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「育て方」を知らない上司の特徴(全1記事)

10点満点中7点の部下に言うべきこと 部下を育成できない上司の特徴トップ5

株式会社らしさラボ代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、育て方を知らない上司がやりがちなことをお伝えします。

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育て方を知らない上司がやりがちなこと 

伊庭正康氏:どうもこんにちは、研修トレーナーの伊庭正康です。今日は「育て方を知らない上司がやりがちなこと」、トップ5を紹介していきます。

「部下を育てるのが難しい」という声はよく聞きますが、本当は「部下を育てる時に何があればいいのかわかってない」ことが一番の問題なんですね。

だから今日はこんな人に見てほしいです。部下や後輩をもうすでにマネジメントしている人。もう1つは、これから新人の方を受け入れる職場の方。ここさえ押さえておけば部下はいい感じに育ってくれるというのを、今日は紹介します。

まず質問です。「育成で大事なことって何?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか。答えは幾通りもあるかもしれませんが、今から大事なキーワードを言います。

それは、「説得」と「納得」は違うという話です。説得というと、部下は「言われたからやるしかない」という感覚です。納得は「なるほど、そういうことか。だとすればやらねばならない」と、自分が納得してるんですよね。「言われたからやる」じゃなくて、本当に必要だと思ってるからやるんです。

これはどうすればできるのか、そのヒントを「できない上司トップ5」というランキングになぞらえながら紹介します。私も管理職の時どうだったかなと思いながら、ちょっとドキドキしつつ今から紹介しますので、誰もが思い当たる節があるということですよ。

部下を育成できない上司の特徴

育成ができない上司第5位、「部下を肯定しない」。例えば10点満点で7点の状態の部下がいた場合に、「いいところまでいってるけど惜しい」と言う人はダメですね。自己肯定感が高まりません。7点だったらこう言えばいいんです。「すばらしい」、以上です。



私は勉強になったなと思ったのが、お笑い芸人のティモンディの高岸(宏行)さんをご存知ですか? YouTubeによく出てらっしゃるんですけども、高岸さんがタレントのあのちゃんに野球を教えて差し上げている映像があって、教えるのがめちゃくちゃうまいんです。

例えばあのちゃんが「こうやってボール持つのー?」って、5本指でボールを持って言うんですね。その時ティモンディ高岸さんはどう言ったか。「あぁ! あのさん、それはチェンジアップですね。2本で持ったほうがいいですよ」「こう?」「おぉ、すばらしい!」。

ボールを普通に持っただけなんですが、このあとも「うわぁ、力強いボール投げますね!」と。映像を見たら確かに上手なんですけども、さすがにそんなに褒めるボールじゃないんです。でもただいたずらに褒めてるんじゃなくて、きちんと肯定してるんですよ。

ちゃんとできたことに対しては7点でもいいので、肯定してあげてください。自己肯定感をきちんと醸成できる人が育て上手です。

チームの初期に雑談するとうまくいきやすい

第4位、「雑談をしない」上司は部下を育てられません。よく研修で「雑談はしたほうがよろしいんでしょうか?」と質問されますが、「してください」と言ってます。なぜ雑談しないとなんでダメなのかというと、「プライベートに関心を示さないと、うまくいかなくなる」からなんですね。雑談をすることによって、お互いのことが知れます。

 

どういった考え方で仕事をしているのかとか、もともとはどういった考え方があってこの会社に入ったのか。または日頃どういったことを楽しんでいるのか。何気ない雑談が何に影響するかをわかっておくと、めちゃくちゃいいと思います。

リクルートグループさんの調査で雑談の効力を調査されてるんですが、チームの初期の頃に部下と上司がきちんと雑談している組織は、(メンバーの)コンディションが良くなるという調査結果があるんです。私も企業研修講師としてめちゃくちゃわかります。雑談がない上司は、ほぼうまくいっていません。

お互いのことがわからないから、部下も警戒しています。まず雑談をしてこそ、言いにくいことも言えるようになるんです。

「伊庭くんだから言っていい? あいさつする時は〇〇をしたほうがいいよ」「ありがとうございます」という関係が築けるんですよね。まず雑談してください。

経験談を言ったつもりが「武勇伝」になっていないか?

