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叱り方改革! 新SBIIモデルから学ぶ、指導とパワハラの決定的違い(全3記事)

“問題のある部下”にどうフィードバックする? 相手を納得させ、行動改善を促す伝え方のコツ

職場におけるハラスメント問題への意識が高まる中、多くの管理職が悩む「指導」と「ハラスメント」の境界線。本セミナーでは、ハラスメントにならない効果的な指導法である「SBIIモデル」について、株式会社PDCAの学校の中山拓哉氏が解説しました。本記事では、明日からSBIIモデルを実践するためのポイントや、指導するうえでの注意点を紹介します。

管理職がやりがちな「意識系のフィードバック」の問題点

中山拓哉氏:よく管理職の方でお見受けするのは、「人間力を高めろ」「積極的に行動しろ」「自主性を持て」とか、そういった意識系のフィードバックをされる方がいらっしゃるんです。

ただ、例えば「自主性」という言葉一つ取っても、上司の方が認識している自主性の定義と、「自主性を重んじろ」と言われた側が認識している自主性の認識が異なっていれば、永遠に自主性という言葉が合致することはありません。なので、指導・育成もすれ違ってしまう。

なんですが、このSBIIモデルは状況・行動・影響というふうに、よりイメージしやすい内容で会話を展開できます。目に見えない部分もあるかとは思うんですが、みなさんからもフィードバックがしやすいですし、相手側もイメージが湧きやすいということで、コミュニケーションの行き違いを防ぐことができるというのも1つのメリットかなと思います。

事実を伝達するだけではなくて、やはり改善してナンボというところがあろうかと思いますので、次につながる行動改善を促しやすいところもございます。

(スライドに)感情的な言葉、人格否定、繰り返し、長時間の叱責、人前での叱責などなど、ハラスメント認定されやすいケースを羅列させていただきました。

注意点としては、SBIIモデルに基づいていたとしても、これに該当してしまうとハラスメントになってしまう可能性もありますので、お気をつけいただきたい点かな思います。このモデルが万能ではないということですね。ほかにも注意いただきたい点はたくさんございます。

明日からできる、SBIIモデル実践のポイント

では、ここまでご視聴いただいたみなさんに、明日からできることをお伝えできればと思います。じゃあ、このモデルをどうやって活用していくのか? というところなんですが、まずステップ1としましては、定期面談もしくは定例会議で実施。「定期」なので、伝える内容や伝え方などを事前準備できるのではないかなと思います。

「ちょっとこのモデルに基づいて言ってみようか」という事前準備もしていただけるのではないかなと思いますし、きちんと事実を整理してから速やかに始められるというメリットもございます。

ステップ2としては、定期面談もしくは定例会議。「定期」「定例」ですので、改善が見られたかどうかを次回、次々回、その次と確認していくタイミングがございますので、客観的事実に基づいて振り返ることができます。

私も(研修の)受講者さまは新卒、若手、管理職の方がメインで、私と研修受講者さまと1対1で面談をさせていただくこともあるんですが、社内、社外を問わず、宿題を出すというのはパターン化されています。

いろいろとお話をする中で、「じゃあ、次回の面談までにこれをやってきてね」という宿題を通達して、次回の面談で「前回お伝えした宿題の進捗状況はいかがですか?」という確認から入る。このサイクルを回していると、改善、改善、改善と、このサイクルも回っていくかと思います。

なので、スライドには書かれていないんですけれども、宿題を通達するというのは定期面談、定例会議での重要なポイントにもなってくるかなと思います。

適切なフィードバックで心理的安全性の高い組織へ

まとめますと、指導者=管理職側がハラスメントを恐れて指導を放棄しているというのが、冒頭の現状把握・分析のところでお話しした内容でございます。

2つ目。実はハラスメントの線引きが曖昧な人が7割もいるということで、こちらは弊社の研修アンケートに基づいてお伝えさせていただきました。これは、ハラスメントにならない指導法であるSBIIモデルの実践で解決できる。

最後が、SBIIモデルであれば最終的に行動改善を促しやすいということです。再度の注意点になりますが、万能ではないです。ほかにもハラスメントに該当する要素は多々ございますので、お気をつけいただきたい点もございます。

今、セミナーをご視聴いただいているみなさまは「心理的安全性」というキーワードをご存じの方も多いのではないかなと思います。このモデルに基づいて日頃からフィードバックをしていただくことによって、組織において自分自身の存在が承認されている感覚や、「自分が意見を言っても受け止めてくれるだろう」という、まさに心理的な安全性が担保できるような組織作りにもつながっていきます。なので、ぜひ実践でご活用いただければなと思います。

ハラスメントを恐れて、問題社員への指導を遠慮……

あらためての質問になるんですが、みなさまの会社の管理職の方々はハラスメントの訴えを恐れて部下を放置してしまっていませんか?

