Project MINT Luminary Talk!「リフレクションとダイアローグの力 ー 今、大人が知るべきこと─」 |『リフレクション 内省の技術』、『ダイアローグ 対話の技術』著者・熊平美香さんに聴く!対談イベント!(全3記事)
相手の意見を“すぐジャッジする人”がもたらす影響 心理的安全性の高い組織作りのヒント [2/2]
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どんな意見も批判されない、心理的安全性の高い場を作るには
植山:うーん。いやぁ、なるほど。そうですよね。やはりみんながすぐ否定しちゃうのも、職場で評価・批判の中にいるからだということで、ご自身もそういうメンタルモデルというか思い込みが出てしまっているけれども。
ここはどんな意見も批判されないよ、と安心の場を作ってあげると、そういう批判・評価の意見が自然に出なくなってくるというか。
熊平:そうですね。そういう意味ではコミュニケーションがやはりすごく問題で、意見だけを聞いて、こっちの経験で解釈して「それはおかしい」とか「いい」とか、わりと早く判断しちゃうじゃないですか。でも、(その意見の)背景を聞くと、たいていのことは「なるほどね」と思えるんですよ。
でも、背景も聞く気もなくて、意見だけを聞いて「はい、ノー」みたいな(笑)。そういう感じのスピード感で判断しちゃう人がけっこう多いので。そうするともう疲れちゃうから、その人に合わせてしゃべっておいたほうがお得だということになっちゃいますよね。
「あいつは間違っている」と思いながら聞くのは時間の無駄
植山:熊平さんは今まで、本当にいろんな企業のご支援もされてきたと思うんですけども。先ほどの、意見や経験を聞こうというこの4点セットの基本概念はわかった。でも、自分なりに解釈しちゃうみたいな方もいるということだったんですけれども。例えばダイアローグ、リフレクションを実践する上でよく陥りがちなものはありますか。
熊平:ありますね。それはまず私たちが言葉で対話をしている時に、例えば「対話」という単語を1つとっても、人は同じことを考えていない。言葉の定義が1つではない。やはり対話の経験の種類によって、自分が理解している対話というのはこうだ、というのをみんな持っているんですよね。
だから、一応日本語で「対話ですよね。対話、対話」とか話してて、同じことを話していると思ってしまうのが、もうそもそも間違い。なので、お互いが理解していることが本当に何なのかを丁寧に確認することがすごく大事なんだなとは思います。
でもみんなわかったつもりで、共通認識しているつもりでどんどん先に行っちゃうので、どこかで破綻するっていうんですか(笑)。実はぜんぜん違うこと考えてたね、みたいな。
植山:なるほど。
熊平:それが1つ。あとはやはり評価、判断の保留ですね。自分と自分の意見を切り離して人の話を聞くことができなくて、人の話を聞いているんだけどずっと「あいつは間違っているな」と思いながら聞いているみたいな。それは、はっきり言って聞いている時間が無駄なんですよね。相手にも伝わっているしね。「聞いてないなぁ」ってわかる(笑)。
植山:そうですね。わかりますよね。
熊平:だから、わりとそれはもう無駄な傾聴だなと思って見ていますけど。
家族や身近な人にほど、感情的になってしまう
植山:なるほど。ありがとうございます。ちょっと次のトークテーマにいきます。例えば、「いろんな価値観の人がいる職場では、うまく実践できます」という人がいる。仕事だと心理的安全性を作ろうってできるんだけど、自分の家族とか身近な人になった途端、ちょっと感情的になってしまう。
私も本当に人のことを言えないんですが、特に身近な人だと、ついつい無意識に相手に矛先を向けちゃうことがある気がして。(リフレクションを)上手に実践するにはどうしたらいいんでしょうか。
熊平:これは本当に私もそうですけど、みんなの課題だと思うんですよね。だからやはりリフレクションにおいても、特に感情のメタ認知をすごく大事にしなきゃいけないと自分にも言い聞かせています。
やはり感情が先に走っちゃって、(後になって)「ああ、しまった!」となるので。どうしてその気持ちになるのかを自分に問いかける。「大事にしていることが否定されるんじゃないか」みたいなところで、だいたい人はまずいコミュニケーションに入っていくので。
そう思っている自分をしっかりメタ認知して、切り替えて、怒りではなくて願いに変えて、最終的には自分が期待している世界観がそこに現れてくるためのコミュニケーションに変えていく。ちょっと自分の中でスローモーションでやっていくしかないのかなといつも思います。
それは相当意識しないと感情が先に走っちゃう感じですよね。もう感情で動いてしまいがち、しゃべってしまいがち。でも結果、あんまりいいことが起きないのも何度も経験済みだから、巻き戻して、なんとか(相手の)感情の背景を理解して、願いに変えて、得たい結果のためのコミュニケーションに努めるように自分に言い聞かせている。
植山:なるほど。わー、ありがとうございます。めっちゃ参考になります。やはり冷静になって得たい結果を自分に問いかけてみることが大事なんですね。
熊平:そう思います。 続きを読むには会員登録
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