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働くをもっとオモシロク、仕事が「冒険」になる組織とは? 〜 自分らしく成長できる“土壌”のつくり方 〜(全5記事)

長期休暇は「自分の才能」を見直すタイミング 『冒険する組織のつくりかた』著者が語る、飽きずに仕事を続けるコツ [1/2]

【3行要約】
・成長し続けることが美徳とされる一方で、同じことの繰り返しに飽きてしまう社員も少なくありません。
・フリー株式会社 人事基盤部部長の笠井康多氏は、フロー体験の観点から「ちょうどいい難しさ」の仕事が充実感をもたらすと分析。
・社員が人生を楽しむために、常に新しい挑戦ができる仕事設計をすることが重要だと語ります。

前回の記事はこちら

社員は成長し続けなければいけないのか?

司会者:ちょっと今、お二人それぞれの紹介に続いて、いきなりみなさんのQ&Aから引っ張ってきたんですけれども。テーマとして持ってきているのも、今の変化につながるようなものがあるので、さっそく1つ目のテーマにいきたいと思います。

1つ目。「成長って、なぜ必要? どこまで必要?」ということで、さっきの変化とも近いことかもしれないですし、成長という文脈においてはどうなのか、お二人にいろいろお聞きしたいなと思うんですけれども。次は安斎さんから、いかがでしょうか。

安斎勇樹氏(以下、安斎):いやぁ、難しい……これで2時間ぐらい語りたい(笑)。

(一同笑)

安斎:難しいけど大事な問いだなと思うのは、いわゆる表面的な意味での成長……直線的な成長でずっと達成数字を右肩上がりに上げ続けなきゃいけないとか、『ドラゴンボール』的に言うと戦闘力を上げ続けなきゃいけないみたいな。ベンチプレスはもっと上げられなきゃいけないみたいな(笑)。そういう成長はしたければすればいいけど、必ずしもすべての人に必要じゃないと思うんですよね。

ただこの成長というものの、そもそものレンズをとらえ直しましょうという話は、『冒険する組織のつくりかた』の1章でも書いているんです。「スキルが上がった」「戦闘力が上がった」みたいな表面的なものじゃない意味で人間の成長をとらえ直すと、やはり人には当然ながら内発的な動機がある。

それとは別に「会社の中でこれが褒められる」「これが評価されている」という、外側に発揮している価値みたいなものがあって、これは結びついたり結びつかなかったりするわけですよね。

組織がずっと変わらないのは不健康

安斎:例えば僕は今、組織論の本を書いているので、こうやって組織の文脈で呼んでいただくんですけど。20代の頃は何をやっていたかというと、ワークショップをずっとやっていたんですね。

『ワークショップデザイン論(創ることで学ぶ)』という本を28歳で書いて、ワークショップデザインの論文で博士号を30歳で取った。なので、ワークショップが大好きだったんですよ。お金なんかもらえなくても、ワークショップが好きで好きでたまらなくて、大学院で研究して本を書いたんですよね。

ワークショップで本を出して、ワークショップの研究者になったら、不思議なことに毎日ワークショップの依頼が来るようになった。そうしたら29歳、30歳になる頃にはもう「はぁ、明日もワークショップか……」みたいな(笑)。

「明日は何のワークショップだ? 『新卒のやる気がないからワークショップでなんとかしてほしい』? うるせえよ、知らねえよ」みたいな感じで(笑)。「なんでもかんでもワークショップで頼まないでくれよ」みたいな感じで、すごく飽きちゃったんですよね。

ワークショップでもらえる単価はどんどん上がっていくし、ワークショップの専門家になっているんだけど「嫌だな、またワークショップか。明日は何ですか? エンジニアからイノベーションが生まれない? ワークショップでイノベーションを起こしてほしい? いや無理だよ」みたいになっていたので(笑)。

そもそもそれは課題設定が悪すぎでしょ、みたいな。「それはワークショップのせいじゃないでしょう、問いが悪いんだよ」とずっと愚痴っていたんです。その後、35歳で『問いのデザイン』を書くことになるわけなんですけれども、「俺は、問いを立てたかったんだ」みたいな感じで気がつくという。

