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成果を出すリーダーシップの正体ー勝利を導くマネジメント思考ー(全5記事)

メンバーの状況に合わせた“リーダーの望ましい接し方” 仕事の意義・安心感を与えるための心構え [2/2]

メンバーの状況を見極める

次はメンバーの状況を見極めるというお話になってきますが、ここも先ほどの「観察」の「観」のほうの「観る」と同じで、単に業務の進捗や成果を見るのではなくて、その人が今どんな状態にあるのかを多面的に理解することが必要かなと思っています。

リーダーは、全メンバーを同じやり方で動かす存在ではないと思っています。なぜかというと、メンバーはみな同じではないので、同じでないものを同じに扱うほど不平等なことはないと。これは本からの抜粋になりますが、非常にそのとおりだなと思ったので、ちょっとご紹介も含めて書かせていただいています。

じゃあ何を見ていくのか、見ながらどうしていくのかというところでいくと、一人ひとりの成長フェーズとか、あとタイプとか価値観ですね。そういったものを見極めながら、状況ごとにリーダーシップスタイルを柔軟に切り替えていく。そういったことが必要になります。

野村監督の本で語られていたこと

このあたりのすべてを紹介しているとまた情報も盛りだくさんになってしまうので、成長フェーズにフォーカスをしてお伝えできればと思っています。

私自身が監督をやる前から、野村(克也)監督の本とかはすごく参考にさせていただいていたところではあったんですが、あらためて自分自身が監督をやるようになってみて読むと、仕事以外、やはりスポーツチームにも「なるほど、通じる部分があるんだな」と非常に腹落ちしたようなところも多いんですが、野村監督の選手の育て方の一例として書かれていたものがあったのでご紹介です。

野村監督から見た時の並の選手に対してどういうふうに対応していたかでいくと、責任感を持たせることをやっていたそうです。

責任感とは、自分に与えられた役割に対する「ここまではやらなければいけない」という気持ち。そういったものを醸成することをまずやっていた。

そうこうしているうちに、この並の選手が主力選手になります。主力選手に対しては何をしていたかでいくと、今度は自覚を促すことをしていたそうです。自覚を促すということでいくと、個人ではなくて「チームの中の個」を意識した「ここまでやって当然」といった気持ちを今度は醸成していく。そうしていくと一流選手になっていくんだと。そんな考えの下、指導をされていたっていうところです。

こういったことをしていく根底にあるのが信頼感と書かれていました。選手と監督がお互いに持つ信頼感もありますし、あとは選手が自分自身に対して持つ信頼感も大切だって書かれていました。先ほどの「誠実」にもつながるかなって思います。

現場の「守破離」

これはプロ野球選手のお話でしたが、実際に現場の中で私がよくやっていたというか、結果的にやっていたみたいな接し方にはなりますが、それを「守破離」に置き換えてお伝えできればなと思っています。

まず「守」のところは、型を守るフェーズです。「破」は型を破るフェーズ。「離」は型から離れるフェーズですね。これは一般的に言われている守破離の考え方になります。

特徴として「守」のフェーズ、指示や手順に従って動くところ。そうすることで安心感を得るフェーズです。「破」のところは、型を理解した上で自分なりの工夫を始める。「離」でいくと、自分のスタイルを確立して他者を導く力も出てくるかたちです。

それぞれのメンバーが今どのフェーズなのか、もしくはこっちに移ろうとしているのかを見極めるポイントみたいなところなんですけど。

「守」のところでいくと、指示がないと動けなかったり、あとは自信がなく確認が多かったりする。あとは正解を求める傾向が強いといったところが、「守」のフェーズに当てはまるかなと思います。

「破」のところでいくと、これまではなんとなく指示をして、「はい、はい、わかりました」って言っていたのが、「もっとこうしたらいいんじゃないですかね?」っていうふうに提案が出てくるとか。あとは、「自分としてはこう思うんですけど」と言語化しようとする。あとは失敗を恐れずに挑戦する、まずやってみるっていうような姿勢が出てくると、「破」のフェーズなのかなと。

「離」のところでいくと、自律的に動いて成果を出す。あとは役割を超えた視点ですね。「自分、ここまでなんで」って言うんじゃなくて、「チームのためにこうしたほうがいいと思うんですけど」「組織のためにこうしたほうがいいんですけど」という視点を持っていたり、チーム全体を意識した発言が増えたりすると、フェーズに入りかけているのかなというようなところです。

状況に対してどういう接し方が望ましいのか?

メンバーの状況に関しては、把握しつつ、「そういった状況に対してどういう接し方が望ましいのか?」までお伝えできればと思います。

まず「守」のフェーズにいる方に対しては、いわゆるティーチング、教えるのが大切かなと。手順や型を丁寧に教えたりとか、あとは何かを判断する根拠だったりを一緒に考えてあげるとか、小さな成功体験を積ませるというところです。

「破」のフェーズに入ってきた人に対しては、コーチングはけっこう有効かなと考えています。何かに挑戦しようとか、トライしようとしている。本人なりにいろいろと考えてやろうとしている姿勢が見えてくるかと思うので、そういった試行錯誤を肯定してあげて、問いかけで思考を促してあげる感じですね。「どうしたいの?」「こういう場合、どういうふうに考える?」と聞いてあげるとか。

あまりにも広過ぎてしまうと思考が止まってしまうかもしれないので、「これこれこういうポイントの時はどういうふうにしたらいいと思う?」と質問で絞ってあげるのも有効かなと思います。挑戦の意図をくみ取ってフィードバックしてあげることも大事かなっていうところです。

「離」のフェーズになると、メンタリングとかリクエストっていうところで、信頼して任せる。あとは、逆に意見を求めて戦略の設計に巻き込んでしまったり、役割の拡張や次世代育成を促してあげたりする。

それぞれのタイプに対して接し方を少し工夫してあげると、本人にとっても意気に感じたりもしますし、あとは安心につながったりもするかなと。

(スライドを示して)一番左側にいる状況でいくと、指示がないと動けないので「指示待ち族」みたいに言われたりもしますけど(笑)。指示をしたほうが結果を出せる人もいるのは事実としてあるかなと思っています。

そのほうが本人にとってもチームに貢献できたとか、成果につなげられてうれしいって感じるケースもあったりはするので、そこはマネージャーというかリーダー側は、自ら動けるようになってほしいっていう気持ちは当然持ちつつ、成果をまず第一に置いた時に、どういった接し方がいいのかなは考えてあげつつやるのは大事なのかなと思っています。

なので、その人の状況を見極めて、どうしたらその人の能力を現時点で最大化できる関わり方ができるかという視点が大切かなと考えています。

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