの履歴が見えるようにしてくださいと申し上げています。
どういうことかというと、例えばこのフェーズでセルをクリックして「3」を「4」みたいな感じにした時に、履歴が残らないと進んだかどうかがわからないですよね。ですからこんな感じで、どのようにフェーズが進んでいるか、もしくは停滞しているかをはっきりと見える化させてください。ここは特にポイントになります。
このようにきっちり見ていこうとすると、あとは数字の状況を見て人に合わせた手を打っていきます。仮に行動の量と質とで見ていくとしましょうか。
量と質が共に低くて、両方とも要改善という場合はDゾーンになります。Cゾーンは、質は高いけど量は少ない。Bゾーンは、量は良いんだけど質が低い。Aゾーンは質も量もどちらもGoodというものです。
両方GoodのAゾーンを目指していきたいですが、Dゾーンにいるメンバーがいたらどうするか。まず、Dゾーン(のメンバー)には期待を少しコントロールしてあげる必要があります。
何でもかんでも全部やれと言ってもできないわけですから、Dゾーンのメンバーに対して真っ先にやるべきは絞ることです。「まずはこれだけやってくれ」「次にこれをやろう」という介入が必要です。「全部やってくれ」となると、消化不良になってしまいます。
Cゾーンは、質は高いけど量が問題です。ただ量をやれと言われてもなかなか動かなかったりしますよね。ですから、私はさっきも「標準が必要だ」と申し上げました。標準というのは、標準を基にするとどのぐらい足りていないのかがロジックで出されるということです。「今、受注率が20パーセントだったらこの訪問件数が必要だよね」というふうに逆算方式で計算されます。
リストを確認してファクトを見ていきます。「このお客さまはしばらく接触していないよね」というふうに、だいぶロジックで出していくわけなんですけれども、ただ指示をすればそれで終わりではもちろんありません。ちゃんとフォローしていきましょう。
質が高くて量が少ないメンバーはこれでいいんですが、Cゾーンはどちらかというと中堅とかベテランが多かったりしますよね。Bゾーンは質と量が逆で、量は多いけど質が問題。
このBゾーンは、がんばってはいるんだけれども進捗しないんですよね。なぜかというと質が低いからです。こういう人たちは接戦の失注受注データ分析をして、何が有効かを見ていく必要があります。
そしてAゾーンまでいったら、もうこの人にはマネージャーの右腕として力を借りましょう。
トレーニングする時にはむしろマネージャー側に立ってもらって、ロープレの相手なんかを務めてもらうということです。
ここまでをまとめていきたいと思いますけれども、PDCAを回す時にがんばっているアピールを習慣化しないように注意する。
どういうことかというと、「結果だけを見るよ」「プロセスKPIを見るよ」「商談報告を見るよ」というのを別に否定するものではありませんが、それしか見ていないと、どうしてもがんばっているアピールにいきがちです。そこで、アラート、ターゲティング、モニタリングの観点で見ましょう。
そして、行動を量と質とで意味付けし、モニタリングをしながら介入していきます。そうなってくると、数字をどんなふうに置いておいたらいいのかという話になっていきますので、この数字の読み解きの話をしていきたいと思います。
KPI管理をうまくいかせるためのコツは何でしょうか? ということなんですが、どうでしょうかね。KPI管理をうまくいかせるためのコツは何だと思われますでしょうか? ここは(参加者の方に)少し考えて書いていただきましょうかね。もしよろしければチャットで一言ご記入ください。
(コメントを読みながら)「数字を最新化する」「定期的なチェックと改善」「週次PDCAなどの定期的な報告の場」「達成・未達成の原因を確認して手の届く目標、数字確認を習慣化すること」「数字把握の自動化」。はい、ありがとうございます。
やはりちゃんと見ることが大事なんですが、ちゃんと見る上で気をつけなければいけない点があります。それは何かというと、手を広げ過ぎないことですね。「一番大事なことは絞ることである」というふうに私はお伝えしたいと思います。
要するに、人間って何でもかんでも全部が完璧になるのは難しいですから、「これだけをやれ」「この数字だけはちゃんと上げてくれ」というふうに、メンバーそれぞれが意識するKPIは絞るということです。
もちろん全体を見ている立場としては全体を見ていいんですよ。ただし、Aさんは何に注力するのか、Bさんは何に注力するのか、Cさんは何に注力するのかといった次元では絞るということです。
例えばそもそも提案につながらないんだったら、訪問件数や案件化率や提案件数のあたりを見ることになりますし、提案しても受注がなかなか増えないんだったら、提案件数と受注率を見ていくわけですよね。
こういうふうにKPIを絞り込んで、一人ひとりごとに見るべきものは絞ります。そのためには、やはり基準が必要です。基準が必要というのは、GoodとBadをどう判断するかということです。行動の量というのは、例えばコールの件数、訪問件数、提案件数です。
さっきプロセスKPIの話をした時に、「プロセスKPIを出すことが悪いというわけじゃなくて、プロセスKPIさえ見ていればいいというふうになるのが問題だ」と申し上げました。もちろん見る必要はあるわけです。ただ、GoodかBadかを示さないといけないですよね。
行動の質もそうです。アポ獲得率、案件化率、受注率、平均単価といったものを見る必要があります。質はだいたい分母・分子で表されるもので、行動の量は単純な件数です。これを中央値にいるメンバーの数字で見たり、全体の平均と比べたり、あるいは個人的な裁量で決めることがあります。
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