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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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中山拓哉氏:定刻になりましたので、Webセミナーを始めてまいります。みなさん、こんにちは。本日担当いたします、株式会社PDCAの学校の中山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、「組織を蝕む静かな退職 現代組織の課題と対策」というテーマでお話をさせていただきます。あらためて、株式会社PDCAの学校の中山と申します。PDCAの学校の入社が2016年でございまして、2025年で10年目でございます。教育一筋でやってまいりました。
1年目から新規営業、3年目から企画開発や研修設計に携わり始め、(スライドに)写真も載せさせていただいているんですが、5年目以降からは講師、コンサルタントとして活動しております。最近はWebセミナーの登壇も月イチぐらいでさせていただいておりまして、先月もご視聴いただいた方はありがとうございます。
本日の内容としましては、タイトルにもありましたとおり「静かな退職」。「Quiet Quitting」という単語がありますけれども、最近のトレンドにもなりつつある静かな退職というキーワードから、組織課題、対策を解説させていただきます。
静かな退職と一言で言ってもタイプ分類ができます。静かな退職のAパターン、Bパターン、Cパターンとか、それぞれタイプがございますので、それぞれに対しての対策と静かな退職から起こる職場への影響をお話しさせていただきます。
静かな退職が絶対悪かというと実はそうでもなくて、共存していけるという戦略もございますので、こちらをお話しさせていただきます。最後に、静かな退職者に対する具体的なマネジメントの部分をお話しさせていただくという、そんな内容でございます。
まずは定義のところからお伝えをさせていただきます。静かな退職というふうに書かれているんですが、結論、物理的に退職しているわけではございません。在籍はしているけれども、言ってしまえば心が離れてしまっている状態のことが、静かな退職というふうに定義付けがされるかなと思います。
一応(静かな退職の定義について)読み上げておきますが、仕事への熱意とか積極性を失ってしまっている。要は、「必要最低限の業務でいいかな」という働き方をされていることを静かな退職と言います。
静かな退職をしている方によく見られる特徴として、いくつか羅列させていただいておりますが、言われたことだけを実行するとか、にじみ出るやらされ感。あとは昇進・昇格に対する意欲が低い。仕事とプライベートの境界を明確に区分する。
退職が決まった従業員のような精神的余裕があったりとか、会議の発言、提案、アイデア出しがなくなったり、率先した情報共有がなくなるといったところが特徴でございます。難しいところが、これは静かな退職をしているからこういう特徴が出ているのか、そもそも本人の価値観がそうなのか。
具体的には4つ目の「仕事とプライベートの境界を明確に区分し始めた」というのは、静かな退職が原因なのか、そもそも本人の仕事に対する価値観なのかといった分析がなかなか難しいところではあるんですが、よく見られる特徴としてはこのあたりでございます。
実際にどれぐらいが静かな退職をしているんですか? という割合の話なんですが、まとめますと、半数近くが静かな退職をしているという脅威的なデータがございます。
こちらはマイナビさん(の調査)から引用させていただいているんですけれども、約3,000名に対しての設問です。「ご自身で静かな退職をしていると思いますか?」という質問に対して、「そう思う」が14.5パーセント、「ややそう思う」が30パーセントということです。
足し込むと、「思う」側の回答が44.5パーセントということで、みなさんの会社組織の中の約半数が静かな退職をしてしまっているという実情がございます。
さっそく、その原因のところからひもといていきたいんですが、静かな退職が起こる3つの理由です。これがすべてではないんですけれども、主な3つの理由としましては、1つ目が働き方に対する価値観の変化。2つ目が従来の雇用制度、評価システムへの不信。3つ目がコロナ後の働き方見直しということです。
