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「揺れて、わかる」営業マネジメントの本質を掴む『ブランコ理論』〜“指示”と“任せる”の往復からマネジメントの最適化を実現する方法〜【経営者・幹部・営業部門責任者様向け】(全4記事)

マネジメントにつきまとう「指示する不安」「任せる不安」 マネージャーのための“中途半端な管理”の抜けだし方 [1/2]

【3行要約】
・営業マネジメントでは「指示する」と「任せる」のバランスが難しく、どちらかに偏ると考えなくなったりモチベーション低下などの問題が生じます。
・TORiX株式会社代表の高橋浩一氏は、自身の起業経験から「ブランコ理論」を提唱し、極端な試行錯誤が深い学びをもたらすと説明します。
・強い営業チームを作るには、中途半端なバランスではなく、両極端を経験して得られた「軸のある判断」が重要であり、失敗から構造を学ぶ勇気を持つことが求められます。

営業マネジメントの本質を掴む「ブランコ理論」

高橋浩一氏:みなさんこんにちは。お忙しいところご参加いただき誠にありがとうございます。これからセミナーを開始させていただきます。

「『揺れて、わかる』営業マネジメントの本質を掴む『ブランコ理論』」ということで、「「指示する」と「任せる」の往復からマネジメントの最適化を実現する方法」というテーマでお話しします。

最初に簡単な自己紹介をさせていただきます。営業の研修やコンサルティングを提供している、TORiX株式会社の代表を務めている高橋浩一と申します。

私は外資系のコンサルティング会社で2年半ほど働き、2003年、25歳の時に人材教育のベンチャー企業、アルー株式会社の3人の創業メンバーのうちの1人として、会社のNo.2の立場で6年間役員を務めておりました。

6年経った頃には3人で始めた会社は70人ほどになったわけですが、私が中心として担っていた役割は、ゼロから作ったビジネスを立ち上げて軌道に乗せることと、みんなが売れる営業組織を作ること。そして、毎年新卒や既存の社員の人たちを、どうやって戦力化し安定して目標達成できるかが非常に注力していたポイントでした。

その中で、営業の体系化は非常にパワフルだなと思い、今ではおかげさまで営業に関する本を何冊か書かせていただいています。さらに2024年からは東京学芸大学で研究の活動もしております。今度初めて営業に関するOJTのテーマで学会発表もさせていただきます。

あなたのマネジメントのスタイルは?

次にまいりたいと思います。「あなたのマネジメントのスタイルはどれに近いですか?」と書いてあります。1番「明快に指示する」。2番「丸ごと任せる」。3番「指示する・任せるをハイブリッドでバランス良く」ということで、数字でかまいませんので番号を打っていただければと思います。

(視聴者の回答を見て)割合としては3番が多めですかね。1番の方も一定程度いらっしゃるかなと思います。「一部、2番」という方もいらっしゃる。なるほど。ありがとうございます。いやぁ、難しいですよね。

自分のスタイルを模索していこうとした時にどんな難しさがあるかということで、そもそも自分なりのスタイルができるまでのところをスライドにしてみました。

放置されて苦しんだとか、ちゃんと教えてもらって成果を出せたとか、あるいは自分がマネージャーの時にメンバー任せにしてうまくいかなかったとなると、明快に指示するふうになりやすいです。

自分が裁量を与えられて成長できたとか、細かく管理されたらやる気がなくなってしまったとか。あるいは任せてうまくいったことがあれば、丸ごと任せるというようにいきやすいわけです。

両方経験してそれぞれの限界を痛感したとか、自分の上司がけっこううまく使い分けてくれたとか、あるいは自身が多様なタイプのメンバーに関わったということであれば、3番になってくるかなと思います。

ただ、これらの方針はやはり不安もつきまとうもので、指示をし過ぎて考えなくなってしまったり、モチベーションが下がってしまわないか。

あるいは、丸ごと任せるつもりでいたら「あれれ? そっち行っちゃうの?」っていうことがないか。バランス良くやろうとしても、「ちょうどいいバランス感ってうまく見極められるだろうか?」とかがあるかと思います。

「指示する」ことへの不安

そこで今日はそこに対して3つのアジェンダでお話をしてまいります。

1個ずついきたいと思いますが、不安の話ですよね。

まず「明快に指示することによって、考えなくなってしまったり、モチベーションが下がってしまわないか」ということです。明快に指示することで、メンバーが効果的に動けるというメリットはもちろんあります。ただ、指示し過ぎのデメリットもありますよね。

そのデメリットに陥ることなく、明快に指示することの恩恵を受けることはできないものかと考えがちですが、やはり明快な指示のつもりが、時としてマイクロマネジメントの弊害を生んでしまう場合があるわけです。

管理職の経験不足により、細部に介入しがちである。特にマネージャーになり立ての人が、ついついよかれと思ってやり過ぎてしまうことってありますよね。

あるいは、結果へのプレッシャー。特に営業組織だとけっこうこういうのはあるかもしれませんね。「もう自分が逐一提案書に赤入れしないと失注するんじゃないか?」みたいな。失注したくないから細かく介入する。あるいは、信頼関係がまだできていないと、マイクロマネジメントの弊害に陥ってしまうこともある。なかなか難しいですよね。

「丸ごと任せる」ことへの不安

「丸ごと任せる」についても、もちろんこれによって活き活き働けるというメリットはあります。ただ、放置になってしまうリスクもありますよね。そうならずに丸ごと任せることの恩恵を受けることはできないものかと。

ただこれも、任せたつもりが放置になってしまうこともままあるものでして。過度な信頼や期待の裏返し、ありますよね。「信じて任せるんだ!」ってことが結果的に放置になってしまうこともあります。

あるいは、とにかくマネージャーが忙しくてしょうがなく、放置になってしまう。ありますよね。あるいは「経験不足からの漠然とした判断」。よくわからないから時間が経ってしまった、みたいなこともあります。

あるいは組織文化ということで、ティール組織とか○○組織とかホラクラシーとか、一昔前にけっこう出ましたね。今も別に言葉がなくなったわけじゃないですが、「自由にやるのがいいんだ」となるとこうなりやすいということです。

はたまた「バランス」についても、中途半端になりやすいとか、適切な判断が難しいっていうデメリットもあります。

「その時の最適解」を探し実践するのが難しい

さぁ、ここで「『バランス良く』を組み合わせることってできないんでしょうか?」という話ですが、目標とプロセスの切り分けが曖昧になってしまう。要するに、曖昧な設計だと、やはりどの段階で介入するかという線引きがなくなってしまうんので、ぶれぶれになってしまったりもあるわけですよね。

あるいは権限委譲の枠組みが構築されていなかったり、フィードバックの頻度や質が低下してしまったり、マネージャーのスキルやマインドセットが不足していたりすると、適切なタイミングは難しかったりしますね。

あるいは組織文化とか慣習の影響もあります。ダメ出しをされる中で「自由に」って言われても、難しかったりするわけじゃないですか。

こんな結果、ぶれぶれになってしまうこともある。指示してみて、うまくいかなかったら任せよう。任せることでうまくいかなかったら指示しようみたいな、指示すると任せるを行ったり来たりする。

あるいはバランス良くやろうと思っても、判断が結局難しいとか、中途半端は良くないなということで「指示する」ほうに行くみたいな感じで、やはり悩むわけですよね。「指示する? 任せる? それともぶれてはいけない? バランスを取るのか?」と。

こういう時、一般論的に言ってしまえば「一貫した正解があるわけじゃないから、その時の最適解が大事だよ」と。でもそれが難しいわけじゃないですか。

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