なんか頼りなさそうに見える
ではいきましょう、3つ目。見るからに頼りなさそうに見える人は、何を言っても舐められるということは、やはりあります。
あるある行動を紹介します。「プレゼンスがあるよね」「あの人はプレゼンス低いよね」と言われるケースがよくあります。これは何かというと、与える印象のことを言っています。
表情や口調、発言の内容、そして姿勢、行動。「この人は自信があるように見える」「なんか頼りなさそうに見える」ということです。
一人ひとりの目を見ながらしゃべっているか
私が前職で管理職をやっている時に、実はプレゼン研修という科目がありました。その時、私はまだ受講生でした。前で発表するんですけれども、その中の項目に「プレゼンス」があるんですよね。
いくら正しいことを言っていても、これをやると得点がグッと下がる。その時は「へー」と思っていましたが、あとから研究して私もわかりました。リーダーはプレゼンスを必ず意識しましょう。
まず、目を見ないリーダーはアウトです。話す時に「どこを見ているの?」「下を見ているの?」「何かを読みながらしゃべっているの?」となる。これはアウトなんですよ。ちゃんと一人ひとりの目を見ながらしゃべっているか。
緊張していないように見せる努力をしているか
あと、焦っていそう。いつも緊張している感じですね。緊張しているのは仕方がないかもしれませんが、だからといって緊張したらダメなんですよ。緊張していないように見せないといけません。だから陰で何度も何度も練習するんです。練習せずに「緊張しています」ということは「役割まっとうしていません!」ということなんですよ。
だから「緊張しています」って思ってもいいんだけど、「見せないように努力するべく練習をしていますか?」は問います。
ダラダラ・ボソボソ話していないか
あとダラダラ話す。これもトレーニング不足ですね。「よくわからないと言われる」という懸念を持っていないのか、言い切っていないんですよね。「私は〇〇をするべきだと考えています」って言えばいいのに、「今こういう状況で、こういう状況なので、まぁやるのは難しいと思うんだけれども……」と。長いってことです。
リーダーはバシッと言わないとプレゼンスが下がりますので、あえて言うんです。ボソボソもダメです。口角は上げずともいいかもしれませんが、口を大きく開いて声を出す。
「声が大きい人は有利」ってよく言われるじゃないですか。声が大きい人に意見が傾くことが問題になることもあるじゃないですか。やはり物理的に声が大きいというのは、音の圧力、音圧があるので、強く聞こえます。弱くは聞こえません。なので、ぜひボソボソは止めてください。
姿勢・歩き方を意識できているか
あと、猫背もダメですね。「あのー、私が思いますのは……」って肩をすくめながらしゃべるイメージですよね。本人は気づいていません。これもやはり先ほどのプレゼンスに影響する話なんですよね。「空気感を意識しておりません」ということになります。
私が部長の時に、部下である課長に1回注意したことがあります。今思うと「ちょっと言いすぎたかな」と反省していることが1個ありましてね(笑)。平成時代なので、許してください。
課長になったばかりで、周囲からの支持が低かったんですね。メンバーが課長を尊敬していなかった。「課長をなんとかできませんか?」という相談をもらっていた。振る舞いを見た時に、いろいろNGはあるんですけれども、焦ってもいるし、全体的に自信がなさそうなんですよ。
今だったらこんなことは絶対に言わないんですけれども。「ちょっといい?」って呼んで、「今、悩みある?」って聞いた時に、課長から「あります。マネジメントがうまくいってないんです。」と。「そっか。周囲から見た時に、自信ありそうに見える? そこ大事だと思うんだよね」と言った時に、課長は「いやぁ、たぶんないように見えると思います」と。
「どうしたらいいと思う?」「いや、それがわからないんです」「そっか……」。こちらは言いたいことがあるんですね。「歩き方を意識したほうがいいかもしれんぞ」と。
「どんな感じですか? 私の歩き方」「つま先立ちで、チョコチョコって歩いているように見える。常に追われている感じで。それを見て『頼りになるか?』と言われると、ちょっと俺はわからない」ということを言ったんですね(笑)。
本人はこう言ったんですよ。「私、つま先立ちで歩いていますか?」。「いや、そういうことじゃない」っていう話をしたんですけどね(笑)。今だったら、そういう表現は絶対にしません。ただ、お互い同世代だったので、そういった表現をしました。
