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叱り方改革! 新SBIIモデルから学ぶ、指導とパワハラの決定的違い(全3記事)

かえって若手社員が辞める“ぬるい職場”の問題点 上司と部下の間で起きている「すれ違い」とは [2/2]

ハラスメントに対する誤解

ハラスメントという言葉の定義も一緒に考えていきたいなと思うんですが、誤解されている点が多々ございます。1つ目が、ハラスメントの理解度調査結果ということで、こちらは弊社が行っているハラスメント研修です。

集合型で行うこともあれば、1社さまに入り込んで研修を実施させていただくこともあるんですが、弊社がハラスメント研修を行う際は、原則として事前に受講者さまにアンケートのご協力をいただいております。そして約9割の回答者の方が、「セクハラ・パワハラについて理解している」という自己評価をしていただいております。

一方で、本日は実物はお持ちしていないんですが、「こういう出来事がありました。さて、ハラスメントでしょうか? そうではないでしょうか?」という、具体的な事例判断テストにもお答えいただいているんですが、誤って回答されている方がけっこう多くいらっしゃいます。

セクハラはさすがにというところで(不正解率は)10分の1ぐらいなんですが、パワハラに関してはなかなか線引きが難しく、約4人に3人から不正解の結果が戻ってくるというのは、我々が研修を実施している中でも実情としてございます。

まず初めに、管理職の方々の課題・お悩み、若年層のニーズ、そしてハラスメントの誤解をお伝えさせていただきました。この前提をもって、「不適切な指導と適切な指導の線引きはどこにあるんですか?」というところをお伝えできればと思います。

パワハラで圧倒的に多いのは「精神的な攻撃」

そもそもパワハラとは何ぞや? というところなんですが、これは厚労省が実際に発表しているもので、1から6まで6類型でまとめてあります。1つ目が、身体的な攻撃。2つ目が、精神的な攻撃。3つ目が、人間関係からの切り離し。4つ目が、過大な要求。5つ目が、過小な要求。6つ目が、個の侵害です。

分析していきますと、圧倒的に多いのが2番の「精神的な攻撃」です。もうこのご時世ですので、1番(身体的な攻撃)はほぼなくなっているのかなと思うんですが、これがなくなったがゆえに精神的な攻撃が増えてしまっているという、時代背景もあるのではないかなと思います。圧倒的に多いのが2番です。

とはいえ、業務上必要な指導はあるかと思いますし、適切な指導はやらなければいけないかと思います。叱る基準を定義付けをさせていただきますと、結果・成果が伴っていない、かつプロセスも間違っている。要はやり方ですね。

(スライドに)かっこ書きで「指示に従わない」というふうにもありますが、行動が間違っている。結果・成果の軸と、行動・プロセスの軸が両方ともNGであれば、叱るという選択肢が生まれてきます。

ほかのところにも触れていければと思うんですが、今、お出ししているマトリクスの縦軸が結果・成果の軸で、横軸がプロセス。要は進め方、行動のベースです。これは言わずもがなですが、結果・成果も出ていて進め方もばっちり。これはもう褒めるしかないですよね。褒めちぎってあげてほしいなと思います。

もう1つ。結果・成果は出ている一方で、進め方は間違っている。こういう場合は戒めるというアプローチになってきます。戒めるとはどういうことかというと、「調子に乗るなよ」ということですね。

ラッキーパンチで成果・結果が出ることって、仕事では多々あるかなと思うんですが、「じゃあ、そのやり方で再現性があるんですか?」ということなので、プロセスもきちんと是正していかないといけないというのが戒めるアプローチになります。

もう1つ。結果・成果は出ていないけどやり方はばっちりで、みなさんの思っているとおりの行動を取ってくれている。この場合は、励ます、寄り添う。「またもういっちょがんばっていくか」というような、寄り添いの姿勢を見せていく必要があるのではないかなと思います。

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