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変化を生き抜く 適応型リーダーシップと人事が導く組織のつくり方〜「学び」を起点にした個と組織のあり方を考える〜(全5記事)

リーダーシップは後天的に身につけられる「スキル」 新時代のリーダーの“核”となる3つの力 [2/2]

ミネルバ大学で教えられる「適応型リーダーシップ」

黒川:例えばよく言うサーバントリーダーシップとか変革型リーダーシップとか、今のリーダーシップの研究はわりと体系立てて研究しているんですけど。ミネルバは適応型リーダーシップを伝えています。

「適応」と「リーダーシップ」という2つの言葉がありますね。環境の変化に自分が適応するために、自らの行動や意識を含めて変容、変化させていく営みのことを適応といいます。

ここでちょっと定義に戻るんですけど、僕はチームの目標を達成するために自分や周囲に対して及ぼす影響力そのもののことをリーダーシップと呼んでいます。これはミネルバも一緒なんですが。

なので当然リーダーシップは役割に限られたものではないし、組織を構成する個であれば必ず誰しもが発揮し得るものだと定義しています。そしてそれは習得可能だとお伝えしています。

組み合わせると適応型リーダーシップで、これはチームや自分が適応して成果を残していくために、自分が周囲に及ぼす力の発揮の仕方ですね。なんで「適応」なのかというのは理屈になっちゃうんですけど、「物事が複雑だからです」とシンプルに置いています。

複雑さもいろんな意味があって、「因果関係が不明確なものは多いですよね」とか「いろんな人がいろんなことを考えている。そんなこともありますよね」とか「社会的複雑性が高まっていますよね」とか。未来がシンプルに予測できない。新規事業部を立ち上げたらイノベーションが起こるかといったらそうじゃない。なので因果関係がどんどん見えなくなってきている。

という複雑な状況があるので、こういうことをしなきゃいけない。何をするかというと、全体の状況をその都度その都度観察して、問題が何かをちゃんと特定して、その瞬間自分の理想とビジョンを掲げてソリューションを示して、巻き込んで、変化を促していくという力の使い方です。

適応型リーダーの“核”となる3つの力

黒川:(みなさんが)おっしゃってくれたのは、たぶんほぼ網羅しているんですけど、「状況を踏まえて」と「自分のスタイルを変える」という、固定されないというのが適応の1つのエッセンスかなと思います。ちゃんと自分で考えて動く。変化を促していく。

それを僕らは、3つの力で伝えています。1つはシステムを捉える力ですね。そもそも今何が起こっているのか。上司からなんとなく下りてきた課題が本当に課題なのか、これはどういう背景に基づいているのかということをちゃんと捉える力ですね。

「巻き込む」は、やはり関係性をマネジメントする力。信頼関係を築いたり、共創する力、あるいは感情の知性と言いますよね、よくEQとか言われるやつですね。

最後は不確実な中で課題を推進する力。そもそも何が問題で、何を解かないといけないのか。何がイシューで何を推進する必要があるのかをちゃんと見抜く力ですね。間違えても修正して、さらに引き続き前進していく胆力ですね。

この3つを僕らは18個のスキルに分けて届けているという構成です。なので「適応型リーダーシップとは何か?」と言われたら、今までのストーリーはあるんですけど、これですというのが18個です。右側にいろんなハッシュタグがありますけど、これが思考スキルです。

「適応型リーダーシップ」を構成する18の思考習慣


黒川:
例えばこの「system-decomposition」というスキルがあって、それは今組織で起こっている問題をシステム全体で捉えて、ちゃんとシステムの構成要素を洗い出して、どんなふうに絡まり合っているのかをちゃんと分析して、「あっ、だからこの問題は生まれているんだ」ということをちゃんと理解できる能力ですね。これをsystem-decomposition能力と呼んでいます。

というのを、僕らは10回のセッションに分けて一緒に学んできています。というのがミネルバ式の適応型リーダーシップです。システム思考をやり、「人間の行動っていったい何が起きるの?」みたいなことを勉強し、物事は複雑なので最後に頼れるのは自分ですよね。なので自分の軸を1点通すパーパス型リーダーシップ、自分のパーパスを作ります。

やはりいろいろ人を巻き込んでいくためには、EQですね。共感力がその中心ですけど、共感を発揮するとは、いったいどういうことなのかということも実践的に学んでいきます。

チームをどう引っ張るのか。どうやって伝えるのか。課題をどう分析するのか。そして最後に、イノベーションをどう起こすのか。学んだいろんな打ち手の案から、リーダーとしてどうやって最後に覚悟を決めて意思決定するのか。だいたいこのへんで収斂する。この一連の動作を全部やって、適応型リーダーシップを発揮していくという考え方ですね。

18の思考習慣の全体像


黒川:
これを図解したものです。自分がいて、システム全体を学びながら、時には人に寄り添って、時にはチームを動かして、時には課題を正しく、ちゃんと自ら率先して定義する。それに対するイノベーション、ソリューションを考えていく。最後に意思決定するとか伝えるとか、これを自由自在に動き回ってそれぞれのスキルを実践できるようになるのが、私たちの目指している適応型リーダーシップのあり方というところですね。

これはたぶんみなさんが日々接しているリーダーだったり組織の課題だったり。あるいはみなさんの組織で今力を入れて伸ばそうとしている能力だったり、このへんを照らし合わせると、いろんな問いと対話が起こるんじゃないかなと思って、材料として今お伝えしています。だいぶ駆け足ですけど。

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