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井手直行さんとザッソウ(全6記事)

16年間続けた施策がプロ野球コラボに結実 ヤッホーブルーイングの躍進を支える“小さなトライ”戦略 [2/2]

小さなトライを続ければ、大きな出会いがある

井手:2つともすごくでかい案件なんですけど、そういうのも結果的に「最初はちっちゃなところとか、できることをやって、許容可能な喪失で」みたいな。最初から「これをやる」というかたちがあって、30パーセント成長ができるところを探したんじゃないんです。

やっているうちにでかくなって、それをおもしろくやっているほうが負担なくワクワクしていいなと思って、そっちに軸足を置いて私はやっているんだなと、今、気づきました(笑)。

倉貫:そうですよね。「エフェクチュエーション」と言っていた話と「30パーセント成長」というのが、なんか合わんなと思っていたんですよ(笑)。

(一同笑)

井手:まぁ、イノベーションを起こすところはね(笑)。

倉貫:要は30パーセント成長は結果でしかなく、エフェクチュエーション的に小さくてもトライを続けていけば、実は大きな発見や出会いがありますと。

振り返ってみたら、「あれ? これはもう30パーセントどころじゃなくめっちゃ成長していない?」というのがエフェクチュエーションな感じはしていて、てんちょが今されようとしているのはそっちな感じがする。

井手:そうですね。気づくと「30パーセント成長」はあんまり言わなくなった代わりに、私が中心になって知らず知らずのうちにエフェクチュエーション的な行動をいっぱいやっています。

2024年にエフェクチュエーションに目覚めて過去の事例を見返すと、倉貫さんも「これは自分がやっていることだ」と言っていたように、まさにピタッとはまりました。そうシフトしてきているんだなと、今日初めて理解しました(笑)。

ビジネスの基礎体力を付けてからチャレンジする

仲山:僕も楽天に入って初期の頃は、まあまあな短納期でなんとかお題をやりきるトレーニングを受けて。そうすると「このチームで仕事をする時のスピード感ってこういう感じか」「達成する方法を考える選択肢の作り方ってこういうことか」とか、基礎が学べるというか。

基礎を学んだ上でエフェクチュエーションができるようになると、「ただ遊んでいるだけ」ではなくて、ちゃんと達成の要素も入れつつエフェクチュエーション的に振る舞える。結果的に成長スピードが速くなっていくことがあるなと、今、てんちょの話を聞きながら思いました。

倉貫:大きいことをいきなりするんじゃなくて。楽天の話も、今の「携帯事業をやる」みたいなことも、創業当時にはやる(と決めた)ことじゃなかったと思うんですよね。創業当時には当時の難しさがあり、たぶんプラットフォームを作るというのがあって、料金体系を変えるチャレンジがあっての、今の拡大してきてのチャレンジなので。

エフェクチュエーションの話をする時に、がくちょか誰かが「わらしべ長者」の例えをよく言うじゃないですか。

仲山:しー(竹林一)さんも言う。

倉貫:言っていますよね。わらしべ長者がエフェクチュエーションだとしたら、最初は飛んでいるアブを捕まえるところからスタートなので、めちゃくちゃでかくないんですよね。

だけどそれを何回もやっているうちに、まあまあでかい家が手に入っているということだと思うので、最初から「家が手に入る、ラッキー」は、ぜんぜんエフェクチュエーションではないと思うんですよね。

だから時間はかかっちゃうけど、しっかりチャレンジを続けていくことで、結果的に大きな成果を得るのかなという感じはしましたね。

当初は意図していなかったチームビルディングの効果

井手:それがエフェクチュエーションですよね。そういうやり方で。許容可能な損失の中でどんどん膨らませていきました。僕も過去の事例は、今ではすごくでかくなっているけど、それが1年でできたかというと、やはり3年とか5年とか10年(かかっています)。

チームビルディングに至っては、がくちょと出会って2009年から16年ずっとやり続けて、今ではそれがチーム作りから派生して、企業文化(の影響)で採用活動にも応募者がどんどん来るし、取引先の大手チェーン店さんの責任者ともチームになって、一緒に小売で仕事をしています。

取引業者さんともそうだし、さっきのファイターズさんとの件も、大阪の泉佐野市さんと組んでやるのも、全部「チームビルディングが活きて」だから。もう足かけ15、16年ぐらい経つとすげぇ展開になっているというね。でも、それはそもそも想定してやっていないしね。

仲山:それこそファンイベントとかもまさに。

井手:そうそう。まさに、ファンの方とチームになるみたいな。だからチームビルディングの要素をいっぱい入れて、お互いをニックネームで呼ぶとか、自己紹介をテーブルごとにやる、みたいなことも本当に活きています。

倉貫:エフェクチュエーション的に進めるとした時に、一番最初のところに戻って。ベンチャーマインドって、声高に言うことで身につくのか、それとも行動しているうちに身につくのか。これもエフェクチュエーション的な進め方がありそうな気がするなと思いました。

仲山:そもそもエフェクチュエーションは、成功した起業家・アントレプレナーに何十人もインタビューした結果、「(共通する)思考・行動様式が見つかりました」みたいな話だと思います。

だからアントレプレナーシップという言葉がありますが、起業家精神とベンチャー精神ってニアリーイコールだから、「ベンチャーマインド = アントレプレナーシップ = エフェクチュエーションマインド」と言ってもいい気はしますけどね。


ポッドキャストはこちら
井手直行さんとザッソウ第3回 エフェのほうだ!

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