「人のカタチに組織が合わせる」という哲学
太田:別の話にはなりますが、ゆめみは多様性を大事にする組織ですので、一般的な会社の仕組みや働き方の中で、うまくご自身の能力を発揮しづらかった方々も一定数いらっしゃいます。
中でも、発達障害をはじめとするニューロダイバーシティの方々が、さまざまな形でその才能を発揮しているんです。
坪谷:それは意図があってそうされているんですか? それとも自然にそうなってきたんですか?
太田:当初はこうした意図があったわけではありませんが、実験を積み重ねる中で次第に自然とそうなってきたのだと思います。ゆめみの組織設計における哲学は、「組織のカタチに人が合わせる」のではなく、「人のカタチに組織が合わせる」という考え方です。
たとえば、一般的な会社だと「課長らしく振る舞いなさい」「部長らしく振る舞いなさい」といった、役割に応じた振る舞いを求められることがありますよね。ただ、それが時には息苦しく感じられることもあると思います。
もちろん、組織運営上、そうした振る舞いを求められるときもありますが、長期的な視点で見ると、むしろ、人の特性に合わせて組織が変化していくことの方が、より良い結果を生むと考えているんです。
坪谷:エンジニアの方々に求められる特性とADHDに、どのぐらい相関があるのかわからないですけど、コードを書き続けたり、1つのことに過集中することが求められる仕事は、ある特性を持った人たちの集まりになりやすい業種・業態だと思います。
そうした人たちが働きやすいように組織が自然発生していく中で、今のカタチになってきたのかなと受け取りました。
尖った人材が働きやすくなる「レアカード制度」
太田:はい、そうだと思います。これを制度化したのが、レアカード制度というものです。
採用というテーマからは外れてきますが、ゆめみには尖った人材がいるんですよね。こうしたレアな人材も長く働けるように、その人に合わせた、個別の働き方を提供できるのがレアカード制度です。これも公開しているんですが、誰がどんな点で尖っていて、その方にどういう個別のサポートをするかを言語化しているんです。
秋山:対象者名まで入っているんですね。
坪谷:すごいな。
太田:例えば、「無職やめ太郎」さんという方がいらっしゃるんですが、視点や発言がユーモラスで、Twitterでもよくバズるんですよ。エンジニア界隈でも有名な方で、フォロワーも多くいらっしゃるんです。
坪谷:なるほど。
太田:いろいろとおもしろい発信をしてくれる方なんですが、特性として自信をなくすことがあるので、その際にはしっかりとフィードバックを行い、労りの言葉をかけてあげることが大事なんです。
坪谷:えっ、そんな置き方なんだ!
太田:そうなんです。この方は、タレントとしてもキャラクターが際立っていて、ゆめみの採用戦略においても重要なキーパーソンとなっているんです。
まさに「レアカード人材」と言える存在なので、無職やめ太郎さんが最大限活躍いただけるように、会社としても必要なサポートを惜しまず行うことを大切にしています。
例えば、身近な施策としては、代表の片岡や私が四半期に一度、状況をしっかりヒアリングして、そのがんばりに対してフィードバックをする時間を設けるなどしています。
坪谷:おもしろいですね。名前までオープンにされていることで、ほかの会社だとなかなか通用しないけど、すごく特殊な素晴らしい個性を持っている方たちが、「自分もゆめみだったらいけるんじゃないか?」と思って集まりそうですね。
太田:そうなんです。それぞれの方の特性をしっかり理解した上で、その人に合った働き方や休み方を提供できるように、常に心掛けています。
坪谷:すばらしいですね、ありがとうございます。
秋山:やはりここまで徹底されていると、採用でのスクリーニング効果も発揮されますし、そもそもゆめみと合わない人は来づらくなりますね。すごくクリアになりました。
太田:よかったです。
坪谷:とてもおもしろかったです。
秋山:ありがとうございました。 続きを読むには会員登録
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