「ビジョンを語れる」ことはリーダーの絶対条件
これを今見ていただいている方は、考える機会がやってきたと思ってください。もう、これができないと理想のリーダーになれないんです。さらに私は、いろんな企業さんで役員さんにインタビューをすることあるんですよ。「これができなければ部長になれません」と、誰もが言っています。
ビジョンを語れないと部長になれないですよね。ということを考えた場合に、部長になることがすばらしいことかどうかは別と置いても、リーダーとしては絶対に必要な条件なんですね。これが、私が最も言いたいことの1つです。
でも、「こんなことを考えるのは難しいかも」と思われたかもしれません。私の研修では、最初は誰もが「考えたことない」と言います。今日も「考えてください」というきっかけなんです。例えばこちら、ドン! Udemy。こちらもオンライン学習のプログラムで、私がこの講座を紹介しています。They、Before、Afterの話も紹介しています。
今、1万8,000人の方がレビューをね、書いていただいてるという。すごい、みなさんがそれだけ学んでいるということですよ。今、あと「チェンジリーダーシップ研修」は多くの企業さまでやっているプログラムです。これもThey、Before、Afterのことを考えましょうと言っています。
経営者の方や、もしくは事業の責任者は「この研修をやりたい」と、おっしゃいます。ところがおもしろいのが、人事の研修担当の方はあんまり関心を示されないんですよね。これはなんでかわかります? 人事の担当の方は、リーダーを本当にやっている人と、あんまりわかってない人に分かれるんですよ。
でも、人事部長とか事業責任者を1回経由した方は「これをやってくれ!」と、おっしゃいます。でも人事の担当から上がってきた方は、どれだけ重要かわかっていなかったり。「それって、うちの会社では難しいですよね」って言われる方がいるのですが、もう少し目線を上げた方がいいです。偉そうなことを言ってしまい、申し訳ございません。
でも人事の担当の方、研修担当の方、もし見ていたらよろしくお願いします。もう、これをやらんといかんのですよ。なぜこれを熱く言ってるかというと、なかなかお打ち合わせをしても伝わらないんですね。ここまで偉そうに言わせていただきました。最後に「じゃあリーダーシップを高めるために、個人でできることは何があるの?」という話をさせていただきます。
リクルート創業者が、部下から言われて気づいたこと
では、お待たせいたしました。4つ目、ドン! リーダー力を高める習慣です。実は、これをやっていただくと随分と変わります。簡単なことを言います。「軸となる考えを持つ」。本をいくら読んでも、受け売りでは実はダメなんです。

実は私が心に留めている話をします。私は前職にリクルートという会社におりました。創業者が江副浩正さんというカリスマ経営者でございますが、若い時に部下たちから、ちょっと注意されたそうです。「ドラッカーは、こう言っている」とか「〇〇はこう言ってる」というのは、研修講師が言うのは別にいいですよ。
でも、リーダーが「〇〇はこう言っている」と言うのはあまり良くないんですよね。だから「ドラッカーが何を言おうが、あなたがどう考えてるかは、ちゃんと示さないといけない」って部下から言われたそうです。受け売りではなく考えることが大事なんですよね。そこでハッと目が覚めて、そこからはもうメッセージを変えられたそうです。
じゃあ、どうすればいいか。1つ目の話。会社員の方であれば、管理職ですよね。この方法もありますっていう話を1つ目にします。誰よりも会社のビジョンを理解し、自分なりの解釈を加える。意外と会社の経営理念とか、行動指針って、額に入れた飾り物になっていませんか? でもそれって、会社の憲法なんですよ。その憲法をかざすと、誰もが否定できないんですよね。
誰よりも会社のビジョンを理解し、自分なりの解釈を加える
会社の方針が特に明確な場合、特に有効になります。例えば、私がニトリさんの店長になったとしましょう。ニトリさんのビジョンをネットで見ると、「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」という言葉が並んでました。
そして、4C主義というのが書いてありましたね。Change、Challenge、Competition、Communication。じゃあ、私が転職したとします。でも、まだニトリさんイズムが入っていない可能性があるじゃないですか。でも伝えないといけないんですよ。だとすれば、この会社の方針を自分なりに解釈し、伝えるでしょうね。
今、本当にアドリブでやりますね。じゃあ、私が滋賀県のある店に配属されたとしましょう。メンバーに対して「今日は私がどうしてもみなさまに伝えたいことがあるので、聞いていただいていいですか?」と言います。「我々には『住まいの豊かさを多くの人たちに提供する』という使命があります。
滋賀県のこの地域の方々って、ちょっと先日私がお話をうかがったところ、まだ気づいていらっしゃらないことがあるなと思ってるんです。トータルコーディネートというのを考えた場合に、まだその良さを味わっていらっしゃらないんじゃないかなと、私は感じています。ですから、今こそもっとすてきな生活が営めるよという我々の提案を、もっと広めたいんですよ。
お店に来た方に、物を売るんじゃなくって、トータルコーディネートのある世界をもっと広めたくありませんか? 私はそれを実現したい。そのために大事なことは、何と言っても我々の4つのCのコミュニケーションだと思ってるんですよ。だから店頭でも必ずこういった時にはコミュニケーションを取ってほしいんです」。
100パーセントアドリブでしゃべってしまいましたが、やりたかったことは、わかりましたか? 誰よりも会社のビジョンを理解している人になり、自分なりの解釈を加える。これが、その会社で否定されることは絶対にありません。
一流のリーダーは「拠りどころ」になる考え方を持っている
2つ目の話にいきましょう、ドン! 自分の教えとなる考え方を軸に、自分の解釈を加えるんです。どういうことか。世の中の名リーダーたちって、ゼロから考えていません。拠りどころとなるものを持っていて、そこに解釈を加えてるんですね。
例えば私が本を読む限り、似鳥会長はチェーンストア理論というものに、ものすごく思い入れを持ってらっしゃいます。それをニトリさんの中でどうしていくかって考えてらっしゃるようにお見受けしました。
あと星野リゾートの星野さんは、「自分の経験や思いよりも、私はセオリーを重視するんだ」と、おっしゃってるんですよね。歴史が証明しているので。それで、よくよく読んでいくと、マイケル・ポーターさんとかがお好きで、そこを拠りどころにされているんじゃないかなと、私はお見受けしてます。
さらには、宗教や哲学を拠りどころにしている方も多いですね。稲盛和夫さんは仏門に入られたという話もあったり。スティーブ・ジョブズさんも禅ですよね。あのシンプルさは、禅の発想から来ているという話ですよね。あと、尊敬するリーダーを自分のロールモデルにされているケースもありますね。
総理大臣の石破茂さんは、田中角栄さんですね。田中角栄さんの話を聞いて、「これは、すごいなぁ」と。あと、石破茂さんのお父さん(石破二朗氏)は鳥取県の知事をされていて、自分のことよりも県民の方々にということをおっしゃっていて、石破茂さんはロールモデルとしてとても参考にされているような発言が多いなと思います。政治の話は、私は一切しませんので、それはよろしくお願いします。
何をしたらいいかと言うと、自分なりの軸を持つために知識を得るということも、リーダーはけっこう大事なんです。ですから本を読むことも大事ですし、話を聞くことも実は大事なんですよ。インプットが大事です。