お知らせ
お知らせ
CLOSE

ビジネスリーダーのための「部下を動かす質問力セミナー」(全4記事)

やると言ったのにやらない部下への指導法 相手の行動を「悪意」に捉えない…イラっとした時の切り替え方 [2/2]

話を聞かないタイプの上司との関わり方

平岡:ありがとうございます。次は、タカサワさんとババさんで共通しているかなっていうところが、部下側から上司に対してっていうところですね。

タカザワさんのご質問、「1on1を受ける側の目線から、傾聴力が欠如した上司(上司の教えをひたすら語る形式の1on1)とのコミュニケーションを変えるために、部下から効果的な質問はありますか? 例えば、コミュニケーションが双方向になるような質問」。

そのままババさんの質問ですね。「逆に、中間管理職が上司との信頼関係を深めるための質問のポイントはありますか?」。つまり、部下から上司というところでいくと、どんなアプローチが考えられそうでしょうか?

林:そうですね。私も、どの会社に……ではないけど、ある会社に所属していた時に、私の話をまったく聞かない上司がいて、もうしょっちゅう衝突していたんですよね。話を聞かない。傾聴力がない。あとは承認力もない上司がいました。

私はコーチングを学び終わる頃にその上司と出会ったんですけれども。学んだコーチングがコミュニケーションにまったく活かせていないのは良くないなぁと思って反省して。コーチングで学んだ、承認のスキルですね。相手の言葉を否定せず、まず受け止めるっていうね。

上司が「林くん、そんな考え方はおかしいんだよ。こうやらなきゃいけないんだよ。こういうことのほうが絶対うまくいくんだよ」と言った時に、歯を食いしばりながら「確かにそうかもしれませんね」と受け止めるようになった。

それをがんばって2~3ヶ月やっているうちに、上司が「林くんはどう思うんだい?」と聞いてくるようになったんですね。

なので、私の経験においては、話を聞かない、私のことを認めてくれない上司に対して、自分のほうがまず聞くようにして、反論をしない。聞くようにしたことによって、上司の態度も変わってきたということですね。

あと、車で仕事で移動する際に、その上司のプライベートにちょっと関心を持って。単身赴任しているってことだったので、「そうですか。じゃあ離れたご家族の息子さんたちは、今どんなふうに過ごされているんですか?」とかね。

そんなふうに相手に関心を示すと、「林くんのところはどうなんだい?」なんて聞いてきた。返報性の法則なんて言いますけどね。私のその上司に対しては、そういった方法が有効でしたね。

うーん、ちょっとヒントになればいいなと思うんですけど。一般的にまず自分がその逆、返報性の法則でやってみて、相手が変わるか変わらないか。「変わらなかったら?」というのはまたあるかもしれませんけどね。ちょっとそこはきりがなくなっちゃうので。

自分は3割しか話さない

平岡:ありがとうございます。では続いて「林先生が相手と信頼関係を築く時に重要視、大切にしている点は何かございますか?」というご質問です。最重要っていうことですかね。

林:意識してやっていることはないですが……でも特に初対面とかまだ関係が浅い場合、自分と相手がしゃべる割合という点でいくと、自分がしゃべる割合は圧倒的に少ないなと。少なくしているわけではないけど、少ないんじゃないかなって思います。

例えば相手が7割しゃべって、自分が3割しゃべるみたいなね。相手から「林さん、どうなの?」と言われて私もしゃべるけど、そこではしゃべりすぎないように。相手の顔を見ながら「あ、なんか相手も話したそうだな」と思ったら、相手にマイクを返すみたいな。

たぶんそうなっているかなぁという感じですかね。そうすると、自ずと信頼関係というか、関係性が深まっていくように思いますね。

あと、当然ですけど約束を守るとか。コミュニケーションという点においては、相手にたくさんしゃべってもらうのは1つ、ヒントかなと思います。

平岡:ありがとうございます。では、時間的にあと5分なので、今回の質問の後にもう1問くらいいけるかなぁってところなので、もしチャットがあれば送ってください。

続いての質問。リアルなやつですね。「職場でのコーチング、1on1で、『明日何時にこれをします』という宣言を受けたんだけど、その時間、目の前で実行されない時、やると言った時にやらない時に、どのような関わり方が最適でしょうか? その場で問う、次回のコーチングや1on1を待つなど」ですね。これ、いかがでしょう?