でもそれは、やはり真意なんですよ。もっと違う注意のし方、促し方はあったと思うんですけど、自信がなさそうな歩き方も注意したいところです。
自分に甘い
さぁいきましょう。自分に甘い人はダメですね。私は絶対に戒めたいなと思っています。あるある行動としては、リーダーが時間に遅れる。例えば朝礼とか会議に遅れる。「リーダーだから」と、当たり前に遅れてくる人っていますよね。
それって実は信頼を落としています。偉そうに言いましたけど、私は管理職の時にやってました。なので反省しております。
「先に会議やっておいて」と言って、途中で入っていくんですね。「はい、みなさん。お疲れさまです」って言うんですよね。これを何度もやっていました。
でもいい部下がいましてね。「伊庭さん、見え方良くないですよ」と。「確かに……」。朝礼もそれをやっていたんですよ。任せたい気持ちがすごく強かったので、待っておいて、朝礼が終わる頃に入っていくんですね。やりすぎたらなんでもダメだというのをその時に覚えました。任せすぎたらダメとかね。時間に関しては、誰よりも厳密に守るっていうことをやらないと、部下は冷静に見ているなと思いました。
私は部下から何度か注意を受けています。ありがたいです。だから絶対にやめましょう。
小さな約束を忘れる
そして小さな約束を忘れる。「今度またミーティングしようよ」と言って放ったらかしにする。これはダメですね。
あと、自分の間違えたスタイルを変えようとしない。「私は人見知りなので……。このスタイルでなんとかいけないかなと思っています」。「私のキャラ的に、褒めると周囲が戸惑うと思うんですよね……」。これは自分のスタイルを守ることから考えているじゃないですか。
それでニーズに合っていれば問題ありません。でも、ニーズに合っていない場合はズレになりますので、ダメなんですよね。それは「自分に甘い」になります。
だから、やはり変えていかないといけないんですよね。自分のやり方、キャラ、性格を理由にして、相手のニーズに合っていないとなると、それは周囲から見て「甘い奴だなぁ」と思われるので、リーダーはやはり相手のニーズを越えていくぐらいな感じで自分が変わっていかないといけない。ぜひそこは、押さえておきたいところではないでしょうか?
それぞれの対処法
では最後、どうすればいいのか。その対処法を紹介します。まず、相手の目を気にしすぎるということに対しては、自分自身が何を大事にするリーダーなのかを決めることです。そして「自分はこうやりたい!」ということをちゃんと上司とも会話をし、部下にも伝え、「これをしっかりとやるんだ」という人になるということですね。そこはもうずらさない。
もちろん、心では迷いがあるにはあるんですよ? ただ、そこはずらさないという姿勢は持つことをおすすめします。でも頑固になっちゃダメですよ? ちゃんと筋として通っているっていうことですね。
次に、過度に民主的になりすぎるっていうことに対しては、先ほど言いました。意見は必ず聞きますが、リーダーが決める。
頼りなさそうに見えるという場合は、これはテクニックなので。話法や、話し方の抑揚、表情、姿勢。それらは私のチャンネルでも学べますし、YouTubeの私のチャンネル以外でも学べます。研修でもよくお伝えするパートでございます。
あと自分に甘い。これは、常に周囲から審査をされている感覚を持てるかどうかが大きいです。「私のキャラはこれなので」で点数が付くものであればいいんですけれども、点数が付きにくいのであれば、合理的な選択じゃないですよね。合理的に選択するためにも、常に評価にさらされている感覚を持つことをおすすめします。
まずは「こうありたい」と決めること
役職は上下の身分ではなく、ただの役割なんですよ。ただ、役割がまっとうできているかどうかの得点チェックがありますので、そこを謙虚にいかねばならないんじゃないかなと、私は考えています。でもご安心ください。このような状況であったとしても、良い状況に持っていくために、いつもお伝えしているWATの法則。「こうありたい!」とまず決めてください。そして1ミリでもいいので、その行動をすぐに取ってください。それだけで変わりますので。結果、信頼を得ることが可能になります。

最初に「こうありたい!」。次に、思うだけでなく行動を少し取ってみる。これだけで変わりますので、何か1つでも今日の動画でやっていただければうれしいなと思います。