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変化を生き抜く 適応型リーダーシップと人事が導く組織のつくり方〜「学び」を起点にした個と組織のあり方を考える〜(全5記事)

人事が陥りがちな「1人の社員の幸せ」に偏ってしまうパターン 組織で最大のパフォーマンスを出すための考え方 [2/2]


人事とは何か?

坪谷:問2、「人事とは何か?」ですね。坪谷のセミナーを何度も受けている人は「もういいよ」と思われるかもしれないんですけど、お付き合いください。

「人事って何でしょう?」。これも大きいワードですけど、ぜひオンラインの方たちはチャットに書いてください。会場のみなさんはお隣の方と、「人事とは何か?」についてぜひあなたの考えを(話し合ってください)。正解じゃなくていいですよ。定義じゃなくていいです。持論、経験則、思いつきでちょっと話してみてください。お願いします。

黒川:お願いします。

(会場の方々同士で話し合い)

坪谷:盛り上がっているところですが、会場のみなさんに、人事とは何かを聞いてみたいと思っています。では、お願いします。

話者4:私の中で今2つあって、やはり社員一人ひとりの理想や夢の実現。あと組織の理想の実現を統合させるのが人事の仕事じゃないかなと思っているところが1つ。

あともう1つが、人事ってすごく大事なことなんですけども、変えていいところと変えちゃいけないところがあると思います。その変えちゃいけないところは再現性というか。人が成長できる仕組みを作ったら、その再現性のある仕組み作りをするのがもう1つ大事なところなんじゃないかなと思いました。

坪谷:ありがとうございます。これが答えですね(笑)。すばらしいです。この問いはこれでOKですよ。もうお一方ぐらい聞いてみますか?

話者5:会社を経営していて、人事もやっているぐらいの知識の素人意見なんですけれど、文字どおり「ひとごと」だなというところがあります。どういうことかというと、結局、人を評価する。誰かを採用する、育てる。その人の人生にすごく関わる大きなことばっかりだと思うんですけれど。

どこまで行っても、自分のことじゃなくて人のことだから、「この人の評価をもっと上げてあげたい」とか「この人を採用したい」とか「この人をもっとこう育ててあげたい」と思っても、本人の問題がやはり大きくて自分でコントロールできない。けれどそれをやらなきゃいけないところにすごく難しさがあるから、そういう意味で「ひとごと」だと、私は文字を見てちょっと思いました。

坪谷:ありがとうございます。すばらしい。

「1人の社員の幸せ」を重視しすぎてしまう…人事が陥りがちなパターン

黒川:ちょっと1つエピソードをいいですか。フラッシュバックしたんですけど、僕は外務省時代に人事にずっと問題意識を持っていて、まさに「ひとごと」なんですよね。人事の人と部長職の方から、「いいか、君。人事というのは『ひとごと』って書くだろう。だから思いやりは持ってはいけないんだ」と言われたんです。

「ローテーションをうまく回し、人事異動を滞りなく進めさせ、組織の秩序を保つ、整合性を保つ」「ちゃんとフェアに至っているという実感を持たせられるかが大事なんだ」と言われて絶望した思い出があります。

坪谷:でも、それはアレかもしれないですよ。さっきのアリストテレスの中庸の話なんですけど。人事になる方、もしくは人事を扱う時って、偏りがちなんですよ。

先ほどもおっしゃっていただいたみたいに、「この人の成長を」とか「この人の人生を」とか、この人の幸せの最大化に気持ちが行き過ぎてしまう時は私もありましたし、多くの人事パーソンも陥ると思うんですよね。そういう時に、先ほどの方の意見はすごく大事。

黒川:中庸ですね。

坪谷:そう、中庸ですね。逆側も一度考えてみる。「本当にそれって大事なのか?」「今の事業や目的に照らした時に、その人の幸せの最大化じゃなくて、もっとドライに配置して最適にマックスパフォーマンスを狙ったほうがよくない?」という意見はめちゃくちゃ大事だなと思っていて。ただ、そういうふうにドライな意見だけになると、またおかしくなってくるので、また逆側に戻す。これがいわゆるフロネシスですね。

黒川:どういうふうにするにしても、意図をちゃんと魂として込めさせられるかみたいな感じですね。

「人事ってサイコパスだね」と言われることも

坪谷:そうですね。あと、偏っているのかを見る目がたぶんリーダーシップとして大事なのかなと私は思います。ちょっとチャットも拾ってみますか、くるみん?

司会者:はい。上からいくと、「人に関するすべてのこと」「組織の結果を出す」「組織と個に100パーセントで向き合い、経営と現場の潤滑油として機能する存在」。

坪谷:潤滑油ね。

司会者:はい。「人と組織のポテンシャルを最大化」、あと「『人』と『事』がお互いに繰り返し高め合う」。

坪谷:おぉ、「繰り返し」。スパイラルですね。

司会者:「会社が行う諸刃の人の配置」。「適切な配置ができれば成長があって、新たな化学反応が起こせる可能性は無限大。不適切だと停滞が生まれてしまう怖いもの」。「組織における人に対するあらゆることをなすこと」「同僚にサイコパスと言われた」、これは関係ないですね。

坪谷:「人事ってサイコパスだね」って言われたの?

司会者:そう、たぶんスキルの1つだと思うんですけど。これはあまり人のことに対して、ちゃんと偏らないようにしないといけないよというので、たぶん(そう言ってきた人は)偏ってほしかったんだと思います。でも偏らないように、偏らないようにという選択をしたので、サイコパスと言われたという(笑)。

「感情・情緒」と「構造・ロジック」のバランスを取るには

坪谷:この中庸を考える時にコツがあって、例えば明らかに「受け入れてくれ、傾聴してくれ」という相談が来た時に、極端を考えるわけですよ。受け止める、傾聴する、受容する、ハグしてあげるみたいな人アプローチと、突き放して自分を冷静に見つめさせるサイコパスアプローチと両極端があった時。

中庸というのは真ん中をとるんですよ。ただ、この真ん中というのは、人の真ん中じゃないですね。真ん中よりちょっと逆側に振るんですよ。

例えばくるみんはふだん、どっちのアプローチを取りがち?

司会者:サイコパスですね。

坪谷:サイコパスだね。情緒よりもちょっと逆側を取るとうまくいきやすいというのが、中庸の取り方のコツですね。と、アリストテレスが言っていました。

黒川:そして人事としても自己認識というのはすごく大事になってきますね。

坪谷:だけど基本的には自覚ですね。私もどっちかというと、構造とかロジックで切りがちな人事だったんですけど、そっちに行き過ぎるので、ちょっと感情とか傾聴とかをがんばるほうに意図的に寄せるみたいなのはやりますね。

でもそっちに行き過ぎて、「坪谷さん、優しいですよね。受け止めてくれますよね」と言われ始めると、今度は逆側にいくみたいなのも大事ですね。

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