ただの予測ではなく、仮説を立てることの重要性
倉貫:でも、このエフェクチュエーションとか、アジャイルとか、展開型というのは、何をがんばっているのかな。
仲山:何をがんばっている?
倉貫:うん。予測に力を注いでいないということじゃないですか。
仲山:仮説じゃないかな?
倉貫:仮説? 仮説と予測は違う?
仲山:仮説と予測は違うじゃないですか。予測は、こういう展開になるだろうという未来の予測。仮説は、仮に立てた問いというか。「こうなったら、うまくいくのでは?」みたいに自分が思ったとして、その問いを持った状態で、とりあえずやってみるみたいな。
倉貫:なるほど。
仲山:そうすると、その仮説と起こったギャップの「ギャップがあったなぁ」「とりあえず思ったとおりになったな」とか、ちゃんと比較ができるというか。行き当たりばったりとは違う感じ。
倉貫:確かに。おもしろいな。予測は、もうそれだと思ってやっている。予測というか計画なのかな。
仲山:予測が外れたら、きっと「失敗」ですよね。だけど仮説は、仮説と違ったということが学習される。
倉貫:確かに。前向きですね(笑)。
(一同笑)
チームを作りたい時にすべきことは、売り込みではない
仲山:前向き(笑)。この『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』って、基本は「やってる、やってる」じゃないですか。だけど「おぉ、なるほど」みたいな発見って、何かありました?
倉貫:そうだなぁ。この本独自だと思うんですけど、5つの原則の間に1章入っているんですよ。これはクレイジーキルトの原則のあとに入れられている、たぶん本文だけだと伝えきれなかったことだと思うんですけど。
仲山:本当だ。
倉貫:クレイジーキルトの原則って、結局パートナーを、その時その時で組んでやっていきましょうみたいな話だと思うんですけど。「そのパートナーをどう獲得するのか」みたいな話はおもしろかったですよ。
仲山:「問いかけ」って書いてありますね。
倉貫:そうそう。コーゼーションだと、目的達成のためだから、売り込むことが大事。出資してくれる人に「自分たちはこんなにすごいので」「こういうことなので」みたいな。
これって因果論があるから、逆に考えると「必要だから」ということになる。エフェクチュエーションだと売り込みではなく、問いかけをする。
相手にとって良い問いであったら一緒に考えてくれて、仲間ができるみたいな話ですね。それは確かになというか、おもしろいなと思いましたね。
仲山:「問いかけ」ね。
倉貫:そう。問いかけにすることで、何ができるか、問いかけられた人と一緒に考えることができる。これは何にでも使えそうだなという感じがしますね。僕らはこうやって、読んだ本をわりと上手に紹介するじゃないですか。
(一同笑)
仲山:上手にね(笑)。
倉貫:これで、この本が売れると、自分たちの本より、人の本のほうが上手に説明できるということですよね。
自分のことより、自分がおもしろいと思ったことを話す
仲山:うん。それこそこの前、岩佐(文夫)さんが言っていたやつですよね。自分のことを話すと誰も聞いてくれない。
倉貫:聞いてくれないけど、自分が良いと思ったものを話すと聞いてくれる。
仲山:この問いかけも、それとつながるところがありそうですね。「これ、おもしろくない?」みたいなことって、問いかけといえば問いかけで。それで「おもしろそうだね」という人が集まってくるみたいな。「僕の書いた本はこういう内容で」ってコーゼーションすると……。
倉貫:売り込んでもね。
仲山:うまくいかないみたいな。
倉貫:売り込んだら買うか・買ってくれないかの2択しかなくなっちゃいますからね。問いかけになると、YesかNoじゃなくなる。良い問いが、出せるようになるといいですよね。
仲山:なので、遊びという表現を使うとしたら、「こんな遊びがおもしろいと思っているんですけど、一緒にやりませんか?」みたいなことを世に発信していく感じですよね。
倉貫:うん。「おもしろくないですか?」っていう。この問いかけのところで、すごく勉強になりましたね。エフェクチュエーションを知らない方はぜひ読んでいただけたらと思います。
仲山:この表紙の、鳥の絵が描いてあるのと、黄色いのはレモンの黄色なんです。
倉貫:そういうこと!?
仲山:それで手中の鳥が表紙の絵になっていて。これもね、ちょっと前だったら、(今は)「X」になっているけど「『Twitter』の本かな?」って一瞬思っちゃう。
(一同笑)
倉貫:色が青で。
仲山:小鳥ですからね。
倉貫:かわいらしい表紙です。
キャッチーなネーミングが意外に大事?
仲山:これはちなみに5つの原則って書いてあるけど、厳密には、4つの原則と1つの世界観らしいですね。
倉貫:飛行機パイロットの原則は、世界観じゃないですか。統括した話ですよね。どれもがそういうことですよねという。
仲山:「思いどおりにいかないんだから、不確実だというベースで考えよう」みたいなことですよね。
倉貫:いやぁ、話が長くなってアレですけど、原則にちょっとおもしろい名前を付けるのが大事なんですね。この現代社会において、たくさん読んでもらえるように。
仲山:個人的には、許容可能な損失の原則だけ、普通だなって(笑)。抽象的な表現(笑)。
倉貫:なんかもうちょっとあるんじゃないかなという……。
仲山:他は全部何かに例えたりしているのに。なんでだろう。
倉貫:どうなんでしょうね。そのつもりで名前を付けたのかな。わからんなぁ。英語も普通ですもんね。Affordable Lossだし、他のやつもBird in Handだから。別に日本語にした時におもしろくしたわけじゃないし。元が普通だったと。
僕の本も、『人が増えても速くならない──変化を抱擁せよ』は、8つの章に分けてました。「それぞれに“〇〇の原則”って名前を付けたらいいですよ。そうしたら、もうちょっとアレじゃないですか?」って、もう出たあとにアドバイスをもらったから(笑)。「出る前に言ってよ」って、思いましたけど(笑)。
仲山:それで、考えました?
倉貫:うん。考えたんだけど、こんなおしゃれな名前を付けられないですよ。「レモネードの原則」とか。
(一同笑)
仲山:僕はそういうのは好きですね。
倉貫:そっか。僕には難しい。
仲山:着想持ちとしては、よくやる。
倉貫:がくちょに原則の名前を付けてもらえば良かったんだなぁ。
仲山:何かやりましょうか。
倉貫:僕の本の『人が増えても速くならない──変化を抱擁せよ』。
仲山:8つの原則。
倉貫:『人が増えても速くならない 8つの原則』というふうにしたら、ワンチャン、もうちょっと売れるかもしれない。
(一同笑)
仲山:「クレイジーバード」とかね(笑)。
倉貫:そうそう。きっと、なんかそういうのでいいんでしょ?
仲山:(笑)。パクリまくりじゃん(笑)。
(一同笑)
倉貫:はい。ということで、だいたい良いお時間になりましたので。
仲山:もう終わり?
倉貫:もう終わりなんですよ。ザッソウラジオでは、みなさんからのメッセージや質問、相談をお待ちしております。お聞きのPodcastのザッソウラジオのプロフィール欄に掲載されているGoogleフォームからお気軽にお寄せください。Spotifyのコメント欄でもチェックしております。
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仲山:ありがとうございました。
Podcastはこちら「エフェクチュエーションとは何か」