PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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冨田:具体の話はセッション2でしますし、この後の髙原さんのディスカッションでも深められればと思っていますが、議論の前段としてはいったん以上とさせていただきます。
髙原颯起氏(以下、髙原):ありがとうございます。では、さっそくディスカッションを深めていければなと思っております。まずパート1(企業カルチャーの重要性にフォーカスを向けるには?)のところについては、まさに感情デザインや感情マネジメントをどうするかという、具体例もうかがいたいです。
恐らく今日ご参加いただいているみなさんの中でも、カルチャーの重要性やメンタルモデル領域の重要性はわかっているんだけれども、なかなか全社として動くに至っていないとか、経営陣との合意形成が難しいというふうにお悩みの方もいらっしゃるのかなと思っております。
組織の中では、もうすでに「カルチャーは大事」という前提が出てきている。じゃあ「How」をどうしていくかという議論になると思うんですが、そもそもの「Why」をどう握っていくかというところは、かなり難しいポイントかなと思っています。ここの重要性にフォーカスを向けて、経営として取り組んでいけるように、どういうふうに上申をしていくのか。
「どう社内を巻き込んでいくか」という「Why」のところで大事な考え方であったり、冨田さんの実践の中で、「こういう進め方をしている企業さんはうまくいっている」「こういうことが良かった」といったものがあればうかがいたいなと思うんですが、そのあたりはどうですか?
冨田:ありがとうございます。(この質問は)このカルチャー系の話をする時に、本当に一番のビッグクエスチョンかなという感じがしますので、何をどこからどう話していけばというところはあるんですが。
髙原:そうですよね。
冨田:この後のディスカッションを通じて、よりディテールに入っていければと思いますが、思うところは大きく2つあって。1つは、いかにスモールに動いていくかは重要かなと思っています。当然、組織の規模にもよりますし、会社の全体の規模にもよるんですが。
後ほどお話ししますが、構造的に「経営陣がめちゃめちゃ企業文化に対して前のめりです」ということであれば、一番話が早いパターンです。一番最初にその前提があると、「じゃあ、半分解決したようなものですね」みたいな感じなんです。
ただ、「そもそも上層部がそこに疎い。だけど人事としては、そこを何とかしたいと思っている」といった時には2つあって。1つは、できるところからやるしかないんですよね。なので、全社横断的に何かを大きく動かす。例えば「何かパーパスを作りましょう」「バリューを新しくしましょう」とかは、組織においては相当大きな話になってしまいます。
メンタルモデルというのは1つの思考のレイヤーの話ですが、(全社横断ではなく)どこかの事業部やチームから、その会社のカルチャーに関連するような部分を刷新していく。もしくはそこに介入することによって、目の前にある課題に対して結果を出すというプロジェクトをまずは小さく推進して、そこからちっちゃく成果を出す。
「こういった観点でカルチャーに介入したから、こういう成果が出たんです」というものを積み上げていくしか、いわゆるボトムアップのアプローチは難しいなと思っています。というのが、まずは1つ目ですね。
冨田:(2つ目のポイントは)1つ目に絡むんですが、やはり何かしらイシューがあります。それは、本当に現場しか気にしないちっちゃいイシューもあれば、全社的にすごくフォーカスされているイシューもあるので、どのイシューにフォーカスするか、着目するかがすごく大事かなと思っています。
例えば人事部であれば、いわゆる人事ごと・組織ごとにはなると思います。ただ、その組織ごとの中でも日々いろんな課題感があって、その課題感の中でなるだけ優先順位が高いものや注目が集まるもの。かつ、もしカルチャーというレイヤーから何か介入した際に、解決へのインパクトが強そうなもの。
この2軸で見た時に、すごく良さそうなイシューを選ぶという、イシューの選び方が大事なんじゃないかなと。私の経験としていろいろと横で見ながらも、そう思っておりますかね。
髙原:ありがとうございます。そうですね。コミュニティも価値を金銭化することがすごく難しい領域なので、私もよくこういったご質問もいただくんです。
経営陣やキーマンとなるような方が課題認識を変えるようなタイミングって、もちろん「他社はこういうことをやっている」という競合調査をされることもあるとは思うんですが、ぜんぜん自分が気づいてなかった組織課題に気づく瞬間にすごくはっとされることが多いなとは思っています。
例えば複数ブランドを取り扱うメーカーさんで、「自社の社員が他社製品もけっこう使っている」とか「え? 自分たちの製品を使ってないの?」とか「(自社製品を)食べてないの?」みたいなことに気づいたりする。
同じ企業内にいても、別のブランドを応援するような感じではなくなっているということに気づいた時に、「え? そこまでになっていると思わなかった」「それってなんかまずいよね」というふうになる。
「そうなっていると確かに良くないね」みたいに、強い定性的な情報や定性的な刺激みたいなものによる気づきで、課題認識が変わるという話もよくうかがっていました。なので、そういう気づきを戦略的に伝えていくことが1つ大事なのかなと思います。
冨田:今の話はレイヤーで言うとわりと上のほうの人が、現場レベルでの具体の気づきがそもそもなくて、それに気づいてくれたことによってカルチャーに関して何か問いが生まれるみたいな感じなんですかね。
髙原:そうですね。
髙原:説得しに行こうとしている経営陣やキーマンがどういうタイプなのかという、見極めも大事なのかなと思っていて。いずれにせよ「人間は感情的な生き物である」という前提はありつつも、意思決定においては、論理的に数字を大事にするタイプなのか、感情重視の方なのかというところの見極め。あとは、だとするならばどういうアプローチが大事なのか。
逆に直接的な説得だけではなくて、「この人の言うことならけっこう参考にするんだよな」みたいな分析もした上で、「じゃあ、先にこの人を握りにいこう」「この人の仕事を楽にするためには、この人の課題にアラインするためには、こういう情報を持っていかないといけない」と、ある種戦略的にコミュニケーションしていくことも大事なのかなとは思います。
冨田:なるほど。
髙原:カルチャーそのものもそうなんですが、「カルチャーのところで異変が起きていることによって、こういう観点で事業推進に影響が出ている」とか(事例を示す)。
例えば「現場の若手リーダーの方の退職につながった」みたいな強い事例であったり、「自社ブランドの応援があまり生まれていない」とか、何らか事業推進にも影響が出ているんだよということを示す。それが金額化・定量化されていれば理想的ですが、そこまでするのはなかなか難しいですし、国内でもほぼ事例がまだないとは思います。
なので、強い定性的な事例と海外のものや調査を含めて、補強材料を併せて持っていくことが大事なのかなとは思います。まだまだ私も途上というか、「どうすればいいんだろうな?」と、日々悩んではいるんですけれども。
冨田:いやいや。でも、まさに2点目はイシューの見極めですよね。「事業側に定量的に明確にインパクトがある」ということに対して因数分解をして、「ここはこういうふうにカルチャーに介入すべきである」という説得を論理的に、かつ外の事例も使う。今はあくまで上を説得しにいくロジックの話をしていますが、そういった泥臭い動きは必要になってきますよね。
髙原:そうですね。ありがとうございます。時間もあれなので、2つ目のパートにも入りながら具体的な動きにも絡んでいければと思います。みなさんも気になるところがあれば、ぜひQ&Aのところでご質問いただければうれしいです。
冨田:そうですね。みなさん、ガンガンリアクションをしてくださいね。今、私は自分でリアクションを押していますから。
髙原:(笑)。ありがとうございます。
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