【3行要約】
・リーダーシップは特定のスタイルに依存するのではなく、状況変化に応じて柔軟に形を変えることで真の成果を生み出すことができます。
・dazzly代表取締役の筒井氏は「人を率いる」より「目的へ導く」姿勢が重要だと指摘し、コンテクスト・リーダーシップの3つの柱を提示しています。
・理想に固執せず現実を直視し、状況に応じた柔軟な適応力を持つことで、リソースの過剰消耗やモチベーション低下などの負のスパイラルを防げます。
本セミナーで学べること
筒井千晶氏:本日のセミナーは「成果を出すリーダーシップの正体ー勝利を導くマネジメント思考ー」といったタイトルになっております。(スライドを示して)アジェンダとしてはこのような内容を予定しております。
「成果を出すリーダーシップの正体」というところや、私がプロジェクトだったり草野球チームの監督をやっていたり、チームで動く仕事をしているので、そういったところに関わるお話とか、あとは「リーダーシップを発揮するためにはどうしたらいいか?」などをお伝えできればと思っております。
今日のセミナーとしては、状況に応じた最適なリーダーシップを選び取る力をコンテクスト・リーダーシップと名付けているので、そちらを中心にお話しさせていただくかたちになると思います。よろしくお願いいたします。
筒井千晶氏の自己紹介
「はじめに」というところで、あらためて私の自己紹介を軽くさせてください。株式会社dazzlyで代表取締役をしている、筒井千晶と申します。
今は人材開発、組織開発をメインにやっていますが、もともとはめちゃくちゃ現場上がりの人間で、主にIT関連のプロダクトやプロジェクトのマネジメントをずっとやっておりました。
新規事業や新サービスの開発みたいなところで、いわゆる不確実性が高いとか複雑性といった言葉で表現されるようなプロジェクトをかなり泥くさい感じでやっていた人間です。なので今日のお話も、現場で見つけたやり方が多いかなと思っております。

あともう1つ、3年ほど前からいろいろ縁があって草野球チームの監督もやらせていただいています。メンバーにも恵まれたこともあって区の大会では優勝させていただきました。
区の大会に勝つと都大会に出ることができるんですが、その壁に今ぶち当たっているっていう状況下になっております。
ちなみに私の野球経験は、選手としてはまったくなくて、ただの野球ファンです(笑)。光栄なことにこんな体験をさせていただいております。
今回はプロジェクトマネジメントや、こういったチーム運営を通じて感じたことなども含めてお話しできればなと思っています。
状況を見極めて最適な打ち手を選んでチームを動かす
セミナーの前にというところで、メンバーが思うとおりに動いてくれないとか、育成の必要を感じたりは、現場で多々あるんじゃないかなと思います。とはいえ目標は必達というジレンマに直面している方も多いのではないでしょうか?
私自身もそういった現場の厳しさ、プレッシャーとか緊張感みたいなものを経験してきた人間ですし、失敗もたくさんしてきました(笑)。
自分自身もがいたり、諸先輩方に教えていただいたり、書籍を読んだりとかという中でいろいろと見えてきたところのお話なので、理想論とか成果の出し方そのものではなく、「成果を出すためのリーダーシップのあり方」にフォーカスしてお話しできればなと思います。
なので「単にがんばる」ではなくて、状況を見極めて最適な打ち手を選んでチームを動かす力というようなところ。成果を出すリーダーシップの本質みたいなところを、いろいろとお伝えしていければなと。何か1つでも、みなさんにとって参考になるようなお話を持ち返っていただければうれしいです。
リーダーシップとは何か?
というところで、さっそく成果を出すリーダーシップの正体というところに入っていけたらと思います。この章の中では、目的に着目して最適なリーダーシップを選び取る力の重要性を知ることを念頭に置きつつ、お話をしていきます。
リーダーシップっていう言葉自体、本当に幅が広いなといつも思っています。いろいろな定義があると思います。

「そもそもリーダーシップとは何か?」というところでいくと、この場では「人が人に対して与える影響力」と定義してみます。
リーダーシップに対して「ある」「ない」という言い方をよくすると思うんですが、そうではなく、影響力なので「強い」「弱い」で考えていくと、上司・部下など関係なく、組織を構成する誰もが持っている力なんじゃないかなと思っています。
状況に応じてリーダーシップスタイルを変える
「じゃあ、成果を出すために発揮すべきリーダーシップの形は?」っていうところなんです。

これも「リーダーシップの形」で調べると、「6つあるよ」「4つだよ」「12個だよ」「もっとあるよ」と、調べれば調べるほど、いろいろなお話が出てくるんじゃないかなと思うんですが(笑)。

こういったいろいろなスタイルがあることを頭に置きつつ、「成果を出すリーダーシップの正体とは?」というところで、こんな言葉を紹介できればと思います。
アメリカの心理学者さんがおっしゃっていた言葉で、「成果を出しているリーダーは、特定のリーダーシップのスタイルに依存しているわけではなく、状況の変化に応じてリーダーシップのスタイルを変えている」と。
この言葉に出会った時、私も非常に腑に落ちたと言いますか、周囲を見渡していても、何かのスタイルに固執するのではなくて、状況に応じてスタイルを変えているリーダーの方を目の当たりにしたことが何度もあったので、すごく「あぁ、そういうことか」と感じたことを覚えています。

そういったリーダーシップ論でいくと、シチュエーショナル・リーダーシップ、SL理論と言われているものがあったりします。状況に応じてリーダーシップスタイルを変えるというものです。
あと最近だと共創型のリーダーシップという言い方をしたり、多様なメンバーと共に目標を達成するというところで、別の表現もあったりします。
そういった言葉もありながら、ここのセミナーの場ではリーダーシップの形にコンテクスト・リーダーシップの形を名付けられればと思っています。
効果的なリーダーシップを発揮するためには、コンテクスト、文脈ですね。組織の文化、チームの歴史、現在の課題みたいないろいろなものを深く理解した上でのリーダーシップというところの意味合いになってきます。