例えば、「遅刻や服装乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動が見られる」「成果が長期間出ず、上司の指導を素直に受け入れない」「裏で愚痴ばかり言って、自らは行動しない」。こういった、中には問題社員と呼ばれるような社員の方もいらっしゃるのではないか? そういった社員の方への指導を遠慮してしまっていませんか? 

SBIIの実践までの壁としては、おそらく3点あるかなと思っております。ミスへのフィードバックで行う際に、主観的判断、怒りの感情を抑えて伝えることは思いのほか難しいです。

「アンガーマネジメント」という言葉をお聞きになられた方も多くいらっしゃるのではないかなと思うんですが、6秒ルールという言葉もみなさんご存じなのではないかなと思います。怒りの感情が芽生えたら、この怒りの感情をあらわにする前に6秒我慢せよ、6秒我慢したら気持ちが少し落ち着くという考え方があるんです。

ただ、個人的には6秒ルールは難しいなと思います(笑)。怒りの感情を6秒も我慢できるかというと、私も人間がそこまでできていないので難しいですね。

「じゃあ、どう伝えればいいの?」というアンガーマネジメントのテクニックもあるんですが、こちらはまた別のWebセミナー等で解説をしていますので、ご興味がある方はアンガーマネジメントのセミナーにもぜひご参加いただきたく思います。

2つ目。多くの管理職が、フィードバックスキルや伝達スキルのトレーニングを十分に受けていない。例えば、課長としての能力があるから課長に昇進するのではなく、実際に成果・結果が出ているから次のポジションにという昇格のされ方が、日本の企業のほとんどなのではないかなと思います。

次のポジションや役職に求められる知識、スキル、体験、経験、考え方の部分や役割認識がなされていないまま次のポジションに上がってしまうので、スキル習得や「じゃあ、管理職になってどういうふうに伝えたらいいんだろう?」というところのトレーニング不足についても、問題提起をさせていただいております。

3つ目。実践経験の不足によって自信を持ってフィードバックできないというところも、このモデルの実践までの壁として挙げられるかなと思います。

ハラスメント研修で使えるアンケート項目

では、管理職の方が適切な指導方法を身につけるためにということで、私はずばりハラスメント研修の実施が第一歩かなと思っております。

これはPDCAの学校のハラスメント研修を受けてくださいという話ではなくて、もちろんほかの研修会社さまでも大丈夫ですし、労務関係の知識が豊富な社員の方がいらっしゃれば、その方が講師となって社内勉強会というかたちで行ってもいいのではないかなと思っております。

弊社の研修もそのスタイルなんですが、ぜひ社内で勉強会をする際にも事前アンケートはとっていただきたいなと思っております。事前アンケートをとり、実際の社内の実情を把握した上で研修コンテンツを作って行っていく。

そうすることで一番潰せるデメリットとしては、ハラスメント研修を受講されるほとんどの方は、自分自身がハラスメントをしているという認識がないんですね。

認識がない方に学びや気づきを説いていくのはなかなか難しい側面がありますので、社内でアンケートをとり、「うちの会社はこういう実情なんですよ」というものを見せて危機感を持ち、当事者意識を持った上で研修勉強会に臨んでいただくことが、会社としてのアプローチとして適切なのではないかなと思います。

参考までに弊社のパターンで言うと、アンケートをとらせていただきまして、御社と事前に打ち合わせやすり合わせをさせていただいて研修を行います。問題児と言ってしまってはあれなんですが、ちょっとハラスメントが危ないかもな? という社員の方には、講師コンサルタントと1対1で面談もさせていただくという流れを設けております。

ぜひこのアンケート項目をご参考いただきたいと思います。実際に社内で行うのであれば、こういった設問をもとに事前に吸い上げていくのも1つかなと思います。実際に弊社がお客さまに対してハラスメント研修を行う際は、こういった事前アンケートを取得しております。

カリキュラム例も、社内で行うとなったらご参考いただけるのではないかなと思います。そもそもの定義のところから、「実際にどうやっていくんですか?」という解決策を提示する。その半ばで個人で考えさせたり、グループでディスカッションさせたり、全体発表させたりといった運用がなされると、学び・気づきも深まっていくかなと思います。

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