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ダメ上司は部下を管理する。優秀な上司が共通して行う真のマネジメント論(全3記事)

「先天的リーダー」タイプの真似をして失敗する人 "縁の下の力持ち”な「後天的リーダー」の戦略 [1/2]

一代で東証プライム上場を成し遂げた木下勝寿氏の仕事術や、北の達人コーポレーションの社員の働き方などを通して、「リアルな北の達人コーポレーション」をお届けする「北の達人チャンネル」。本記事では、初めてリーダーになった人が陥りがちな失敗パターンについて語ります。

「そもそもリーダータイプでない人」が注意すべき点

木下勝寿氏(以下、木下):次ですね。「悪い管理職の例 その②」を説明したいと思います。「先天的リーダーの真似をする」ということですね。社会人になってから、初めてリーダーを経験する人というのは、そもそもリーダータイプではないんですね。先天的なリーダーではありません。これはサブリーダーとかを含まずに、本当のリーダーだと思ってください。

先天的なリーダーシップが備わっている人というのは、だいたい社会人になるまでに、何度かリーダーを経験しているんです。学生時代までの集団では、リーダーは30人に1人いればいい、クラスで1人いればいいよねという感じです。世の中、30人に1人ぐらいは、先天的なリーダータイプの人がいますので、そういう人が自然にリーダーになっていたと思います。

しかし、ビジネス組織というのは構造上、だいたい5~6人に1人、リーダーを置く必要があるんです。そうなってくると、そもそもリーダータイプの絶対数が少ないので、リーダータイプじゃない人をリーダーに据えて、ここからリーダーに育成していくことになります。

なので、あなたがもしリーダーに選ばれたとしても、リーダーシップがあるからリーダーに選ばれたわけではない。もちろんそういう場合もあると思うんですけども、5~6人に1人をリーダーにしないといけないから、「今からリーダーとして育成していきますよ」と選ばれたと思ってください。

「先天的リーダー」タイプの真似をして失敗する人


木下:ここで悪い管理職になる人って、突然リーダーに選ばれたことによって、「俺についてこい!」とか「俺に任せろ!」みたいな、先天的リーダータイプの真似をしてしまうんですね。残念ながら、現時点ではその人って、まだその器ではないので、空回りしてしまいます。

もともと先天的リーダーだった人は、それをやってもらってもかまわないんですけども、そうじゃなかった人が職場でリーダーになった時に、突然変な方向になってしまうことがけっこうよくあります。周りからは、「あいつ、突然偉そうになったな」とか、「何でもかんでもしゃしゃり出て、かき回しているな」みたいな感じで総スカンを食らいます。

また、肩書を得ることで舞い上がって、豹変してしまう人もたくさんいます。自分が偉くなったと勘違いして、「私は偉くなったんだから、細かい仕事はやらなくてもいい」と思ってやらなくなります。

だいたいリーダーに選ばれるような人って、本来細かい仕事をきっちりやっているからリーダーに選ばれることが多いんですけども、そこで細かいことをやらなくなってしまうと、台無しになってしまうんですね。

他部署を敵視したり排他的になることも

木下:あとは、自尊心を満たすために、自分の組織や自分のチームを欲しがるような人とかもけっこういたりします。自分の組織の結束力を高めるために、排他的になっちゃう人ってけっこういるんですね。自分のチームだけの秘密を持ちたがったり、社内の他部署をライバル視するようになったりします。

例えば、チームの結束力を高めるための手段として非常に簡単な方法があって、「共通の敵を作る」というのが、実は一番結束力を高めやすい方法なんですね。昔、ナチス・ドイツがやったのもそれなんですね。ユダヤ人という人を共通の敵に設定することによって、みんなの結束力が増すという、非常に不健全なやり方です。

もちろん、健全にライバルを設定するというのもあるんですけども、特に社内は仲間じゃないですか。仲間である人たちをライバル視することによって、悪くすれば、「相手を落とそう」みたいな感じになっていきますので。

もちろん競うための良い意味でのライバル視はいいんですけども、敵視するようなかたちになっていくと、全社一丸で結束していくのに邪魔になって、不健全な運営方法になっていきます。なので、ライバルは必ず外部に設定しましょうということですね。

そして、社長とか上司の干渉を嫌がったり、自部署のメンバーと上司を接触させたがらなくなったり、もしくはメンバーの代表になったつもりで、公然と会社方針を批判したり、反体制的な態度を取るとか。先天的リーダーじゃない人がリーダーに任命された時に、ちょっと変な方向になっていくことがあります。

今までリーダー経験がない人においては、リーダーになった時にそういう勘違いをしてしまわないように、ぜひ気をつけてほしいなと思います。

後天的リーダーは「縁の下の力持ち」タイプ

木下:では、もともとリーダータイプじゃなかった人、そして良いリーダーや管理職になる人はどんな人かというと、まず、後天的リーダーのやり方を学ぶんですね。後天的リーダーというのは、「俺についてこい」というタイプではなくて、「縁の下の力持ち」タイプなんですよ。

自分が先頭に立つのではなくて、メンバーが取りこぼしたものを黙って拾っていくとか、メンバーが嫌がることを率先して行うとか、メンバーの責任を自分が負うということです。だから、リーダーになったからといって、「あの人すごい」みたいな称賛とかは、そんなにされないんですね。

しかし、黙ってそれをずっとやっていると、上司や優秀な人たちからは、「あの人がいるからこのチームって回っているんだな」と気づかれていきます。そうなった時に初めて、単に目立つリーダーではなくて、プロから認められるリーダーになっていくんですね。プロから認められるリーダーこそが、本物のリーダーです。

これを続けていくことによって、後天的リーダーが先天的リーダーを越えていくことも多いんです。そもそも、世間的に有名な多くのリーダーというのは、幼少の頃の話を聞くと、先天的にリーダーではなくて、後天的にリーダーになった人のほうが、やはり多いと私自身は感じます。

私自身も、決して先天的なリーダーではありませんでした。これからあなたが立派なリーダーになっていくためには、先天的リーダーの真似をするのではなくて、縁の下の力持ちになるようにしてください。

長期的視点に基づいたプロの世界においては、先頭に立ってきらびやかな活躍をしてチームを引っ張る人よりも、確実に仕事をこなしてチームの下支えをして、「これ以下には絶対に落とさない」という、鉄壁のリーダーが最も支持されます。後天的リーダーについては、別の動画でももっと詳しく説明していますので、興味のある方はこちらの動画も参考にしてみてください。

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