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【要対策】逆パワハラのリアル!上司を追い詰める「ベテラン社員」の正体と対策(全1記事)

部下からの「逆パワハラ」が管理職の負担に “モンスター社員”の暴走を防ぐ4つの対策

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、部下から上司へのハラスメント行為「逆パワハラ」が発生する理由と、その対策について解説します。

部下からのハラスメント行為で疲弊しない方法

伊庭正康氏:研修トレーナーの伊庭です。上司に朗報です。「逆パワハラ」という、部下から上司へのハラスメントが最近話題になっているのをご存じですか? 実は今回、おもしろい話があるんです。上司は救われます。そんな話をしていきます。

「逆パワハラのリアル! 上司を追い詰める『ベテラン社員』の正体と対策」。もう一度言います。上司は気持ちが楽になります。

こんなことはないでしょうか? 部下から上司へのなんとなくハラスメントめいた行為ってあったりしませんか? 実は、私も会社員の時にちょっと受けたことがあります。

年上の女性の部下の方から、ちょっと嫌なことをたくさん言われました。今から思うとハラスメントに該当すると思います。私はその時、ストレスを溜めていましたね。(今から紹介するような)こういうものがあればもっと早く解決したかもしれません。

もちろん私はそれを自力で解決しましたが、余計なパワーをかけたくないですよね。さぁ、今日は上司に朗報かもしれません。ドン。最新のトピックスです。(スライドの)このケースで逆パワハラをしたある会社の女性ベテラン社員は社内処分を受け、裁判にも発展しました。さて、その裁判でどうなったんでしょうか? 上司は必見です。これから強く出ていただけると思います。

ハラスメントをする側には悪意が無い

メニューはこちらです。今日のトピックスでは、実際にあった逆パワハラのケースを紹介します。日経新聞に載っていました。そして実はハラスメントをする人には悪意が無いから、やる側の本人も気の毒なんですね。悪意がないんです。助けてあげましょう。そして職場でやるべき対策を紹介していきます。

実際にあった例を先に紹介します。逆パワハラの実際のケースです。『日本経済新聞』2025年3月のある記事です。東京都内のソフトウェア会社管理部門で勤続30年となる50代の女性社員の方がいらっしゃいました。

自分より若い営業出身の上司がやってこられました。すると、おもしろくないことがあったんでしょうね。こういったコミュニケーションを取られます。「こんなことをいちいち言わせないでください」とメールで責める。それに似た言葉をフロアに響く大きな声で上司に言う。これを繰り返ししていたそうです。

すると会社は「逆パワハラです」と女性に社内処分を出しました。でも女性は納得できません。「いや、よかれと思ってやっているのになんで処分を受けないといけないんですか? 裁判を起こしましょう」と、会社に慰謝料200万円を請求しました。

ベテラン社員の責任感が裏目に

さぁ、ここから。ドン。女性は非常に優秀な方だったみたいですね。150人の従業員にとって働きやすい職場環境を考える、責任感あるベテランでした。ところがその責任感あるベテランがこんな行為に及んでいたという話をもう少しします。

こんな言葉を上司に発していたようです。上司に対して「いいかげんに営業を離れて管理本部の一員になってもらえませんか?」「問題が生じた時、仕事への影響を最小限にする方法を考え、実行できる人でないと本部長は務まりません」と言ったり、「本部長なんだからやってくださいよ」とせっつくこともありました。正義感は満点ですが、実はこれは行き過ぎていますね。

内部通報が起こり、それによって事態が動き始めます。会社としては就業規則違反に当たるということでけん責処分を与えました。でも女性は納得しません。だって、よかれと思ってやっているんですから。こういうことだったんですね。

マネジメント体制で防ぐこともできる

それに対して裁判を起こしたもののどうなったかというと、東京地裁の判決は、その女性に対して「あなたが負けです」と言ったわけですよ。「表現も厳しく、攻撃的な内容を含み、上司に対するものとしては不適切であり、職場の風紀、秩序を乱さないという会社の就業規則に違反すると判断。処分や命令は権利濫用に当たらない」と結論付けました。女性は控訴せず、敗訴が決定しました。

これってすごくないですか? 私が思ったことがありました。1つは、こういう方って確かにいらっしゃいますよ。こういう方も含めて守ることができなかったのかなと思うんですよ。

