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⑨坪井一樹氏に聞く適応(全3記事)

入社後の活躍を妨げるのは「期待値のズレ」 オンボーディングがうまくいく「4つの壁」の攻略法 [1/2]

人事領域の専門家の株式会社壺中天 代表取締役の坪谷邦生氏と採用市場研究所 所長の秋山紘樹氏が、毎回ゲストを迎えてトークセッションを行う「採用入門」シリーズ。今回は、ジャフコグループ株式会社 HRBP兼エグゼクティブコーチ/プリンシパルの坪井一樹氏と、採用における「適応」について語りました。本記事では、適応するまでにぶつかりがちな「4つの壁」の正体を解き明かしていきます。

リクルーティングとマーケティングの共通項

坪谷邦生氏(以下、坪谷):初めに、坪井さんの今のお仕事を少しだけ紹介していただいてもいいですか?

坪井一樹氏(以下、坪井):簡単に言うと、今の主な仕事内容は、スタートアップやバイアウト投資先のHR支援です。採用や組織づくりなどを通じて、企業価値の向上に資する人と組織の課題解決を支援することが私の役割です。

元々は、組織人事コンサルティングファームやIT系スタートアップ企業での勤務を経て、前職はDeNAでHRBPをしていました。2022年8月にジャフコに入ってから、今の役割に約2年半取り組んでいます。

起業家、経営者の方への支援の文脈でコーチングをしたり、いろいろなスタートアップを見てきた中で、最近はジャフコのYouTubeのチャンネル企画として「スタートアップの壁」という、スタートアップが直面する壁と、その乗り越え方のナレッジを発信しています。

坪谷:今日は、採用における適応の部分をお聞きしたいなと思っています。まさにいろんな会社を見てこられた坪井さんと、どういう時にうまく適応できるのか、できないのかという、「適応の壁」の話ができたらうれしいなと。

坪井:じゃあ、前段で私の考えているところを少しお伝えできればと思います。リクルーティングもマーケティングファネルと一緒である、という考え方です。


会社の認知から始まって、興味があればカジュアル面談などに進み、さらにお互いにいいねとなったら、応募して面接が進んで、一緒にやっていこうとなって内定になる。最終的に承諾をいただいたら入社する流れまでは、採用の目標の中でも置かれているところだと思います。

ただ実際は、入ってくれた人がちゃんと活躍してくれたか、長く活躍し続けてくれたかという意味での「活躍・定着」までが採用の成功です。マーケティングでいうと、購入してもらって終わりではなく継続まで。だからこそ、適応も意識することが大事で、闇雲に採用の数だけを追うのはちょっと違うというのが、前提としてありますかね。

オンボーディングは入社前から始まっている

坪谷:適応に向けた支援のプロセスを「オンボーディング」と呼びますね。採用初学者の方が気になるのは、オンボーディングの準備や段取りをどうすればよいか、受け入れ時に誰がOJTを担当するかといった点だと思います。どう考えるといいでしょうか。

坪井:それで言うと、私もオンボーディングの企画・推進を担当していたことがあります。2社前の2017年、デジタルガレージにいた時なので、ちょっと昔話になるんですけど。

(マーケティング事業の)キャリア入社者の方は、約3週間前後かけてオンボーディングしていました。だいたい220ページのテキストがあって、20個の課題を全部クリアすると現場に配属されます。なので、入社後にオンボーディングしていこうというムーブメントは、今も昔も変わらず間違いなくありますよね。

ただ、ある種、入社後の施策でしかないので、採用の文脈で適応を考えることで、入社前からやれることもたくさんあるだろうなと思います。今日はそんな話ができたらなというところですよね。

オンボーディングの「4つの壁」

坪井:私はオンボーディングのエクスペリエンスとして大事なことは4つあると思っています。それを4つの「壁」におきかえて話を整理してお伝えします。

まず最初は「理解の壁」、いわゆる「How to learn」ですね。いかにその会社の事業や仕事を学ぶか。理解も「会社の理解」「事業の理解」「仕事の理解」「人の理解」の4つがあって、これをいかにするかが最初の壁です。

この「理解の壁」を越えていくと、次にあるのが「業務の壁」。「How to work」ですね。いかに働くかというところが出てきます。それこそ人から引き継いだ業務を任されているんだとしたら、その業務のやり方、進め方。誰と関わってするのかという、いわゆる仕事の流れもあると思います。

まったく新しい仕事なんだとしたら、ルールとかマニュアルはないので、その人がどんなところまでやっていいのか、どんな役割とか権限があるんだっけという設計、移譲なども含めた業務の部分。

3つ目は「能力の壁」です。何らか期待をして入社いただいた方に、その方らしい能力をどう発揮していってもらうかがポイントになると思います。いかに「How to influence」するかというフェーズ。能力の発揮は社内外への影響の与え方によって見えてくるもの、という考え方です。

最後は「価値の壁」、入社した方が「How to value」に向き合う部分です。ここまできて、目標や成果に対して、いかに価値を出せたか?というところにたどり着きます。期待値にアラインした価値を生み出して活躍・定着し続けていただくところまで行き着くとGOODという世界です。それらの壁をちゃんと乗り越えていけるかが、坪井の考えるオンボーディングにおいての壁論ですね。


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