マネージャーが意識したい3つの考え方
いのっち:3つあります。これ、今日から実践できるものなので、ぜひこれだけでも覚えて帰っていただきたいんですけど。
「GOOD&MOREを意識する」「聴き手の立場で指摘する」「3つの指示を使い分ける」というところでございます。

この3つを押さえておけば、先ほどのような具体的なことを知らずともいいコミュニケーションが取れると考えています。
まずは1つめから見ていきます。「GOOD&MOREを意識する」です。GOOD&MOREって聞いたことありますか。
岩本:そうですね。これ、豊間根さんがすっごい動画の中でいっぱい言ってるので、たぶん視聴者のみなさんも知ってるんじゃないかなっていうのは思うんですけど。この場合のGOOD&MOREはどんな感じですか?
いのっち:ありがとうございます。これも本当に伝え方の工夫だと思ってまして。先ほど言ったように、基本的にフィードバックは「ここが違うよ」っていうBAD部分を伝えることになると思うんですけど。
ただ、それだけを伝えてしまうと、リーダー・マネージャーが介在することで良くなるゴールにたどり着けないケースが多いです。
そのためには「ここはいいところだから残してね」っていう部分と「逆にここは伸びしろだからやってね」という、GOODとMOREを両方伝えることによって結果的に磨かれると思っています。
フィードバック前の一言で受け取り方が変わる
いのっち:BADというのが単純にできてないことしか言ってないので、どうあげたらいいかという任せてる状態なんですよね。
なので、リーダー・マネージャーっていうのはGOODとMOREがセットになることによって、結果的に磨かれてゴールにたどり着けるので、この伝え方の工夫は指示やフィードバックにおいても使えると思っています。
岩本:あと私も最近ちょっと意識してやっているのが……。
いのっち:お、意識してる。
岩本:「GOOD&MOREで言うんですけど……」って最初に言う。
いのっち:いいですね。
岩本:それを言うことによって、向こうも「あ、ダメ出しされるんじゃないんだ」みたいな、ちょっと心持ちが変わるかなって思って、最近やるようにしました。
いのっち:すばらしい。いや、めちゃくちゃ大事ですね。確かにそのGOOD&MOREっていうとビクってならないというか、ちゃんと聞こうってなるんで、その意味でも大事ですよね。
単純に「フィードバックするよ」っていうと、ちょっと耳塞いじゃう。「怖いな」って。
岩本:そう、「なんかダメ出しされるんじゃないかな」って思っちゃう方もいると思うので。
いのっち:すばらしい。ちょっと僕も使わせていただきます。いただきます。ありがとうございます。
主観的な指示を防ぐ“聴き手思考”
いのっち:じゃあ2つめにいきます。僕が一番この3つの中で好きなのは、これ。「聴き手の立場で指摘する」。これは聴き手、第三者になりきろうという話になっています。
フィードバックとか指示って、どこまでいってもやっぱり主観の域を出ない部分はあるんですけれども、その状態でお互いがしゃべってしまうと、どこかのタイミングで絶対に水掛け論になってしまう。なので双方がきちんと聴き手になりきっていく。

例えば資料であれば、その資料を見るのが店舗の営業部長だとすると「この営業部長ってこういう情報を求めてるんじゃないの」っていうフィードバックが必要だし、逆に作り手は作り手で「いや、営業部長ってこういうことを言ってたんで、おそらくこっちの情報のほうが大事ですよ」みたいなコミュニケーションを取るとお互いが客観的な話し合いになるので、アウトプットが磨かれていく状態が実現できると。
これを「リーダー・マネージャー的に」とか「私的に」みたいな話をしてしまうと、どこまでいってもゴールが見えなくなってしまうので、双方寄り添うことがけっこう大事だと思っているんですよね。
岩本:確かに部下目線だとしても一緒のゴールを持って作り上げているほうが、言われたことも素直に聞き入れられるんじゃないかなと。単純な部下目線ですけど、本当にそう思います。
間違いないです。「またあのリーダーの好みだよ」って思っちゃうと、もう(指摘が)入ってこないですもんね。それはもうお互いにとってもったいないので寄り添おうと。「誰々の目線」に立つ。「YAZAWA的には」みたいなノリがけっこう重要だと思っています。
MUST・WANT・LIKEを使い分ける
いのっち:ラスト、3つめですね。「3つの言葉を使い分ける」です。これも伝え方の工夫、GOOD&MOREに近い概念なんですけれども、指示・フィードバックって実は3種類あるよねと考えています。

その3種類というのがMUST。つまり絶対にやってね。もう問答無用ですっていうものと、WANTと呼ばれる「これ、やるといいよね。できればやってほしい」。あとはLIKE。もう私の好みです。これじゃ主観ですね。
これが混ぜこぜになると、LIKEを100パーセント反映してMUSTが漏れることになってしまう。なので必ず仕分けして枕言葉を入れながら伝えるっていうのがおすすめだと思っております。
「まず絶対にしてほしいことはこの3つです。1つめ、これ。2つめ、これ。3つめ、これ。次に、できればやるといいと思ってるのが、これとこれとこれ。これは僕がどうこうというよりは、聴き手の目線、営業部長的にたぶんそうだと思うよ」。
最後に「俺の好み的に色は青のがいい」みたいな。なんかそういうふうに言うと、最後は青にするかとか判断できるし、逆にMUSTは絶対にやろうってなるんです。この使い分け、私けっこう使えると思ってるので、けっこういいのかなと思うんですけど、どうですか。イメージ湧きますか。
指示・フィードバックは一つの道具
岩本:そうですね。やっぱり聞く側の立場だと、こうやって言われると、やっぱりMUSTは絶対にやらなきゃいけないなっていう、その認識合わせとして明確なので、直す時にもふわふわした気持ちでやらなくていいのが、すごく安心感があるフィードバックだなと思います。
いのっち:(拍手)いいコメントありがとうございます。はい。本当にそうなんです。
さっきのGOOD&MOREもそうだし、聴き手目線でもそうなんですけど、相手が受け入れやすい言葉とか表現にしていくっていうのは、1つのたしなみとしても大事なのかなと思って、このマインドセットのかたちでお伝えしました。
最後にまとめなんですけども、大前提、資料を軸にした時に、基本的にアウトプットのすべては誰かを動かすために道具として作る。じゃあ指示・フィードバックってどうなのかというと、同じだと思っています。
つまり、それを受ける人が気持ちよく動いてもらうための道具として、リーダー・マネージャーが使っていかなければいけないと考えておりますので、最後に紹介した3つですね。GOOD&MOREを意識する。聴き手の立場で指摘する。3つの指示を使い分ける。この3つだけでも覚えて帰っていただけると、この動画としてはいいかなと思っております。
仲間と目線を合わせるためのテクニック
いのっち:ということで、じゃあヒロカさん、最後にどれか1つ、実践していただけそうですか。
岩本:そうですね、やっぱり私はその2番がけっこういいかなと思って。
いのっち:あ、一緒ですね。
岩本:仕事ってマネージャーとか部下とか、立場は違えど同じ目的を持って進むべきなので、変に上下関係や敵対関係がついてしまうとやっぱりうまくいかないなと思います。2番を大事にして、一緒の目線でお仕事をがんばりたいなって思いました。
いのっち:最高のコメントありがとうございます。ということで、みなさんも1番、2番、3番。どれか1つ、できれば3つ覚えて帰っていただけたらなと思います。