【3行要約】
・組織の硬直化や個人の才能が活かしきれない従来型の働き方に対し、新たな解決策として自律分散型組織が台頭しています。
・代表のあべなるみ氏は「自分がごきげんになれないことはやらない」という信念のもと、152名が参加する「aiyueyo」コミュニティを3年かけて育成しました。
・この組織では個人の「らしさ」を最大限に発揮できる環境を整え、不確実性の高いVUCA時代に強さを発揮する新しい働き方のモデルを提示しています。
大学時代の気づきからスタートしたTUMMY株式会社
あべなるみ氏(以下、あべ):TUMMY株式会社代表のあべなるみと申します。自己紹介として「ごきげん社会をまあるく耕す」という言葉をつけさせていただきました。私自身はこのTUMMYという会社を、「畑には魅力的なものがすでにある」という大学時代の気づきからスタートしています。
畑という領域とブランディングを掛け合わせていくことでお仕事を始めていたんですが、そこからさらに発展して、農家さんじゃない人とかが畑と交わっていくような世界をいかに作っていくかとか。
畑が魅力的だと思っていた背景には、「命として健やかに生きる」ということをすごく実現してくれるノウハウが畑にあるという気づきがありました。
そこから、自分らしく生きるということを本当に体現する人を増やしたいなぁと思って。私自身もごきげんに満たされて生きるということを大事にしています。それをみんなで作っていきたいなと考えて取り組んできています。それが「ごきげん社会をまあるく耕す」ということに、積み上がってきたなぁという中で、今日はお話をさせていただきます。
3年強取り組んできた組織作り
あべ:略歴もさらっとなんですが、今回のTUMMYという会社は2019年に立ち上げています。
1人起業をしていますので、そこから自分自身が1人でまず(事業を)立てるということを目指して勤めてきたんですが、コミュニティ作りというようなかたちで動き出したのが2021年頃からになりまして、2022年に本格的にコミュニティブランド「aiyueyo(あいゆえよ)」を発足してやってきています。
今日お話しするのは、この「aiyueyo」というコミュニティを土台とした自律分散組織についてになりますので、3年強取り組んできた組織作りについて今日は扱ってまいります。
自分がごきげんになれないことはやらない
あべ:私自身のモチベーションの部分も共有させていただくと、今日の話がわかりやすいかなと思っています。今、5歳と2歳の子どもと、あと3週間後ぐらいに出てくる子、3人目の予定があるんですけれども。ごきげんなお母さんでいたいなぁということをすごく考えていました。
会社員で上場企業に勤めていた時期もあるんですが、ボロボロになるまで、遅くまで働いたりしながら、「これじゃあたぶんごきげんなお母さんでいられないなぁ」というようなことを思いました。
いかに融通を利かせて自分の求める時間だけで働けるかとか、ごきげんでいるという意味でいくと、本当に心からやりたいことをやっている状態になっていることが必要だというような考えからやっています。
私は経営者、創業者ですが、とにかく自分がごきげんになれないことはやらないということを強く誓ってここまで来たっていうところが、この組織づくりにめちゃくちゃ影響しているので、1つ共有になります。
そして、どうせ働くなら自分らしく働きたいなというのもあって、苦手でだめなことよりは、どんどん強みが発揮できることに自分を投じていたいというモチベーションも強くあります。それを叶えたいがゆえにこんな組織になったみたいなところもあるので、「根底にはこんな想いがあるよ」みたいなところも最初に紹介させていただきました。
そして今日のセミナーですが、この自律分散型組織、自分が旗振り役として作ってきたところではあるのですが、仲間と一緒に作ってきています。今日は仕組み作りという面で大いに支えてもらっている、もう1人の仲間と一緒に話を進めていきます。じゃあ、佳奈さんからも自己紹介お願いします。
全国転勤の生活の中で自分らしく生きていくには
木村佳奈氏(以下、木村):ありがとうございます。合同会社RAMUNEという自分の会社を持ちながらTUMMY株式会社のほうで取締役を務めさせていただいております、木村佳奈です。TUMMYの中ではCOOという立場で、なるみさんと一緒に活動をしています。
もともとで言うと、夫が全国転勤がある職場に勤めていて、「数年間で異動することが確定をしている暮らしの中で、自分らしく生きていくにはどうしたらいいだろう」ということをずっと考えていた時期がありました。
そこから資格を取得したり行政書士として働き出したりとか、あとはなるみさんと出会ってブランディングだったりTUMMYの中で一緒にコミュニティを作るみたいなことだったりで一緒に活動をする中で、自分らしく生きるとか自分らしく働くことをすごく体現ができてきた3年間だったのではないかなと思っています。
私の得意なことである、バックオフィスや「事業をどうして進めていこうか」みたいな仕組み作りのところで活動をさせていただいて、(その結果)ここまで「aiyueyo」自体も大きくなってきたかなと思っているので。
今日はどうやってできてきたかみたいなところを一緒にお話ができていたらいいなと思っています。よろしくお願いします。
しなやかなビジネスへのシフト
あべ:じゃあ、ここから2人で進めてまいります。
今回TUMMY株式会社主催でこのセミナーをしているんですが、TUMMYという会社は、もともと食と暮らしのブランディングカンパニーということで、農業に根ざしたブランディング会社として、1人で小さくスタートしています。
今7期目に入るんですが、年を重ねていく中で、いかに健やかに循環し続ける組織に持っていくか、事業に持っていくか、ブランディングをどんどんやっていく中、しかも畑から学ばせていただいてわかってきた中で。
今はドメインを一次産業に閉じずに、今回の自律分散組織もそうですが、より今の時代にあったしなやかなビジネス、らしさを活かして……。
恐れで管理をするようなやり方よりも、伸びやかにしなやかにやっていきたいなと思っている方々とはどんどん手を取り合って、私たちが畑から学ばせていただいて実際に作ってきたビジネスモデルだったり、組織作りのやり方はどんどん共有していきたいなというところで、ドメイン的にも広げているところがあり、「しなやかなビジネスへのシフトを、共に。」みたいなところで動いていたりしています。