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叱り方改革! 新SBIIモデルから学ぶ、指導とパワハラの決定的違い(全3記事)

部下を精神的に追いつめる「なぜ責め」の叱り方 ハラスメントにならず、適切な指導をするためのポイント [1/2]

職場におけるハラスメント問題への意識が高まる中、多くの管理職が悩む「指導」と「ハラスメント」の境界線。本セミナーでは、ハラスメントにならない効果的な指導法である「SBIIモデル」について、株式会社PDCAの学校の中山拓哉氏が解説しました。本記事では、適切な叱り方と人格否定の違いをもとに、指導の際に注意したい点について語ります。

「適切な叱り方」と「人格否定」の違い

中山拓哉氏:結果・成果が出ていない、かつプロセスも間違っている、進め方を間違っているということであれば、叱るという選択肢が必要になってくるわけです。そうしたら、この「叱る」という選択肢が、ハラスメントの線引きで一番難しいところかと思いますので、適切な叱り方を情報提供できればと思います。

「人間を形成する信念の構造」なんていう名前があるんですが、こちらは5段ピラミッドです。最上位に位置するのが自己認識、言い換えるとアイデンティティなんて言ったりしますが、「自分とはどういう存在なのか?」とか、あり方の部分になってきます。

この自己認識をもとに信念・価値観、大切にする軸が作られます。信念・価値観をもとに本人の性格と感情が表れ、性格と感情をもとに行動が伴い、その行動が最終的に環境と結果につながる。

みなさまもどこかで似たような話を聞いたことがあるのではないかなと思うんですが、このピラミッドをもとに解説をさせていただきますと、叱る際、指導する際にフォーカスすべきは行動です。間違った行動を取っていたのであれば、行動にフォーカスして叱る。行動をベースに叱るということが大事になってきます。

上位の3要素の「性格と感情」「信念・価値観」「自己認識」を否定するのは、俗に言う人格否定につながります。人格否定はハラスメントに認定される可能性が高くなってまいりますので、お気をつけいただきたい点でございます。

「なぜ責め」は相手を精神的に追い詰める

例えば遅刻した社員に対して、「何やってんの? だから、すべてにおいてだらしがない」「親の顔が見てみたい」みたいな言い回しは、人格否定につながりそうですよね。

遅刻した社員に対して「何やってんの?」と言うのは、まぁいいかなとは思うんですが。遅刻をしたのであれば、遅刻をした行動がどんな良くないことにつながるのか、周りにどんな影響を及ぼすのかとか、行動をベースにフィードバックしていただくのが適切な指導においては重要になってきます。

一方で不適切な指導としては、「なぜ責め」です。これは人格否定にもつながる可能性も出てくるんですが、例えばこれは上司と部下のやり取りです。おそらくこれは部下サイドが「いつまでに書類を提出します」という約束をしていたにもかかわらず、期日までに間に合わなかったパターンですかね。

「なぜ書類の提出が遅れたの?」「忘れていました。申し訳ありません」「なんで忘れていたの?」「タスク管理表に記入が漏れて……申し訳ありません」「はぁ、そもそもなぜ管理表への記入が漏れるの?」ということです。

このように「なぜ? なぜ?」で詰めていくと、最終的には「認識が甘かったです」「私自身、考えが足りていませんでした」とか、意識系の申し訳ございませんでしたで終わるんですね。ちなみに、指導においてゴール地点は「申し訳ございません」を引き出すことではなく、改善策を引き出すこと。ここはみなさんもご共感いただけるのではないかなと思います。

失敗の原因はいろいろあるかと思います。本人に原因がある場合もありますし、もしかすると外的要因が影響しているかもしれない。

そんな中で「なぜ? なぜ?」で追及してしまうと、最終的には人格否定につながってしまって、厚労省が発表している(パワハラ)6類型の「精神的な攻撃」に該当する恐れがあるので、精神的に追い詰めてしまう可能性がありますよというところです。

適切な指導方法としておすすめな「SBIIモデル」とは

このあたりは線引きとしてご参考いただけたのではないかなと思うんですが、次がメインどころの「叱り方改革」と、ちょっと大げさに言っておりますが、ご参考いただける「新SBIIモデル」というものをお持ちいたしました。

本人の行動改善を促す適切な指導方法としては、SBIIモデルがいいのではないかなということでお持ちした次第です。もともとは「SBI」というモデルだったんですが、アメリカかどこかの研究チームが発表した理論なんです。

あらためてSBIモデルとは何ぞや? というところを解説させていただきますと、1番が状況、Situation。Sを具体的に特定する。ポイントとしては、5W1Hというものが出てくるかと思います。

2つ目が行動、Behaviorを共有する。SBIのBですね。主観ではなく事実を伝える。やはり、ここも事実ベースが大切になってまいります。3つ目が影響、ImpactのIですね。その行動を取ることによって周囲にこんな影響を与えていますよ、というところも事実で伝えていただく。

このSBIモデルを見た時に、改善策を確認していく、突き詰めていくというところは、締めくくりとして欠かせないかなと思います。なので、ImprovementのIをセットにしたのがSBIIというモデルでございます。

「長時間の叱責」とは何かというと、先ほどお伝えした「なぜ責め」とか人格否定ですね。このあたりが長時間に及ぶと、これはこれでハラスメント認定されてしまう恐れもありますので、速やかに解決策への議論を開始することが求められるかなと思います。

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