育休取得に“申し訳なさ”を感じるという悩み
後半はどういうことかというと、特に「育休メンバーが不在になった時の業務を担うメンバーをどういうふうにアサインする?」というのはやはり会社の問題じゃないかということで、本人がそれを気にする必要はないんじゃないかというような話です。
それは、実際に私もいろんな会社さんにうかがっています。特に取得者側、管理職側は、正直そういうふうに思っていらっしゃる声が多いです。逆に、人事の方とお話をされている時に、そこの抜けた穴に対する課題感の温度差を感じることも正直あります。
なので、「抜けた穴をどうするかは会社の責任じゃないか?」ということを、現場の方も含めておっしゃるのはよく聞くところではあります。
そして、管理職として自分の意思で育休を取ったこと、経験があることが、チームのマネジメントにおいても強い武器になっている。実際にそういう協力体制に入るようなマネージャーがどんどん増えてきているというお話だったりします。
なのでこちらの会社さんでは、ほかのマネージャーもどんどん巻き込みながら、育休が当たり前になってきたんだから、マネージャーとして自分もどういう業務の受け渡し方ができるのかを意識しながらマネジメントを行うということ。
先ほどの「抜けた穴はどうする?」みたいなところで、現場と人事で「どうするんだ?」という対立構造ではなくて、「じゃあ、どういうふうにしていくのか?」をマネージャーも一緒に自分の日々のマネジメントから考える。というように、本当に(マネージャーも)巻き込みながら取り組むことができているところが、とても素敵な会社さんだなと思ってご紹介いたしました。
自社の事例を紹介するハンドブックを作成
そして最後にホンダさんです。先ほどの「業種とかそういった特性に合わせた取り組みを」というところの参考としてのご紹介です。

ホンダさんも両立支援にけっこう昔から取り組んでいらっしゃいますが、その中での取り組みとしては、この『仕事と育児・介護の両立支援ハンドブック』なども作られている。あとは、両立セミナーですね。ちなみにハンドブックは入社時から全従業員に配布されるということで、取得される人だけ、もしくは管理職だけのものではないんだなと思います。
ちなみにこれも、だいたい3年目とか4年目とか、仕事がある程度落ち着いてきて、プライベートでご自身のパートナーができて、そろそろ結婚をしようかなと思い浮かんだ時、実際にこういう、「うちの会社で子どもを産みたいか」とか「働き続けたいか」みたいな話がよく出てくるという話は、ほかの会社さんからもうかがっています。
その時に、「いや、うちの会社はこういったハンドブックを配っていたな」とか「けっこう(従業員を)大事にしていたな」とか。そういう先輩社員も絶対に見ると思うので、そういった姿を見て、若い世代がそのまま残り続けるのかみたいなところにも影響があるのかなと、(影響を)与えようとしているのかなというところも、ここから勝手に読み取りました。
そして先ほどの両立支援セミナーは、従業員とそのパートナーも対象としたオンラインセミナーにも取り組んでいらっしゃるところがおもしろいかなと思っております。
業種別というところに関しては、ホンダさんはメーカーさんということで、やはりシフトや工場がある中でどういうふうに育休を取るのかということまで踏み込んだ制度をもちろん取られているということでした。なので先ほどの休み方、そちらに対する補填の仕組みを会社としても用意しているということです。
業種ごとの参考例を探す
例えば、1勤務シフト固定勤務というところが1つありますけれども。後ほどの事例でもちょっとご紹介するのですが、基本、時短というか日中のシフトだけを取ってもいいよという制度もご用意されているということです。
その事例も含めて実際に取られた方の声です。こちらの方は、もともとこの3勤交代の中で1勤、2勤をけっこう利用されている。つまり、6時半から3時15分が1勤。2勤が3時5分から深夜の23時半というところで取り組まれていた。育休後は、3勤という深夜帯もシフトとしてけっこう活用していましたよというのが、こちらの方の取り組みでした。
奥さんは働かれている方ということで、つまり日中は(子どもを)見てもらいながら、ご自身が深夜に働く。逆に本人は1勤、2勤で日中に休みも取られているので、その場合は、奥さんに働いてもらうというようなかたち。
けっこう柔軟なシフトの取り方というところ。ちなみに(育休を)6ヶ月間取られたということで、長いことこの支援もできるよというのが特徴的かなと思っております。
そういった、業種ごとにゼロから制定する上では先ほどの評価、配置、いろいろ管理するところがあるのかなと思うんですけれども。
先ほどご紹介した課題感やアンケートも含めながら、やはりその業種ごとに現場がある会社さんについては、社内での理解とか知識、雰囲気というところもなかなか進んでいないこともあります。そこも含めて、「うちの会社はどうなのか」というところを見ながら取り組んでいただくことをおすすめさせていただければなと思っております。
では、こちらの3例をご紹介して、私のパートを終了とさせていただければなと思っております。