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パネルセッション「女性と経営 IWD2025に寄せて」(全3記事)

ビジネススクールで「AIの利用率」に男女差が出た理由 女性が活躍できる組織をつくる、人材育成のヒント [1/2]

「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げるフリー株式会社が国際女性デー2025を記念して開催したイベント『女性と経営 数字で見るスモールビジネスとDEI』より、エール株式会社 取締役の篠田真貴子氏、公益財団法人山田進太郎D&I財団 COOの石倉秀明氏をゲストに迎えたセッションの様子をお届けします。若い世代のジェンダーバイアスが変わりつつある現状や、女性リーダーのロールモデルの重要性について語り合います。

若い世代の意識の変化

篠田真貴子氏(以下、篠田):1個、追加していいですか。このお題の「どうやったら社会の進化を加速させられるか」って、私はある面でけっこう楽観視しています。それはやはり日本においては、労働人口が明確に減っているからなんですね。

大企業でも人手が足りないって言い始めているから、いわんやスモールビジネスをや、だと思うんです。すぐには変わらないけど、さすがに会社が潰れるか女性を登用するかとなったら、いかにバイアスが強くても「しょうがないからやってもらおう」。初めはそういう発言になると思うんですよ。

でもそうやって実際に経験を積めたら、さっきのキャスターのお話で、女性が実際に力をつけて活躍することが、1ヶ所じゃなくてマクロの構造で起きることがもう見えている。日本においては、そこは追い風かなと思っています。

もう1つはやはり、さっき「(ジェンダーギャップ指数が)変わってないね」と言ったけれども、今の20代。ちょっと関係があったのでデータを拝見したんですが、2024年の4月に入社したいわゆるメガバンクの社員って「子どもができたら産休を取りたいです」という比率が男女でまったく一緒。

吉村美音氏(以下、吉村):なるほど。

篠田:特に大きい銀行に入る男子学生って、わりと保守的な価値観かなと思うんですが、それでもそうなので。そういった観点でいくと、計算上は133年後なんですけど、その頃の日本って人口も7千万人ぐらいに減っちゃってますから。そうなる前にもうちょっと加速する追い風が少し、吹き始めているんじゃないかなと思います。

AI教師のほうがジェンダーバイアスが少ない?


吉村
:ありがとうございます。確かにこの観点はすごく大事なポイントですね。後輩たち、さらに若い世代に対しての教育も重要になってきます。

先ほどの篠田さんのお話にも、今の若い人たちはそういう考え方を持っているという話がありました。今、世の中の常識が大きな転換点を迎えている状況があるわけですが、その中でも実際にAIの教育環境についてデータがあるという話を聞きました。みかりん、お願いしてもいいでしょうか。

小泉美果(以下、小泉):そうなんです。2つの研究をご紹介します。まず1つは最近ニュースになったので見た人も多いかなと思うんですけど、AIで囲碁を教えるというものです。

人間が教えると、男性に教えるのと女性に教えるのとで、やはり教え方が変わってしまう。で、女性のほうが囲碁が弱いことになってしまうんだけれども、教師がAIになるとバイアスがかからないので、生徒に合うかたちで教えることができて、男女の実力差がなくなったというおもしろい研究があって。

なんならさっきのテーマ2の「育成」のところですけれども、人間が育成しないほうがバイアスがかからなくて、うまくチャレンジしやすいのかな、なんて、おもしろく見てました(笑)。

もう1個はノルウェーですとか、いくつかの国での研究です。トップビジネススクールで自分が課題をやる時にChatGPTとかを使っているかという研究では、成績の良い女子学生ほど男子学生よりも25パーセントぐらい使っていない。有料アカウントも男子学生のほうが女子学生よりも、2倍以上も多く持っているというのがあって。

なんでかというと、どうも女性のほうがAIを使うことを「ズルしている」みたいな感覚になってしまうと。だからおもしろいのは学校側のポリシーとして「AIを使ってもいいですよ」と明確に言うと、その差が縮む。で、明確に禁止すると、どうも女性のほうがポリシーに従う率が高いみたいで、AIの利用に関する男女差がより広がるところがあって。

これの示唆としては、やはり新しいテクノロジーに対して「こういう使い方で、使ってもいいんだよ」みたいなことを、組織側がちゃんと明示する。で、ルール化してあげると、やはり活躍がしやすくて、男女の差が縮まりやすいという示唆があると思ったところです。

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