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Project MINT Luminary Talk!「リフレクションとダイアローグの力 ー 今、大人が知るべきこと─」 |『リフレクション 内省の技術』、『ダイアローグ 対話の技術』著者・熊平美香さんに聴く!対談イベント!(全3記事)

「反省」している時、人はほとんど学んでいない 失敗を成長につなげる「リフレクション」のすすめ

パーパスを起点に、共感する人たちとつながり行動をしているフロントランナーたちをゲストにお呼びするトークイベントシリーズ Project MINT Luminary talk! シリーズ。今回は、大人が知るべき「リフレクション(内省)」と「ダイアローグ(対話)」をテーマに、教育・組織開発コンサルタントの熊平美香氏が登壇しました。本記事では、失敗を成長につなげる「リフレクション」の価値についてお伝えします。

教育・組織開発コンサルタントの熊平美香氏が登壇

植山智恵氏(以下、植山):ここからは、熊平さんにバトンタッチさせていただきます。さっそく、リフレクションとダイアローグの基本概念をお話しいただく時間としたいと思います。その前に、熊平さんから簡単に自己紹介をいただけますでしょうか。

熊平美香氏(以下、熊平):かしこまりました。智恵さん、ありがとうございます。あらためまして、熊平美香と申します。21世紀学び研究所では、リフレクションとダイアローグを広める活動をしておりまして、今日はお招きいただいたことを、とてもうれしく思います。

智恵さんとは同じ思いを共有している仲間として、たぶん2人とも同じくらいの頃に活動を本格化させたんですよね。ずっと昔からの知り合いなので、とてもうれしいです。よろしくお願いいたします。

植山:本当に温かいお言葉をありがとうございます。熊平さんに、私も本当に多くを教えていただいたと思っておりました。このOS21からお互いに活動の範囲がすごく広がって、今もこのようにイベントを一緒に開催できて本当にうれしく思っております。

熊平:ありがとうございます。

自己を客観的、批判的に振り返る「リフレクション」のすすめ

熊平:それでは私から、リフレクションとダイアローグの基本概念についてのお話をさせていただきたいと思います。それではまず、このリフレクションという言葉。もしかするとここにいらっしゃるみなさんはもうご存じかもしれませんけれども。まずは私たちが使っているその定義から、あらためてご紹介させていただきたいと思います。

自己を客観的かつ批判的に振り返る行為のことをリフレクションと定義しています。この定義に出会ったのは、実は学校教育の改革について学んでいる時だったんですけれども。その中でOECD(経済協力開発機構)が提唱している新しい教育の内容に、21世紀の子どもたちの学びにおいて、リフレクションが要となる力だと定義されていたんです。

要と書いてあるからには非常に重要に違いないということで、私もその内容をかなり調べ始めて、とても大事なことだとあらためて認識しました。また、実は私は「学習する組織」を広める活動をずっとしておりまして、その中にもリフレクションが出てるんですよね。

でもその時は、それこそ私の認知の限界で、リフレクションが非常に重要な言葉としては目に入っていなかったんですけれども。あらためて「学習する組織」においても大事だということも理解し直して、リフレクションを広める活動をするようになりました。

今の時代にリフレクションが欠かせない理由

熊平:じゃあ、なんで21世紀になってリフレクションが大事だと言われるようになったのかなんですけれども。

これはOECDも説明してくれているんですが、要は前例のない時代になって、私たちはこれまでどおりのものの見方とかこれまでどおりのやり方を踏襲しているだけでは、素敵な未来が作れないということになった。

ということは、自分のその前提を置き換えていかなきゃいけない。智恵さんのプログラムではアンラーンとおっしゃっていますけれども、まさにそのアンラーンみたいなものが必要になってくる時代。そういう時には、リフレクションが非常に重要になってくる。

ですから、正解が確実なものとして存在していて、その正解を学んでインプットしたものをそのままアウトプットしていくことで成功できるような時代には、あまりリフレクションという言葉が流行らない。というか、ニーズとしては明らかではなかったんですけども、今日において非常に重要だと言われるようになっています。

