2024.12.24
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できる上司がやっているマネジメントとは!リーダーシップとマネジメントは違う!(全1記事)
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伊庭正康氏:今日のテーマはこちらです。できる上司がやっているマネジメントの5つの特徴を紹介していきます。まず最初に上司、そして上司になろうとしている人が絶対に知らなければならないことがあります。それはこちらです。「リーダーシップとマネジメントはまったく別物」ということなんです。
今日はマネジメントの話をします。リーダーシップとは、「この方向に向けてみんなでがんばるぞ!」と、方向を示すこと。そしてマネジメントとは、「その方向に向けて必ず実現させるぞ。達成するぞ」という、結果を出す力のことを言っています。今日は、確実に結果を出すマネジメント5選を紹介していきます。
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さあ、ではいきましょう。まず1つ目、できる上司は「プロセス」をちゃんと確認する。できない上司は、行動と結果しか見ないことが多いものです。ところができる上司は、プロセスをきちんとマネジメントできているということですよね。
「うちの職場、モチベーションが低いんです」「離職率が問題なんです」「営業成績が不安定なんです」。これらを数字で表現できますか? というお話なんですね。
例えば「モチベーションであれば、全体の3割が5(段階)のレベルで言うと4以上です」というふうに、きちんと数字で把握できていないと、当然ですが感覚でしかマネジメントができません。そういう人の共通点は、「行動できてるの? できてないの?」という、結果しか見ないんですよね。
今、私が言ったことを数字で語れるかどうかというのは、プロセスを見る人の習慣なんです。ぜひ数字化させることを考えてみてください。
例えば、電話でのアポイント業務もあります。できない上司は「100件できたの? 何件アポイントを取れたの?」という結果、もしくは行動しか見ません。
ところがちゃんとできるリーダーは、「2パーセントのアポイント率を4パーセントにするために、何があれば4パーセントになるんだろうね。じゃあ、断られた要因をちゃんと体系的に整理して、どこから対策を講ずれば2パーセントから4パーセントになるのか、ちょっとシミュレーションしてみない?」ということですよね。
ですから、もう1度言います。プロセスを確認してマネジメントしているということは、いかなる状況であっても数字で把握できることであればしようと努めること。もちろん精緻にデータを取る必要はありません。
ものによっては精緻なほうがもちろん良いんですが、例えばモチベーションの状況なんかを精緻に取るというよりも、ある程度の傾向がつかめればいいんですよね。それを数字化するとどうなるのかというのは、少ないサンプルでも取れるわけです。
このようにマネジメントでは、ちゃんと数字化させることがベースになってきますので、ぜひ考えるようにしてみてください。
2つ目が「徹底の基準」を曖昧にしないこと。できない上司はすぐにわかります。「徹底というのは一生懸命がんばることです」というふうに思いがちですが、違うんです。
できる上司の「徹底」というのは、一生懸命がんばることではないんですよね。どんな手を尽くしてでも結果を出すことを徹底と言います。
具体的には、人の力を借りる。人の力を借りてでも成果を出す。一生懸命というのは、自分なりに一生懸命しましょうということですよね。メンバーは未熟なんです。未熟な人が一生懸命やったとて、当然ですが達成確率は低く、成果も出しにくいです。
ですから、自分で一生懸命そのメンバーに教えておくことは当たり前なんです。その上で、足りない部分は必ずあるんですよ。そこに対しては早めに人の力を借りるんだよ、ということを教えておくんですね。
これは上司とて一緒です。上司の「徹底」の基準が曖昧であれば、当然ですが部下も甘くなります。例えば、こういった上司はいませんか? 最近忙しいので部下との面談が疎かになりがち。ですから、今週もこんなことがあるかもしれません。「忙しくなったので、ごめんごめん。伊庭くん、来週に変更してもらっていい?」と、容易に変更をしちゃう。
これってどうなんでしょうね? 本人は一生懸命がんばってるんだけれども、結果的にはちゃんと実施できてないですよね。
ところが、徹底度がきちんと整っているリーダーはこうなります。「ああ、忙しくて今週は面談できない」と、面談することは決めているんですよね。ですから、誰かに任せてでもそれを実行しようとします。
学校で言えば、自習になるものかと思えば別の先生が来て、「え、自習じゃないの?」ということがよくありましたよね。「代講の先生が来ちゃったよ」という、あれです。
(学校の例と同じように)面談を誰かに任せればいいんです。上司にお願いをあらかじめしておく、サブリーダーを立てておくということをして、きちんと面談は行われる。
「自習ではなく、きちんと代講の先生が今日も来ちゃった。ああ、自習じゃなかった。徹底している先生だな」みたいな感じですよね。ですから、ぜひ徹底の基準を自分自身も整えておきたいところです。
3つ目が「やらなくても良いよ」と言ってあげてください。「やらなくて良いってダメなんじゃないですか?」と思われたかもしれませんが、まったく逆です。
できない上司はあれこれとやることを増やします。できる上司は、達成に影響しないことは「このタイミングではそれはやめておこう」ということが言える人なんですね。「それやらなくても良いよ」と言ってあげられる力がないと、あれもこれもやってしまい、パワーが分散されてしまうんですね。
以前、私の上司にこんな人がいましたが、これは決して良いお手本ではないと思います。営業所で営業課長さんが「数字が足りないので、今からやることを7個やろう」と。7個!?
