
2025.03.19
ドバイ不動産投資の最前線 専門家が語る、3つの投資モデルと市場の展望
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宮地尚貴氏:NG事例の2番目です。上司の問題点はどこか? 「この案件の資料を作ってくれるかな。そんなに急ぎでもないから、とりあえず50パーセントぐらい進んだら進捗報告してもらえる? 質問は会議と電話中以外ならいつでも声をかけて」。
実際の結果としては、4日経過してから新人から報告が上がった。進捗はまだ30パーセントだった。新人に「進みが遅い」と指摘すると、新人は驚いていた。
新人の言い分がこちらです。「『そんなに急ぎでもない』と言っていたので、ほかの業務を優先していた。自分としては50パーセントぐらい進んだと思っていたので、遅いと言われて驚いた。できれば最初からこのぐらいの日数でと言ってほしかった」みたいなイメージです。
これも先ほどと同様で、共通の言語が作れていなかった。あとは、そもそも新人の方から「期限を確認してください」と言うのはもちろんあるとは思うんですが、上司の自責にするなら「期限を伝えることができていなかった」といったところが、けっこう課題なのかなと思います。弊社も研修の中で、依頼業務に関しては必ず期限を確認しましょうと伝えています。
正直、「50パーセントぐらい進んだら進捗報告して」と言われても、まずは全体像の方針を定めて、10パーセントぐらいの段階で「こんな流れで作ろうと思うんですが、どうですかね?」と確認して、また50パーセントぐらい進んだら確認して、最後にアウトプットを出していくという流れがいいですよ、というお話はさせていただいています。
先ほどの例もこちらの例も、「『そんなに急ぎでもない』から」「とりあえず『50パーセントぐらい進んだら進捗報告もらえる?』」とか、どちらかというと上司が待ちになっているんですね。なので、上司側から「あれ、どうなっている?」という最初の段階のコミュニケーションをけっこう意識されたほうがいいのかなと思っています。
まだ信頼関係や人間関係を構築できていなくて、パワーバランスも上司が上だと考えた時に、「声をかけて」と言うと、もしかしたら上司側からするとすごく身近に感じていたとしても、新人側からすると年齢的な心の距離が離れていると感じられていたり、ふだん外に出ていたりすると物理的に声がかけられないということがあると思います。
新入社員が入社して2〜3ヶ月ぐらいの最初の段階は、基本的には上司から「大丈夫そう?」とか「あれ、どうなっている?」と、うかがう。
最初の段階では「あれ、どうなっている?」とか言いながら、「今は自分たちから声をかけているけど、もうちょっとしたら自分から『これってこうでいいですか?』とか、声をかけるのが1つの役割でもあるからね」と、そのタイミングで指導もできるといいのかなと思っています。
あとは、必ず期限を明確にする。それで、進捗確認のタイミングを指示していく。もし向こうから声をかけてもらうなら、こういうことも必要なのかなと思います。
3つ目にいきます。こちらはいかがでしょうか? 上司の問題点はどこか。「今日が期限だけど、お客さまへ提案書は提出した?」「はい。おとといの段階で提出しました」「おいおい、提案書っていうのは送って終わりじゃないんだよ。送ったら連絡するのが筋だろ。月曜に提出してすでに2日も経っている。先方がこれで気を悪くしてしまったらどうするんだ?」「すみません。そういう事情があるとは知りませんでした」。
指導の中で本当にNGなものが1つございまして、まずは一般化しているところです。一般化しているとどうなるのかというと、「おいおい、提案書っていうのは送って終わりじゃないんだよ。送ったら連絡するのが筋だろ」と、いわゆる「送ったら連絡するのが普通だろ」みたいなかたちで言っているんですね。
新入社員で入社した段階では、この「普通」の概念がわからないので、「すみません。そういう事情があるとは知りませんでした」となる。
ちょっと仕事に触れていたり、きちんとマナーを押さえられている方はこのあたりを察してわかってくれるところがあるので、そういう方と仕事をしていると私たちもありがたいなとは思うんですが、そういう方はすごく少ないと思っています。
特に中小企業だと、前提として優秀な方が入りづらいということもまあまああると思います。なので、このあたりがくみ取れない方は多いんですね。経験や体験を積み重ねていく中で、この仕事をしていく中での「普通」だとか、会社としての「普通」が形成されていくところではあります。
