お知らせ
お知らせ
CLOSE

部門間コミュニケーション施策_成功事例集 ー事業成長へ直結させる取り組みー(全2記事)

社内なのに相談しづらい… 部門間の“誤解と遠慮”を連携に変える、ワークショップの仕掛け [2/2]


具体的な相談内容を付箋でマッピング

この縦軸と横軸の中で、「それはぜひすぐ相談してほしいよ」ということは上の方に貼ります。「少し自チームで整理検討してくれるとうれしい」ということは下側に貼ります。横軸は、(右側が)「それは役に立てると思いますよ」というもの、「役に立てるかは内容次第だな」というものは左側に貼るイメージです。

例えば、「受領した資料に不明点があったので念のため確認しました」という付箋であれば、「すぐに相談してほしいよ」の箇所に貼る、などです。

「クライアントから前例のない要望がありました」という付箋には、「少し答えられるか不安だけど、まあぜひ相談してよ」。「他社からの売り込み」については「忙しくない時期だったらOKよ」などと考えながらマッピングをしてもらうようなイメージです。

これを両チームで互いに見ながらマッピングをしていただきます。最後はその内容をもとに、双方で改めて「これ、ぶっちゃけどこまで相談しますか?」という基準を決めてもらいました。

この時の例で言いますと、「時期にもよるけれど、ここのラインを上回っていたらぜひ相談してほしい」「ここから下の場合は、もう少し整理してほしいかも」という感じで、(基準を)すり合わせて、(最終的には)具体的にラインを定めてもらいました。

この施策の意図と目的は2つあります。1つは、このような話をする中で相手に対する理解がけっこう深まります。「そういうところで迷っているね」「ごめんごめん、私たちはそんなに声をかけづらいのか」という相互理解が深まるので、お互いの関係性が良くなります。

もう1つは、日本人は優しくて迷ってしまう方が多いので、明確に「ここは相談してOK」と具体例で示してくれると、次からは判断しやすくなります。「ここはもう相談しに行こう」と(相談するラインが)わかりやすくなるということです。関係性の構築、基準を定めてあげるという狙いを持って、こうした場を作りました。

最初にも話しましたが、相談しやすくなるための土台には関係性作りがありますので、関係性がある前提で話をしています。関係性がまったくないのであれば、そこから入ったほうがいいですよね。

でも、「関係性はないわけではないけれど、お互いやっぱり気を遣ってしまうな」という場合もありますよね。改めてこのような場を設けてあげて、「あ、私ってそんな話しづらい?」という発見を与えてあげたり、「ここはもう相談したほうがいいんだね」と、お互い確認しあう場を設けてあげることが効果的だと感じています。

社内勉強会にありがちなNGポイント

もう1つ投票が多かった施策である「③各部が持っているナレッジ共有(お手軽勉強会)」についてもご紹介させていただきます。

みなさんの中には、会社で勉強会を実施されている方も多くいらっしゃるかもしれません。勉強会によくあるのが、いわゆる説明会方式です。登壇者の方に準備をしていただきプレゼンを30分ほどしてもらい、質疑応答で場が終わっていく感じが多いと思います。

この(説明会方式には)問題点は2つあります。1つは登壇者側の手間がかかるため、持続性が低いこと。もう1つは、聞いている側も、プレゼンが30分あるとそのうちの15分ぐらいは「それは知っているよ」という内容があることです。

登壇者には全体の枠組みから話をしていただくことが多いので、(聞いている側は)「その大枠は知っているなぁ」となり、後半15分ぐらいから「これいいな」となる。知りたいことが聞けてないということがあります。

そこで、登壇者にかかりがちな負荷や準備の手間を完全になくした、お手軽勉強会を我々が一緒に作ってみました。勉強の流れは、登壇者からの一方的なプレゼンは一切不要で、ファシリテーターを中心とした質疑応答を通してナレッジの理解を深めていく、こんな場を作りました。

この時のテーマは「広報から学ぶ『当社が取り組むSDGs』」でした。当時、世間でSDGsの取り組みについていろいろと話題に上がっていました。

この会社は、「お客さまから何でも相談できるパートナーになりたい」という思いを持っていましたので、お客さまに信頼をいただけるようSDGsのテーマについても理解していこう、こんな経緯で企画を実施しました。

参加者は恐らく50~60人ほどでした。まず始めに、こんなことを聞いていきました。「みなさん、当社が取り組むSDGsについて、今の理解度は100点満点中何点ぐらいですか」。あるいは「この場を通して、今の理解度が50点であれば何点まで持ち上げたいですか」などです。

営業部門と他部署で顧客の要望を整理

この時、手上げ式で回答していただくのはハードルが高いので、Teamsのチャット機能で投稿をしてもらいました。回答時間は2分ほど設けました。

Teamsでは、「今はぶっちゃけ30点。赤点ギリギリだなぁ」「これを50点ぐらいまで持っていきたいな」などというリアクションがありました。

その回答をもとに、3つのセッションを行いました。1つめのセッションでは、こんな問いかけをしました。「当社が取り組むSDGsについて、あなたがすでに知っていること、あなたが持ってる印象を素直に教えてください」。これも同じくチャットに投稿してもらいました。時間は3分です。

その後、その投稿をファシリテーターが拾い、登壇者へ「みなさんこんな印象らしいですよ」「知っていることを眺めて、どんな感想ですか?」などと聞きます。

登壇者の方から「みなさんけっこう知ってくれてうれしいですね」「ここはギャップがあって、実はこうでね……」と語っていただきました。

次はセッション2。「当社が取り組むSDGsについて、セッション1を踏まえてもっと知りたいこと、聞いてみたいことを教えてください」という問いかけをします。これも同じくチャットで投稿をしていただきます。

そしてセッション3では、訴求ポイントを一緒に整理することを行いました。この回では、お客さまと接する職種である営業の方に集まっていただいていましたので、「本日はいろいろとインプットが多かったので、お客さまにお伝えできる訴求ポイントを整理しましょう」という時間を設けました。

具体的には、「お客さまとの会話のネタとして、一番使えそうだと思った内容はどこでしたか」などと質問します。そうすうと、「ここが印象的でした」「ここが刺さると思います」「ここは聞かれることが多いので、暗記します」などという回答がありました。

みなさんの中で、「(お客さまに対してSDGsについて)こういうふうに語ることができるんだな」と整理していただくことができました。

最後にまとめとして、「では本日いろいろと話をしてみてどうでしたか。新しい発見や気づきを教えてください。」と言って終えていくような場のイメージです。

この施策はコンパクトに行う場合は、所要時間は60分ほど、しっかり対話したいと場合は90分ほどあればいい場になるかなと思います。

本日は4つの施策のうちの投票が多かった2つのみお話しさせていただきました。少しでも参考になればうれしいです。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!