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【調査】「忙しい」管理職の末路〔働き方改革の罠〕(全1記事)

リーダーは「ミーティングの司会進行」をしてはいけない プレイングマネージャーの負担を減らす部下への任せ方 [2/2]

リーダーは「ミーティングの司会進行」をしてはいけない

だからうまくいっている組織の情報を管理職は仕入れておいて部下に示し「えっ、そんなやり方があるんですか?」「(そう)みたいだよ。俺たちでも何かできることはないかな?」と部下に考えさせるんです。そしてどんどん仕事は任せていきましょう。

任せる仕事は2つです。(まず)自分のプレイング業務の(中で)あたかも自分にしかできないと思っているが、でもよくよく考えると中堅の方であれば十分できるなと思う仕事です。それがあれば、どんどん任せていきましょう。

そして、チームの業務です。何でもかんでも管理職がやればいいというもんじゃありません。間違えてもやってはいけないことがあります。それは何かというと、課長が課のミーティングの司会進行をすることです。最悪でございます。

なぜかというと、私はいろんな組織を見てきましたが、(任せる能力の)バロメーターとして、それをやっている上司は任せることが下手だからです。「そこを任せんかい!」なんですよ。司会進行ぐらい任せて、そしてプロジェクトの進行も任せて、もっともっと任せられるものってたくさんあるんですよね。どんどん任せちゃいましょう。

でも(任せるのが下手な方は)「部下も忙しいし任せられない」と思うんですよね。だから私は言いました。「部下の仕事にどんどんメスを入れて、『そんな仕事のための仕事をやっているぐらいならば、こちらの仕事で成長してほしいと思っている。一緒にやっていこう』(と部下に伝える)。これじゃないですか?」と。

メンバーに自信をつけさせる

実際に管理職になりたくないと思っている人が、なりたいと思うためには何が必要だと思います? 実はこれは『日経ビジネス』さんの調査で出ておりまして、「人を動かせるかどうか」という自信だそうです。

ということは、ここでプロジェクトや司会進行、チームの仕事を任せて、人を動かせるような練習を早くさせておくという話なんですよね。だから言っています。何でもかんでもリーダーががんばったらいいというもんじゃないんですよね。

私はこの考えに至った経緯がありました。私は何でも自分でやりたがります。この「YouTube」は私がスマートフォンを置いてマイクを挿してしゃべっております。基本的にはやりたがりです。

でも、管理職としてはやっちゃいかんということを肝に銘じました。それは、松下電器産業の創業者の松下幸之助さんの本を読んで思ったんですね。

今、事業部制ってあるじゃないですか? 松下幸之助さんは病弱だったそうです。なので指揮命令がちょっと直接できない状態が続いたそうなんですよ。病床から指示をすることもあったそうです。

「これではいかんなぁ。自分がいなくても権限移譲して回る組織を作ったほうがいいんじゃねぇの」と思って、事業部制を作ったエピソードが載っていたんですね。「組織ってこれやん」と思いました。

自分がいなくてもそれぞれで判断しながら前に向かっていくように、その「場」を作るのが管理職の仕事なんだなと思いました。もうそれ以来、私は手足を動かしたいタイプではございますが、それを封印しました。

「本当は自分でやったほうが早いのにな」「自分やったらこうするのになんでそれができへんねん」と思いながらどんどん任せていったところ、自分がどんどん抜かれていくという、うれしい経験をしてまいりました。

どんどん抜かれていきましょう。部下が自分より優秀になるのは本当にうれしいものですよね。部下が優秀になるとこちらもうれしくなり、場全体が良くなります。部下を自分より優秀な人に育てていきましょう。がんばらない達人だからこそできることでございます。

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