ですので、誰にとってもたぶんこの時代を生き抜くためにリフレクションが欠かせないということなんですよね。

「反省」している時、人はほとんど学んでいない

熊平:内省という日本語は、物静かな行為として、内向きだったり、一人ぼっちでやる行為だったり、わりとそういうイメージが強いかなと思うんですよね。

私があらためてこういう定義を学んだ中では、リフレクションというのは未来を想像するかなりダイナミックな力だと、今すごく実感しているところです。ですので、みなさんも、リフレクションをそういうダイナミックな力ということでイメージしていただけたらいいかなと思います。

さらに、そのリフレクションについて、やはり1つどうしてもお伝えしておかなければならないのは反省との違いですね。反省ではなくリフレクションと、私たちは今、強く訴えているんですけれども。

じゃあ、なぜ反省が悪いかということから始めたいと思いますが、反省というのは、まず結果に焦点を当てます。反省している時は、おそらくすごくネガティブな感情になっていることが多いと思うんです。申し訳ない、残念、悔やまれる。反省にはとてもネガティブな感情が伴うんですけれども、そこが非常にまずい。

と言いますのも、人間は心理的安全性が低い時、学べないんですよね。ですから反省している時にはほぼ人は学んでいないと思います。それが、反省の一番の問題です。しかも結果に焦点を当てていますから、たいていの場合は、うまくいかなかったことを反省して、封印して、それ以上そこは覗かないものにするみたいなことじゃないですか。

「反省」ではなく「リフレクション」をすべき理由

熊平:でも、リフレクションはぜんぜん違うんですよ。結果ではなく経験に焦点を当てて、経験をしたら必ず賢くなっている、と考えることができます。

それは結果が失敗でも成功でも関係なく、経験したことに価値があるわけですよね。だから挑戦してうまくいかなくても挑戦したという経験だけは自分のものになっているというところをしっかりと見つめる。

そして経験すれば人間は必ず賢くなっているので、その賢くなっていることをしっかりと認知して、それを活かして次に活用していけば、さらに先に進むことができる、指針化できるということなわけです。

今はやはりアジャイルとかプロトタイプとかいろんな表現がありますけれども、要は仮説検証しながら、失敗を繰り返しながら成功にたどり着くみたいな、そういう考え方で経験学習していくことが重要になってきている。そういう中では反省ではなくリフレクションというのは、とても大事なことかなと思っています。ですので、そんなことを広める活動をしております。

「対話」で自己内省ができる理由

熊平:また、対話についても一言だけ申し上げさせていただくと、対話というのはもちろんコミュニケーションなんですけれども、実は自己内省が起きるコミュニケーションなんですよね。

対話では、自分が「どうしてそう思うんだろうか」と自分についてもリフレクションしながら、相手についても「どうしてそう思うんだろう」と共感していく聞き方。この相手に対する聞き方も、自分に対する内省も、より深くその意見の背景を見るというコミュニケーションなんですよね。

だから自分の考えを変える可能性もあるし、相手の世界から学べる可能性も広がってくる。ということで、いわゆる意見だけを交換するのではなくて、できれば(相手の)背景にある大切なものの見方とか価値観、自分自身の意見についても、相手の意見についても考えて、そこを捉えようとするコミュニケーションなんですよね。

それを広めたくてこの活動をしている感じです。ですので、「リフレクションできない人は対話の席に座れませーん」と、一応私たちは言っております(笑)。ちょっと短いですけれども、いったんこのくらいでお話を終えておこうかと思いますがよろしいですか。

植山:ありがとうございます。多くの大事なことを凝縮して、こんなに簡潔にお話しいただける熊平さん、すばらしい。私はなかなかこんなに簡潔にお話しできないです(笑)。やはり熊平さんご本人だからこそ、こうやって丁寧にお話しいただきまして本当にありがとうございます。

熊平:とんでもございません。

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