特に新入社員で最初の段階で、「送って終わりじゃないんだよ。それが普通だろ」とか「普通はこうなんじゃないか」という指導をすると、だんだんと軋轢が生まれてしまいますので、ここはぜひお気をつけいただければなと思います。
なので管理職の方にぜひお伝えしたいのが、「報連相ができない」といったことは、大前提としてもちろん部下の問題がパイとしては多いと思っています。
ただ、そこで「部下が悪い」で収めてしまうと、管理職の方の伝えるスキルやマネジメント力が一向に上がっていかないところがあります。なので、一定は自責にしていかないと、管理職の方自身の能力向上につながっていかないのかなと思っています。
ですので、「相手の反応=自分のコミュニケーションの成果」ということは心持ちとして持っていただければなと思いますし、「部下の行動=上司のマネジメント力」というのも、もしかしたら一定数は影響している可能性があります。
なので、報告・連絡・相談やコミュニケーションを円滑化していくためには、このあたりですぐに行動できそうな部分はぜひご参考になればなと思っております。
特に最初の段階は、あいまいさや一般化を排除して具体的に指示を出していく。具体性を持って指示を出していく。2〜3ヶ月ぐらい経過した段階で本人に考えさせる余白を作っていく。
先ほど、「ほかにも指導の分類分けのWebセミナーをやっています」というお話をさせていただいたきました。
能力・経験は正直まだまだ少ないが意欲はあるという層の新入社員の方には、「考えてみて」とやっても、能力・経験が低い・少ないから考えるヒントがなくて、考えさせてもとんちんかんな回答に至ってしまうことが考えられます。ですので、最初は徹底的にティーチング、教えていくのがあくまで一般的な概念です。
なので、特に新入社員の方には、一般化したり「普通はこうだろ」「考えてみて」ということはある程度排除して、とにかく具体的に指示出しをしていく。可能であれば、目的、理由も添えていく。「なんでこうしないといけないのか?」という理由や納得感を求める方がけっこう増えているような気がしております。
実際に弊社の研修にご参加いただいている企業さまでは、無料セットで行動特性分析というものをマストでやっていただいておりますが、そこで「懐疑性」という性質が出てきます。この懐疑性とは何なのかというと、相手の言った言葉に対して何かを疑う性質なんですね。なので、理由や意義を求める。
その懐疑性が高い層は、年々かなり増加傾向にありますので、やはり「とりあえずやってみよう」「とりあえずやっておいて」というものがなかなか入りづらくなっている。ですので、指示とともに目的や理由も併せて添えると、行動力が上がってくるのかなと思います。
上司の方の指示の仕方1つで行動力が上がる可能性があるのであれば、指示の出し方も多少は工夫されてもいいのかなと思っておりますので、理由や意義を必ず添えていくというのもぜひご参考になればなと思います。
あとは、前提として人間関係を構築していないと、指示・指導が入りづらくなっていきます。なので、それを増やしていくために、「ありがとう」とか「よくやっているね」といった承認機会を増やしていく。
入社してすぐの段階では、もちろん結果で褒められるシーンはなかなかないと思うので、ふだんの行動のところで、何かをやってもらったら「ありがとう」と言うとか、承認の機会を与えてあげると、その後の指摘・指導が入りやすくなります。ぜひ、このあたりはご参考になればなと思っております。
入社して3ヶ月ぐらい経っても、いまだに報告・連絡・相談が課題だという方は、弊社の研修の受講者さまや企業さまでも多く見かけますので、けっこう(対策を)強化しております。報告・連絡・相談のそれぞれ、なんでこれはやらないといけないのかを伝え続ける。1回やって終わり、1回伝えて終わりではなくて、伝え続ける。
どんな時に話しかけていいのか、どんな時に話しかけると対応として上司側が困るのかとか、そのあたりの判断基準を与えてもいいのかなと思っております。
あとは「報告がまとまっていない」という方もすごくいらっしゃいます。外部の研修や、社内で報連相の仕方講座みたいなものがあると、若年層にとってはよりありがたい環境作りになるのかなと思います。社内研修を企画される場合は、PREP法や報連相の仕方講座も企画されてもいいのかなと思っております。
本当に空気を読まなくていい場所でも空気を読もうとしてくるので、特に2番目の「話しかけていい、悪いの判断軸を提供してあげる」というところは、けっこうおすすめではあります。では、本日の内容の全容といたしましては以上でございます。
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