まずは1つ目の働き方に対する価値観の変化。多様性という言葉がだいぶ独り歩きしているかな? というところなんですが、「ガツガツ働きます」「休日は要りません」「120パーセントで働きます」という価値観の方もいらっしゃいます。
ただ、私はここ最近、実際に新入社員から若手社員向けの研修に全国で登壇しておりまして、若年層と直接的に関わる機会も多いんですが、仕事に全力投球という価値観の方はだいぶ減ってきたかなという印象です。
冒頭でもお見せしたとおり「仕事とプライベートはきちんと分けたいです」とか、ワークライフバランスという言葉もありますが、「仕事のために生きるというよりかは、趣味やプライベートを充実させるためにがんばりたいです」といったことも、生の声として私のもとに上がってきたこともあります。
働き方に対する価値観がかなり変わってきた、多様性が見られるようになってきたところも、1つの要因として挙げられるかと思います。
2つ目です。従来の雇用制度や評価制度、評価システムへの不信から(静かな退職が)起こったりもします。最近は、「抜本的に仕組みや制度の部分から改革していこう」と着手されている企業さまも増えてきたなという印象ではあるんですが、そもそも自分自身が働く環境に対しての不平不満から、静かな退職につながってくるという要因もございます。
3つ目は、コロナ後にはけっこう自由とまでは言わないですけれども、テレワークとか自分なりの働き方が許容されやすい時代にもなってきましたので、そういったところも静かな退職の原因として挙げられるかと思います。
これがどういうふうに職場に影響していくかといいますと、静かな退職の定義として、「最低限でいいや」というところが1つございます。「最低限でいいや」の社員が増えるとどうなるかというと、当然ながら生産性・業績への直接的な影響が出てまいります。
私が新卒・若手向けの研修とかでよくお話しする内容なんですけれども、「作業」と「仕事」の違いは何でしょうか? 言われたことだけをこなす、ルーティーンどおりにこなすだけなのが作業。仕事というのは、自分なりに考えて付加価値を生み出して、「少しでも」のプラスアルファをお客さまに届けること。
こういう定義付けでお話しさせていただいたりするんですが、「言われたことだけ」とか「最低限でいいや」になってしまうと、もちろん最低限の成果しか生まれません。なので、生産性だったりとか、みなさんの組織・企業への直接的な影響が懸念されます。
2つ目が、ほかの従業員への波及効果です。1人とか2人だけならまだしも、これが伝播していく、伝染していくということが非常に懸念事項として挙げられます。
一生懸命がんばっている社員が、実際にそういった働き方をしている社員を見て、「あれでも自分と評価が変わらないなら、自分もあのレベルでいいかな」というふうに、静かな退職がどんどん伝染していくことは懸念点としても挙げられるかと思います。
3つ目。当然ながら、最終的には組織運営、管理、監督、マネジメントもしづらくなってくるという影響がございます。特に深刻な問題としましては、先ほど私がお伝えしたとおり、周りにどんどん伝染していってしまって、組織全体のモチベーションが下がってしまうことが問題になってきます。
そもそも組織風土として「がんばらなくていいや」というのが根付いてしまうと、だいぶまずいかと思いますので、これは特に深刻な問題になってまいります。
(特に深刻な問題の)2つ目が、高パフォーマーや真面目な社員に負荷が集中して、本当に必要な人材を失うリスクということですが、仕事ができる人に仕事が溜まるというのは「あるある」かなと思います。
「最低限でいいや」の社員が増えてしまうと、一生懸命がんばっている社員に対して「じゃあ○○さん、これもよろしく、あれもよろしく」というふうに仕事がどんどん集約されていって、疲弊してしまって潰れてしまう。貴重な人材を失うリスクもあるかなと思います。
3つ目が、競争力の源泉である創造性・改善力が組織から失われてしまうことですね。少なからず、みなさんが所属されている組織の競合他社はいらっしゃるかなと思います。
競合に打ち勝っていくためには、市場分析とか環境分析、自分自身の取り扱っている商材やサービスにいかに付加価値を載せていくか。新たに企画して、新商品やサービスを世に打ち出していく創造性・改善力が求められるべきなんですけれども、「最低限でいいや」になると、そういったところも組織全体から失われるリスクがあるということです。
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