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「若い時に我慢しないと後で困る」がピンとこない若手社員 理想のリーダー像の変化と働きがいのある職場作りのヒント [2/2]


「一緒に働きたい」と思われるリーダー像の変化

みなさんご存じのとおり、心理的安全性というのは昔からあった心理学用語だけれども、2016年にGoogleの「アリストテレス」という社内プロジェクトから出てきた(「チームの生産性向上の最重要要素」と位置づけた)。

要は何かというと、「生産性が高い職場って何?」といったら「心理的安全性が高い」というのが一番に出てきた。それだけみんなが忖度なく自分の意見をぶつけ合って、そこから何かが生まれる職場では、実際に生産性も高まるしミスも減るということですね。

そういうところだと、たぶん働きがいは放っておいてもついてくる。合わない人は辞めるというのもあるかもしれないですけど。やはり場づくりだよねと思っています。

私が若い時はやはりそうだったんですね。今振り返ると僕は、「実績のある人と働きたい」と思っていたと思います。でも今は、やはり過去の実績はリスペクトはするけれども、それが将来の成功者かというと、まず過去にこだわっているとダメじゃないですか。過去の経験も実績もあって、かつ、やはり新しいものに貪欲に取り込んでいくようなリーダーはいいのかもしれないんですけど。

そうするとやはり、今の自分を充実させてくれる人と働きたいと思うのは当然だと思うんですね。だって、先がわからないんだから。この間もありましたよ。ある企業で、「いやいや、お前、若い時に我慢してやっておかないと後で困るぞ」と。私の世代としては、言っていることはわからなくはないです。

でもね、新卒にそれはわからないんですよ。「2年我慢するってどういうこと?」という話なので。それが将来どう自分のためになるかを、上司が本当にきっちりと説明できるかどうか。説明ができて(部下を)納得させられて、「そうですね」と言えるだけのものをもって言っているんならいいですけれども、そこは見透かされますから。

好奇心がすべての入り口


今が重要な時代。前にここで話した時にその話もしたかもしれないけども、漫画とかゲームとかは、あるタイミングからゴールがなくなったというのは聞いたことあります? 『ONE PIECE』(の連載)が始まった頃は、たぶんここまで行ってこういうふうに達成すれば終わりだなと思っていたんですけど、ある時から、何がゴールかわからなくなり出しているんですよね。

要は何かというと、ゴール設定をして、「そこにどうやって苦労しながら、考えながら向かっていくか」は流行らないんです。若者はついて来ないんです。そうじゃなくて目の前のことをちょっとすれば「やったよ!」と(言ってもらえる)。ちょっとやれば何かもらえる。次もまた、ちょっとやれば何かもらえる。それの連続でないと。

もうビジョンとかパーパスとかも伝え方に気をつけなくちゃいけないんですよ。「大きい社会貢献をしたい」みたいなことは思っているんだけれども、自分の行動に照らし合わせた時に、そんなところに行けるかどうかわからないことを目指して何かをやっていくのは、発想としてないんですよね。

これは日本だけじゃなくてほかの先進国でもそうなんだと思います。発展途上国はそうではなくて、お金持ちになること。よりいいものを食べられるようになるというゴール設定が、我々の親の時代と一緒ですからあると思うんですけど。

今の自分を充実させてくれる場所で働きたい。今の自分が充実するような仲間と働きたいという意識を持っているので、一緒に働きたいリーダー(像)って、私の世代とはだいぶ変わってきていると思うんですね。全員が全員だとは思わないですし、いろんな世代がいらっしゃるのでわからないですけど。

で、10個のコンピテンシーの話ですけども、さっき言いましたように、やはり好奇心がすべての入り口だと思っています。好奇心があれば違いに興味を持ちますから、多様性というものに興味を持ってそれを受け入れる体制ができてくる。

一緒になる必要はないんですよ。ここが日本人はまた下手なところで、インクルージョンというのは「すべて同じになれ」「同質化しろ」という話ではないですからね。あくまでちゃんと受け止めて理解をしましょう。でも自分がそう思わないんだったら、それでぜんぜんいいんですよ。

同質化するのではなく、違いを受け入れる

あっ、脱線していいですか? みなさんの会社でも翻訳の難しさというのはすごくあると思います。「チームワーク」というのがパッと頭に浮かんだんですけども。行動規範みたいなものとかバリューズみたいなものはみんなあると思うんですが、日本語を英語に翻訳してそれで通じるか。「インテグリティって何だよ?」とか、「エシックスって何だ?」とかは国によって絶対違いますよね。

賄賂を渡さないとビジネスができない国と、そんなことをしたらすぐにクビだし、下手したら逮捕される国とだと、エシックスの基準は当然違いますから。だから翻訳ってすごく難しいですよね。

ここで今の受容、インクルージョンというのは、チームワークの話をした時にすごくあります。「日本人においてチームワークは何が大事?」というと、やはり「和」という言葉が出てくる。ディスカッションをしていると、相手を理解するところはステップとしてあるんだけれども、やはりいかに同質性に持っていくかという話になるんですよ。

アメリカとかだと絶対そうはならないですから。リスペクトして違いを理解する。違うままで、じゃあ、どうやったら一緒にできるのか。極論を言うと「一緒にできないね」という結論もあっていい。それをチームワークと呼ぶわけですよね。

だから、そこを属性で切っちゃうとまたアレですけど、やはり私の世代と今の20代とでも違うし、東京で両親が働いている家庭で生まれ育った人と、田舎でおじいちゃん、おばあちゃんも一緒に面倒を見てくれて育った人とでも、そこの考え方が違う。というのは、実はすごくダイバーシティが出ています。

だからそういうところで違いがある。じゃあ、違いを持った上でどうするか、違いを受け入れることがまず土俵であって、そこからどうするかを考えられるようになることが重要なんだろうなと思います。

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