働くをもっとオモシロク、仕事が「冒険」になる組織とは? 〜 自分らしく成長できる“土壌”のつくり方 〜(全5記事)
評価は3ヶ月に1回…あえて負荷が高いサイクルにした理由 メンバーが成長しモチベも上がる「健康経営」のヒント [2/2]
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3ヶ月に1回の評価、メンバーのモチベーションは維持できる?
安斎:なるほど、おもしろいですね。3ヶ月の工程のフレキシビリティみたいなのもすごく大事なんだろうなと思ったんですけど、この意味付けはどうなんですか? それを体験している従業員の方にとって、この3ヶ月で1回評価が出るわけですか?
笠井:そうです。やはり一般的にマネージャーとかは成果が出るスパンはどんどん長くなっていくじゃないですか。なので一定以上のレイヤーになると半年に1回になっているんですけども、基本的にはメンバーは四半期に1回というかたちですね。
安斎:モチベーションとか感情の寄伏にどれぐらい影響するんですか? わりとドライに受け取るのか、めっちゃへこんで、めっちゃこう(起伏の激しい状態に)なったりする感じなのか。
笠井:そうですね……(笑)。確かに、例えば四半期で思ったより評価が出なかったら、それはけっこう引きずるじゃないですか。そうすると2週間とか1ヶ月が平気で経っちゃって、「あと2ヶ月しかありません」みたいになっちゃう。そういったところは、やはりそれなりにしんどさは絶対あると思っています。
ただ全体で見た時に、半年後の目標は人によってはすごく遠いんですよね。6ヶ月後に向けた1ヶ月目と、3ヶ月後に向けた1ヶ月目は、ぜんぜん成果に対する執着とか、何を1ヶ月間でやらなきゃいけないのかという密度が変わってくるので。
そういったことがあるから「成長した」という実感をみんなが持てているとは思いますので、「きついけど、まあ成長できるしがんばるか」と思ってもらうみたいなイメージですね。
安斎:なるほど。確かに3ヶ月後だったら挽回もしやすいですね。おもしろいな。そのへんのフローとの関わりとかを、ぜひ検証して論文を書いてほしいんですけど(笑)。
(一同笑)
“フィードバックしすぎ”でやる気を下げないために
安斎:『フロー理論』でチクセントミハイは、チェスを打っている人のフロー状態だったり、ロッククライマーが山を登っている時のフロー状態だったり、いろいろな対象を調査しているんですけど。
例えばロッククライマーは山を登っている間、そこに時間感覚が没入して、めちゃくちゃ必死にやっているんだけど、それ自体がおもしろくてやっている。何のために山を登っているかとかは考えないでクライミングしているわけですよね。
だけどおそらく一手、一手で「今ちゃんと確かに登れているか」という、フィードバックが手に返ってくることはフローを持つ上ですごく大事なんですけど。誰かが上で「お前の山の登り方、ぜんぜんダメだぞ」みたいなことを5分に1回とか言ってきたら、たぶんフローは解けちゃうと思うんですよ。
笠井:そうですね、はい(笑)。
安斎:だけどフィードバックがなかったらなかったで、たぶんフローになれないというか。だからたぶん短期的に評価すべきものと、すべきじゃないものというか。運動もちゃんとジムに行ってダイエットするんだったら、毎日体重計に乗ったほうがいいじゃないですか(笑)。
毎日体重計に乗って、自分の運動とダイエット活動に対する手応えのフィードバックは入ったほうがいいんだけど、「お前、その体ぜんぜんダメだぞ」とか言われたら、「まだ1ヶ月目なのに、それを言うのやめて」みたいにフローが解けちゃう感じはしています。適度に没入できる短期フィードバックサイクルみたいなものがありそうだなと、聞きながら思いました。
笠井:そうですね。結局それは取り組みのスパンということで、やっている最中に当然軌道修正は必要だと思いますけれども、それが終わったタイミングでちゃんとフィードバックが返ってくる。それはやはりメンバーのほうが短いし、レイヤーが上がっていくことで長くなっていくと思うので。
その間にガツンとやられちゃうと当然「もう次の評価はダメかもしれないな」とか。そう思っちゃうと途端に没入できなくなると思いますので、おっしゃるとおり短ければ短いほど良いわけでもない。人によって変えていく必要があるので、まだまだ調整の余地はあると思いますね。
短期で改善できるサイクル
司会者:ということで、イチ社員からも意見を言いますと、3ヶ月はやっぱりきついです(笑)。
(一同笑)
司会者:きついけど、そのぶんちゃんと成長できるという実感値はありますね。これはもちろん組織とか部署にもよるでしょうけど、僕たちみたいな広報とかブランドは、3ヶ月で成果がでるものでもないので。
半年指標はあるけど、3ヶ月でここまでいくことを目標にする、というところで振り返るみたいな。振り返りサイクルがめちゃくちゃある会社というのは……僕もこの会社が3社目ですけれども、すごく振り返るのが頻繁だし、そのぶんフィードバックがあって改善していくサイクルがあるなとは思いますね。という、イチ社員からの意見でございました(笑)。
笠井:ありがとうございます。
司会者:そろそろ時間も迫ってきましたので、セッションは以上となります。ありがとうございました。 続きを読むには会員登録
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