メンバーとして異動願を出したくなりました。だって、7個もやることはできないですよね。体がちぎれてしまいます。ということで、ちょっと言葉を選ばずに言うと、そのマネージャーさんはやっぱり結果があまり出なかったんですよね。
でも、現場は忙しかったんです。ついていけないなと思いました。ところが、(上司が変わって)できるリーダーになった時にこんなことがありました。
私が管理職になった時、上長に「これとこれとこれ、3つをやろうと考えています」と言った時に、「いやいや、伊庭くん。3つ? 多いよ」「え!? 3つは多いんですか?」「今、現場は忙しいよね? だから、あえてこのタイミングで1つに絞ったほうが良い。1つに絞れるとしたら、このタイミングでは何だ?」。なるほどと思いましたね。
今は1つ、次がまた1つ、次がまた1つというふうにやれば集中できますもんね。こういうことを教わった時に、なるほどねと思いました。
さあ、あなたの職場やあなたの周りに、KPI地獄に陥っている職場はないでしょうか? 先ほど私は言いましたが、7つもやることを増やされたらもう地獄ですよ。やることが多いとあれもこれもやらないといけないので、体がちぎれてしまいそうです。
ですからKPIは1つと言いましたが、実際は3つまでに抑えましょうと言われます。多くても3つ、それ以上増やすと分散されてしまう。だとすれば優先順位をつけて、時間軸で区切って、「今はこの2つをやれば良い、他はやらなくて良い」というふうに見極めてあげることが重要です。
実は私の研修先でもそのようにアドバイスをさせていただいたところ、短時間で営業成績が一気に上がりました。パワーは集中させるべき。分散させてはいけない。これは鉄則ですね。
ドラッガーの言葉にこんなものがあります。「成果を上げる人は(中略)組織の時間とエネルギーを1つのことに集中する。最も重要なことを最初に行うべく、集中するんだ」。これは今言ったこととまったく一緒です。「この時期は、このタイミングはこれに集中するんだ」ということですよね。これが、できるリーダーがあえてやってることです。
4つ目が「偶然の達成」に浮かれない。できない上司は結果で一喜一憂します。「やったー! 達成したー! おめでとう。飲みにいこうぜ」。これはよくある光景でした。良いんだけれども、一流のリーダーはそれだけでは終わらないんですよね。
できるリーダーは、プラス再現性にこだわる。これを必ずやっています。どういうことでしょうね? 私は営業組織のマネジメントを長年やってましたが、だからわかることがあります。
1つが偶然の達成をして喜んでいる組織と、もう1つは必然の達成で喜んでいる組織。まったく違います。後者は再現性が強いのでずっと(目標を)達成しています。しかも、それほど苦しくなくやっているんですよね。
前者の偶然というのは、言ってみればたまたまホームランが出たら勝てた。でも、ホームランが出なかったので今回は負けた。ただ、ホームランはなかなか再現性が低い。ということがあれば、やっぱりしんどくなるんですよね。
ですから具体的には、再現性にこだわるためにはショートPDCAに落とし込む。あえて「ショート」を入れました。PDCAを回しましょうとは言われますが、それを1週間や、早いところでは1日なんかでやったりするんです。早いタイミングで回しましょう。
まずは目標。3ヶ月の目標であれば、やるべきことも計画も1週間ぐらいに細分化してもいいのかもしれません。そしてやることを絞りましょう。これは先ほど言いました。
そして、やったことを短期間のサイクルで「何をやればさらなる改善につながるのか」という検証をきちんとするので、ここで再現性が担保できるんです。そして、次の手を早々に打っていく。つまり、短サイクルで検証の機会を持っているかなんです。
ですから時折、「あまりミーティングがありません」「データは取ってません」「状況を確認してません」という職場がないわけではないんですが、それは何かを目指している組織ではなく、ただ作業をしているだけかもしれませんね。