すごいことだと思うんですよ。よかれと思って行動していた人が逆パワハラでそういう事態になって裁判で負ける。これって誰のせいなのかなと思った時に、当然それは本人の気質もあるんですけども、マネジメントおよび会社として体制を組めたはずですよね。そんなことをすごく思ったんですよ。

自分の権力が脅かされる不安

さぁ、そう考えた場合にまず、なんでよかれと思いながらハラスメントに至ったのかを見てみましょう。ドン。ハラスメントをする人って悪意がないんですよ。問題は、自分が加害者だと気づいていないことです。ほとんどのハラスメントはそうですよ。

今回のきっかけについて言うと、心理学的にもわかるんですよ。これは何かというと「権威の揺らぎ」です。自分が今まで影響力を持っていたんだけど、若い本部長が来て自分の権威がなくなると考えたんでしょうね。それに対する喪失感があった。こういうことは責任感があるベテラン社員ほどよく感じます。「私がやっていたことのほうが正しい」と思うからですね。

私も実際に管理職の時に、年下の女性部下から同じようなことを受けています。「伊庭さん、関西弁をやめてもらえませんか?」「伊庭さん、いいかげん○○してもらえませんか?」とかをみんなの前で言われていました。本人はそんなに悪気がないんですよ。いじるつもりなのか、いろいろ理由があったと思うんですけども、それに対して僕としてはあんまりうれしくなかったんですね。

管理職が我慢する必要はない

上司にも相談しました。「ちょっと言葉が過ぎていることがあるのでどうしたらいいですかね?」と言ったら、本来であれば会社として対応するべきだと僕は思っていたんですけども、こう言われました。

「いや、それは伊庭ががんばるべきだ。人望とマネジメント力で乗り切れ。それができないとマネジメント力がないということだよ」と言われたんですね。「わかった。じゃあ、3ヶ月、いや、6ヶ月かかるかもしれんけども、なんとかやっていこう」ということで、やりました。

3ヶ月から6ヶ月で、言葉を選ばずに言いますと「抑え込む」ことはやりました。でもこんなことは余計な労力なんですよ。私のように抑え込むことができる強気なタイプは、そりゃあ、ねじ伏せますよ。言葉は優しいですけども、その対応をしている限り決して良くならないことを優しく気づかせますよ。

でも、そんなことをいちいちする必要はないじゃないですか。「じゃあ、どうすればいいんでしょう?」という話を今からしていきます。

パワハラ被害を防ぐ4つの対策

さぁ、ではいきましょう。「じゃあ、逆パワハラ対策はどうすればいいの?」。ドン。職場がやるべきこと。1つ目は「パワハラ防止のガイドラインを策定する」です。厚労省にはガイドラインがちゃんとあるんですよ。

そこには「部下が知識・経験を持ち、上司が業務遂行に協力を得る必要がある場合、部下のほうが優越的な立場にあり、優越的な立場に立っている部下がそのようなことをすると、パワハラに該当するんですよ」(と書かれています)。

こういうことをどれだけ知っているかですよね。でも「具体的にこういった行為は(パワハラに)該当しますよ」ということを、上司にだけではなく一般社員にも周知しておく必要がある時代です。パワハラ防止のガイドラインを策定し、一般社員も含めて知っておくこと。

2つ目。早期発見と相談窓口の設置。これは先ほどの「内部通報でわかった」というところですね。いい会社だと思いますよ。

3つ目。年功序列ではなく、役職を尊重する文化。これは別に「年功序列や役職が絶対に偉い」ということじゃなくて、「私より年下の人が来たらおもしろくない」といった古い考え方には、もう、すぐにバツ(をつけるということ)ですよね。

4つ目。企業が毅然とした対応を取る。じゃないと、職場全体の士気が下がるからです。今回、この会社さんはすごくいいと思いました。僕自身は「君ががんばれ」と言われましたね。実はその3ヶ月から6ヶ月の間、私の担当職場の士気が下がっていました。

「下手したら2年かかるかな?」と思いました。けれども「役割として3ヶ月から6ヶ月でそれは整えないかんな」と思っていました。明らかに職場の士気が下がっていました。それは周囲から見てもわかるでしょうね。会社としてやはり対応が必要だと僕は思います。

さぁ、どうでしょうか。今回の内容はお役に立ちましたでしょうか? ぜひまたお会いしましょう。

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