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なぜ、あの企業は強いのか? ⸺戦略を超えた「一体感」をつくる組織の感情マネジメント(全5記事)

「優れた企業カルチャー」がもたらす6つの良い影響 自社の文化をどう変える?カギを握るのは「感情」のデザイン [1/2]

『企業文化をデザインする 戦略を超えた「一体感」のつくり方』の著者であり、企業文化の専門家である冨田憲二氏。一体感のある強い企業であり続けるための「組織の感情マネジメント」の視点から、組織のズレが生まれるメカニズムをひもとき、社員一人ひとりが企業の方向性に共感し、主体的に動くためのヒントを探ります。本記事では、経営陣を巻き込んで企業カルチャーを変えていくためのポイントについて解説します。

優れた企業カルチャーがもたらす6つの恩恵

冨田憲二氏(以下、冨田):ここまではかなり具体の事例で見てきたんですが、そもそも包括的にカルチャーというものにより介入して良くしていった場合、どんな恩恵があるのかについて、1回ばーんと視野を広げてみましょう。

いろいろあるんですが、大きく6つに分けてくれている人がいます。セコイアというシリコンバレーの有名なベンチャーキャピタルに、アルフレッド・リンさんというイケメンさんがいて。しかも彼はスタンフォードで、「自分、起業したいです」と言っているような人たちに向けた企業文化の講義があるんですよ。

これ自体、日本とアメリカ・シリコンバレーで教育環境としてだいぶギャップがあるんですが、そもそもこういった講義があります。

アルフレッド・リンさんの後には、AirbnbのCEOが実際に事例を交えてカルチャーの話をしたりとか、そういう講義のビデオがYouTubeで見られます。出典のところに書いてあって、これを検索したら見られますのでぜひ見ていただきたいんですが、その中にある6つのまとめですね。

簡単にサマリーすると、「組織の第一原理となり」というのは、まさにバリューですよね。結局バリューって、それ以上切り分けられない。ここに関しては疑問の余地もない。「これに関して白か黒かではなくて、うちはこれを大事にするんです」というようなもの。「First Principles」ってよく使いますが、それになるということです。当たり前ですね。

当然、それがあると社員の足並みがそろう。社員の足並みがそろえば、会社全体としてStability(安定性)が出てきます。安定し、アライメントされていると、そこに相互理解と信頼関係が生まれてくるというのはまさにですね。

さらに重要なのが採用です。採用において、本当に必要としない人を排除する。なので、採用において、「これはうちに合わないな」という人がそもそもアプライしてこないとか、もしくは採用のフェーズで見極められる。

逆に言うとそういった人たちは、「自分の持っている価値観と、この会社がすごくすり合っていて、会社にいて心地がいい」と思ってくれる。なので、やはりカルチャーフィットは本当にエネルギーだと思っています。必要な人をとどめるといったように、いろんな場所で大きく6つのポジティブな影響があると思っております。

組織において重要なのは「感情のデザイン」

冨田:これがファーストセッション最後のスライドですかね。「カルチャーは大事ですよね」という話と、具体のところから「カルチャーってメンタルモデル的な見方ができます」という話をしました。その上で、包括的にカルチャーに介入するとどんないいことがあるのかという話をしました。

さらにここからは髙原さんとのディスカッションも通じて、だいぶ実践・具体の話に降りていきたいと思います。具体の話に降りていく上で、私が1つ大事にしている視点で言うと、今回のセミナーのテーマでもありますが、やはり「感情」ですね。

先ほど髙原さんからもありましたとおり、今日参加いただいているみなさまが人事や経営企画の方とか、かつ組織規模で言うと一定の大きな組織であるといった場合に、恐らく人の感情と向き合わない日々はないと思います。

一方で、今の世の中の流れで言うと、いわゆる認知的能力(cognitive ability)のほうが注目されがちです。例えば論理的思考がすごく優先されがちで、「ビジネスフィールドにおいて、感情はなるべく入れるべきではない。もしくは排除すべきである。なるべくコントロールせねばならぬ」みたいな風潮が、ちょっとあると思うんです。

一方で、私も会社組織だけじゃなくて今の事業でもそうですが、要はコミュニティですよね。人が1人じゃなくて、2人以上の何か目的を持ってコミュニティとなった場合に、確実に重要となってくるのが感情のデザインであるということです。

それはポジティブな意味で言うと、やはり「エネルギー」なんですね。人間が持っている、感情によるポジティブなエネルギーの最大化をいかにしてできるか。これを使わない手はない。そこは組織として、会社として、コミュニティに介入する一番重要な理由なんじゃないかなと思っています。

私は常に言うんですが、人類は基本的に理性で動くものの、動物的には論理の動物ではなくて、情理・感情の動物であるという部分が強いです。なのでこれを念頭に置いた上で、いかにカルチャーデザインをしていくかというところが、本当に大事だなと思っております。

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