これに私はすごく感じていることがあって、「いや、伊庭さん。それはあなたが営業現場だったからそう思われるんでしょう?」と思われるかもしれません。
ところが内勤もまったく一緒で、内勤にもミッションはあるんです。ミッションを掲げずに業務をひたすらやっているだけで、メンバーの方からすれば徒労感しかないんですよね。
だって、褒められることがありません。ミスったら叱られる、できなければ注意を受ける。ちゃんとできて当たり前という間接部門ほど、嫌なものはありませんよね。ですからちゃんと目標を決めて、達成に向けてがんばり再現性にこだわるということは、実は間接部門でも同じなんです。
さあ、最後にいきましょう。5つ目は「優しくはするけど、甘くはしない」。これはめちゃくちゃ重要なキーワードです。
できない上司は「要望」を甘くする。「あいさつ? やりたい時でいいよ」。はい、もう終わりですよね。社会人として終わっちゃいます。「がんばれる範囲でがんばったらいいからね。しんどかったらそこまででいいよ」とすると、社会人としてそのメンバーは終わっちゃいます。
できる上司は要望を下げることはしないんですよね。「打開策を一緒に考えていこうね」と、接し方を変えていくんですよ。これを優しいと言います。要望を変えちゃダメなんですよね。
「こんなことをさせたら辞めてしまいます」というのは、営業組織でよくあるんですよ。ただ、私の気持ちはこうです。僕がそこの会社の社長であれば、「もうあなたは上司を降りてください」と思います。
お客さまを裏切るとか、メンバーに対してちょっと無理をさせ過ぎるとか、反社会的なことは絶対にダメですよ。ただ、それはない前提で、「ここまでさせたらメンバーは辞めてしまいます」という人は時折いらっしゃいます。
営業現場では、テレアポなんかは特にそうですね。「テレアポを1日50件やろう」「そんなことをやらせたら辞めちゃいます」。でも、それをやらなければ結果が出ないんですよね。
打開策を一緒に考えるというのは、例えばあえてテレアポにしましょうか。「テレアポを1日に50件やるぞ」という、この50件がその会社ではちょっとしんどいとしますね。
「50件についてどう思う?」「多いです。時間がないです」「OK。確かに今は時間がないよね。じゃあ、何があれば50件ってできるのかな?」というふうに対話をする。
「何があればできるのかな?」「○○の業務で忙しいので時間が取れません」「確かにね。じゃあ、どうしていくのがいいのかな。納得のいくやり方をちょっと決めていかない? サポートできることがあったらサポートするし、他の部門にもお願いできることがあればお願いするので乗り越えない?」。(できる上司は)このパターンです。
そうすることによって、成長の機会を作っていく、そしてサポートしていく。ここを粗くしちゃうと、かえって優秀な人がよく辞めていくんですよ。要望を低くすると、それは「優しい」じゃなく「甘い」ので、優秀な人は「この会社では成長できない」と思ってしまいます。
ですから、優秀な人が辞めてしまう職場、もしくは優秀だった人が3年、4年経ったら「あれ? あんまり成長してないぞ?」ということがあったり、「うちの会社の若手は主体性がないです」というのは、まず本人の問題ではなくマネジメントの問題です。これはもう言い切ります。
だって、私はいろんな会社で研修をしているからわかるんですが、(会社に)入る時はみんなほぼ変わらなくて、入ってから変わるんですよね。本人の問題じゃなく、マネジメントの問題です。あえて言わせていただきます。
これは、私も反省することがあるから力強く言えました。誰もがその道を通っております(笑)。あぁ、昔の自分に言い聞かせてやりたい言葉でございました。
では、まとめましょう。できるリーダーは「プロセス」を確認していきます。そして「徹底の基準」を曖昧にしません。「やらなくて良い」と言ってあげましょう。そして「偶然の達成」に浮かれない。そして、優しくはするけど甘くはしない。昔の私に言い聞かせてやりたい、そんな5つでございました。お役に立てればうれしいです。
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