Project MINT Luminary Talk!「リフレクションとダイアローグの力 ー 今、大人が知るべきこと─」 |『リフレクション 内省の技術』、『ダイアローグ 対話の技術』著者・熊平美香さんに聴く!対談イベント!(全3記事)
組織に「リフレクション」や対話を取り入れるメリットは? 「時間がかかる」「余裕がない」と思い込んでいる中小企業へ [2/2]
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リフレクションは人が幸せになるためのツール
植山:じゃあ、最後の質問にいきたいと思います。熊平さんがリフレクションとダイアローグを広めた先に見るビジョンみたいなこと、もしかしたら熊平さんのパーパスかもしれないです。
熊平:そうねぇ(笑)。今の言葉を受けたので、ちょっと違うことも言わなきゃいけないかなと思うけど。まずは、私は本当にリフレクションは人が幸せになるためのツールだと思っているんですよ。だから、リフレクションが広まれば、幸せな人が増える。だから、社会が幸せになると、まずは言いたいなと思っています。
それにダイアローグが加わることによって、クリエーションにつながると思っているので。イノベーションが進むはずだと思っているから。個人の幸せと、社会とか企業とか、いろんなところでのイノベーション。新しい何かが生まれていくという、コ・クリエーションとか、いろんな表現があると思うけど。そういうものが加速されるはずだと思っています。
私自身はどうしても生い立ちのせいなのか、やはりトランスフォーメーションとかイノベーションとか、何かいいチェンジが起きるとかそっち系が好きなんですよね。だから「チェンジを起こそうよ」と、心の声がみんなに届いたらいいなと思いながらこの活動をしていますね。 幼少期から組織変革に関心を持っていた
植山:ありがとうございます。もし差し支えなければなんですが、幼少期からこういうトランスフォーメーションとか、そういったことに触れられていたということなんですけれども。どういうご体験をされていらっしゃったんですか?
熊平:小さい時に実家で稼業をしていて、例えばオイルショックとかいろいろあったわけなんですけど。その会社が変われないと会社が終わるというか、変わらないと死ぬみたいな。私の中ではけっこうそういう考えが小さい時から入ってしまったみたいで。これは、だいぶアンラーンしたんですけど。
植山:あぁ、そうなんですね。
熊平:昔はもう本当に、「チェンジに興味がない人は人間じゃないんじゃないか」と思うぐらい(笑)。
植山:まさか、そんな時があったんですか。
熊平:そのぐらい強い思い込みがあったんですけど、今はぜんぜんそこまでは思わないで済むようになって。リフレクションさまさまだったんですけどね。でも、良いイノベーションはやはり世の中を良くしていくということを、私たちもいっぱい経験してきていると思うんですけども、そういうのが好きだし。
あと、本当は変わらなきゃいけないのに、変われないでぐじぐじしているのは、無駄だと思うので。だから、「先に行きたいな」というので、学習する組織とかイノベーションとか、そういうものにハマってしまったというオチなんですよね(笑)。
植山:すごいですよね。オイルショックだったり、ご実家がビジネスをされていらっしゃったりで、小さい頃からご両親がお仕事でいろんな影響を受けるのも見ていらっしゃった。やはり自分自身が変わることで、自分や会社が変わることで適応していくんだというのが、もう根付いちゃっていたというところで。
私は熊平さんが「変わらないなんてダメよ」みたいにおっしゃっていた時代を知らないので、そんな時があったんですね。
熊平:ありました。言えないけど心の中で思ってた(笑)。
「世界一」を目指したGEのジャック・ウェルチ
植山:すごい。それをアメリカに渡ってピーター・センゲさんとか、本場の学習する組織で学ばれて。そこでやはり「あ、本当に変わるというのはこういうことなんだ」という、すごく夢中になった時があったんですかね。
熊平:ありました。これは結局GE(ゼネラル・エレクトリック)なんですけどね。GEのジャック・ウェルチという、人格的には最終的にはイマイチ(な人)だったんだけど、それは置いといて。
やはりすごいですよ。世界一になりたいような人だったけど、世界一のものをすべての領域で生み出すことはもはやできないけど、世界中の「世界一」を一番早く学べる会社になったら世界一になれるというすばらしい法則を見出された経営者です。
確かに私たちは、例えばトヨタが良いことをやっているとか、良い事例があっても、「それって自動車会社の世界だよね」とか、みんな学べないんですよ。でもGEはそれを本当に学べるようにしているから。それが「学習する組織」の理論に基づいていて、それに私はハマりましたね。
植山:なるほど、なるほど。やはりその時、「学習する組織」でGEに出会った。いやもう本当にワクワクという感じですね。
熊平:そう。「いや、もうこれは絶対みんなに教えてあげなきゃ!」と思って教えたんだけどねぇ。ちょっとダメでしたね(笑)。今、時代がだいぶそういう雰囲気になってよかったなぁと思います。
植山:すごいですよね、本当にその第一線で。その時は、1990年?
熊平:そう、1990年ちょいだね。1990年~1995年とか、2000年ぐらいまで。
植山:そうですよね。やはりその時代は、70年代~80年代に日本企業がどんどん世界一になって、やはりアメリカのグローバル企業は危機感を持っていたというか。
熊平:もちろん。もう「日本に学べ」と言って、一生懸命学んで、全部学びとりましたね(笑)。
植山:そうですよね。
バブル崩壊後にリフレクションをしていたら……
熊平:あと、大学が積極的にベンチャーの立ち上げを支援して、インキュベーションして、それが実って、今みたいなことになっているわけですよね。そのへんはやはり抜かりないなぁと思って見ていましたね。
私は、日本にはバブル崩壊後にリフレクションしてほしかったんだけど。もうすべて他人のせいにしていたからね。「やはり資本主義がよくなかったんだ」とか、「おいおいおい」と思いながら聞いていましたけど。
植山:いやぁ、本当にそうですよね。バブルが崩壊してリフレクションしていたら、きっと日本は変わっていましたよね。
熊平:私もそう思います。
植山:「失われた30年」じゃなくてね。
熊平:そうなんですよ、「リフレクションしなかった30年」と言って! という感じ。
植山:「失われた30年」じゃなくて、「リフレクションした30年」だったら、今もっと幸せな国に……。
熊平:本当にそうですね。でも幸い最近は、みんなそういう雰囲気になってきているじゃない? 私はかつてないほど可能性を感じています。
植山:いや、おっしゃるとおりです。やはりそういう方向になってきていますよね。熊平さん、いったんここまで、ありがとうございます。 続きを読むには会員登録
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