そういうかたちで、自分がおもしろいと思っていることと求められているもののバランスとか整合性みたいなことは、生きていく上でずっと変わり続けるんですよね。今、僕は「『問いのデザイン』の安斎だと思わないでくれ」と思い始めているんですけど(笑)。

(一同笑)

安斎:今、「冒険」と言い出しているんですけど、たぶん5年後ぐらいにはもう「冒険の話、やめてもらえますか」と言ったり(笑)。やはり人間は飽きるし、ずっと同じことをやっていられなかったりする。

そういった時に、それこそ健康経営という意味で、常にウェルビーイングに仕事を楽しんでいる状態をつくろうとすると、ずっと変わらないでいるのは不健康なんじゃないかなと思っています。というのが僕の冒険的世界観で、好奇心を生かし続け、健康的に働く意味で健全に変わっていく必要があると思っているという感じですかね。

健全に働くために大事なのは「ちょうどいい難しさ」

司会者:笠井さん、いかがですか? 今のお話も踏まえ、フリーとしてというところもありつつ。

笠井康多氏(以下、笠井):今の話は非常に共感するところがあります。私自身は先ほど申し上げたとおり新卒で住友商事という会社に入って、最初は経理をやっていたんですよね。輸送機部門で、いわゆる建設機械とか鉄道とか飛行機とか、そういったビジネスの経理処理をやっていたんですけれども。経理はすごく知識が必要なので、いろんなことを勉強するんですね。それでいろんなことがわかってくる。

そうやって挑戦させてもらって勉強させてもらって、それで「なんかお金もらえてるわ」という感覚だったんですよね。だから自分としては今までそうやって挑戦してきたんだけど、それにお金がついてきているなという感覚だったんです。お金をもらうためにやっているということじゃなくて。

すごく楽しいしラッキーだなと思っていたんですけども。これは何かというと、(M.)チクセントミハイさんという心理学者の『フロー体験』という本を読まれた方もいらっしゃると思うんですが、これなんだなってちょっと思ったんですね。

フロー体験は、要は没入して没頭して、時間を忘れるぐらい楽しく自分でやっているということなんですけど。そこに入る条件が5個ぐらいあるんですよ。例えば目標が明確だったり、すぐフィードバックが入ったりとかですね。

その中の1つに「難易度がちょうどいい」というのがあるんですね。これはゲームなんかだとすごくわかりやすいですけど、テトリスとかもどんどん難しくなっていくじゃないですか。ずっと同じことをやっていると、超つまらないんですよね。

社会人になると、こういうのを仕事以外で見つけるのはけっこう難しいんですよね。余暇でテレビを見ていても、ちょうどいい難しさは感じないじゃないですか。なのですごく大事なのは、ちょうどいい難しさであること。

自分の実力よりも「少し難しい」くらいが充足感を得られる

笠井:あと2つ、「自己目的的」と「自己コントロール」というのがあります。自分がコントロールできる仕事で、かつそれ自体がおもしろいみたいな話があるんですね。喜びの現象学というか、そういったことに人は充実感を感じると言われています。

それを考えると結局、仕事において成長すること、つまり自分の実力よりも少し難しいことをやっていくことは、喜びを感じるのにすごく大事なんですよね。つまり成長することそのものが喜びであって、充実感を得られることだと僕は思っていて。自分はそういうことを感じていたんだなとわかったんですね。

そういう意味でいくと、成長そのものの充実感を得ることが人生の喜びを得るためにすごく大事であると考えていて、だから成長しないとおもしろくないということなんですよね。どこまで必要かというと、人生を楽しむためにいつまでも必要なんじゃないかと私自身は思っています。

逆に言うと、そういうふうに仕事を設計することが会社としては非常に大事になってくる。そうすることでさっき安斎さんがおっしゃったように、従業員が「人生を楽しむ、そのために仕事を楽しめる」みたいな関係ができていくんじゃないかなと思っています。

司会者:ありがとうございます。

安斎:めちゃめちゃ共感しました。目指すところは一緒でしたね(笑)。

笠井:(笑)。

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