林:目の前で実行されていないのは見えているってことだよね。うーん。まぁ、関係性とかにもよるかもしれないけれども……。声をかけるんじゃないですかね。

「おー、どうだい?」「昨日1on1で言っていたあれ、うまくいきそうかい?」とか「今日は予定どおりにいきそうかい?」と聞いてみる。本人が忘れていて、「あぁ、そうだった」と動くかもしれません。「ちょっと緊急の仕事が入っちゃって」というのかもしれませんし。

どういう理由なのかはわからないけど、目の前でやっていないのを見たら、「どうだい?」「順調かい?」という感じの声がけが、一歩としてはいいのかなと思います。

部下を「家族」と思えば愛情を持って指導できる

平岡:いいですね。今、全部のご質問に答えていただきまして。残り4分ですが、これで最後にしましょうか。「より効果のある問いができるようになるのに必要なのは経験でしょうか? 問いを導くコツはありますか?」というご質問です。

林:「より効果のある問いができるようになるために何が必要か」ということで要素を分解すると、やっぱり1つはスキルを磨くことと、もう1つは内面、人間性的なところを磨くという2つがあるのかなと思います。

人間力では、相手を信じる。「信じるってどういうふうにするの?」ってことだけど、私の感覚で言うと、なんか家族みたいな感じ。私もゆり香さんとかイワイさんとか、一緒に仕事をしている仲間は、なんか家族。妹とか弟とか、そういう感覚なんですよね。

部下に対しても、親戚の甥っ子とか、そういう感じになると、仮に部下が仕事で失敗したとしても愛情を持って指導したりできるんじゃないかなと思うわけですね。

一方で、スキルという点では……。私が「自分の質問力がすごく高まったな」と思ったのは、一時期「1日1問」というメルマガを発行していたんですよ。メルマガで、それこそ質問を考えて送るんですね。これを400日くらいやったのかな。もっと続けている人もいるかもしれない。

でもね、すごく苦しいんですよ。例えば簡単な質問だったらすぐ浮かぶけど、そんな簡単な質問を送ったって、メルマガを受け取る人はおもしろくないわけですよね。ありがたくない。

その1つの質問で1段も2段も深く考えられるような質問を投げてあげないと……つまり、質問の品質、サービス品質を高めないと、メルマガの読者は満足できないだろうなって。

それを400日間、毎日うんうんうなりながら作ったのは、自分の質問力を向上する上では非常に有効だったと思うんですね。なので、質問を作る力を高めるという点では、そういうトレーニングなんかも有効かなぁと思います。

相手には「悪意がない」と考える

橋本:よく英さんは「家族のように思っている」ということをおっしゃっていて。人間がそこまでできていない私には、その解決策はまぁ難しいわけです(笑)。

なので、私のように「そこまで人間ができていないので難しいです」という方のために、もうちょっとヒントをお伝えすると、「相手にも良き意図がある」と考えるのがいいんじゃないかなと思っていて。

わけわからないことをしている部下。あと、約束したのになんでこんな裏切るようなことをしているんだろうとか、いろんなことがあると思うんですけど、それを悪意と取らないというか。

何か意味があったり、本人の中で何か良き意図があるんだという前提に立って、自分は相手のことをまったく理解していないという前提に立って関わるのが、家族に思えない方へのもう1つのアドバイスです(笑)。

平岡:家族に思えない人はね、ぜひ。

林:私の1冊目の本セルフコーチングの本(『一瞬で自分を変えるセルフコーチング』)に書いていたんだけど、人間関係ですごく苦しい時の考え方で、いくつか紹介しているところがある。

ソウルメイトという考え方とかあって。それは自分もすごく楽になった考え方。苦手な人との関係性においての価値観が変わったなと思った。そういう本や考え方を知ることによって変わる可能性もありますね。

平岡:ありがとうございます。では、宴もたけなわではございますが、これでパネルディスカッションは終了となります。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!