では第3位、これは注意してくださいね。「武勇伝を言いがち」な上司はダメです。経験を伝えるのはぜんぜんいいんですけど、伝え方の問題なんです。「今とは違ってあの頃はね……」というテイストでしゃべってしまうと、武勇伝になります。

 

そうじゃなくて、今に照らし合わせたら共通点はどこにあるかな、というのを見ます。「私もこういう失敗をしたけれども、それってこういうことなんだよね。だからここをこうしたほうがいいよ。どう思う?」とか。

「あの時と今って違うよね」というところをクローズアップすると自慢にしかなりませんので、ご注意ください。絶対に自慢をしたらダメです。むしろ承認欲求を満たすのは上司じゃなくて部下、先輩じゃなくて後輩なんですよ。

業務のやり方だけを教えている上司

第2位、「育成の熱量がそもそも少ない」。いや、「ない」と言ってもいいでしょうね。業務のことだけを教える人は「もう担当を外れてくれ」と私は思います。だって最初の1年間で、新人の将来が決まると言っても過言じゃないんですよ。「Aのやり方はこうですよ、Bのやり方はこうですよ」というよりも大事なことがあるんですよね。

「この新人さんにはこういうふうになってほしい」ということを、ちゃんとイメージできているかなんですよね。大事なことを言います。業務を教えるのは大前提として、「仕事観」をどれだけ教えているかなんですよ。仕事観というのはこの仕事で大事にするポイントです。これを間違えたらどうでしょう。

私は営業をやっていましたが、営業のやり方や目標の達成の仕方を教えてもらえば、目標達成マシンはできますよ。でもそのまま30年、40年キャリアを歩んだらどうでしょう。その人、幸せになりにくそうじゃないですか?

 

であれば、仕事観を教えるほうが大事なんですよね。「この仕事ってこの人たちのためにやっているので、こういったことを大事にしてくださいね」と。営業で言うと「契約したお客さまに対してきちんとアフターフォローしてね。というのはお客さまのゴールはここなので、これをちゃんと守ってほしい。そこをやらなければいくら数字が良くてもダメだよ」。

「伊庭くん、今1分遅れたよね。1分遅れることが問題なんじゃない。伊庭くんの『1分ぐらいだったら』というところが、実は命取りになってるんだ。なんでかわかる? 人の1分というのは……」というふうに、仕事観をどれだけ教えられるかが、すごく大事だったりします。

もしそこが自信ないということであれば、自分なりの言葉で話せるようにしておいてください。私も最初は業務を教えることばかりやっていましたが、途中から「これだけでは人は育たないんだな」と気づきます。

なので「この人にはこういったビジネスパーソンになってほしいな」という思いをイメージしてください。それはスキル、知識、スタンスの3つに分けるといいかもしれません。

1位は「部下に対する質問が少ない」上司

さあ、1位は「部下に対する質問が少ない」です。すぐに答えを言う、すぐに手を差し伸べる。例えば「あの服欲しい」「じゃあこのお金で買ってきなさい」というのでは、子どもが真っ当に育つはずないですよね。

じゃあどうするかというと、聞くんですよね。「あぁ、お金が欲しい。3,000円あればあの服を買えるのに」「そっか、欲しいんだ。どうするのが一番いいかな?」「うーん、アルバイトするのがいいと思う」「そうか、それどう思う?」「うーん、でもしんどい」。

「アルバイトするに当たって、何か不安な点はある?」「学校との両立かな」「そっか。どうするのが一番いいと思う?」……こういうふうに聞き役になるんですよ。最後は「両立するためにどうするのが一番いい? 応援するよ」ということですよね。最終的に本人が決めるように、ちゃんと導いてあげてほしいんです。

 

手柄は部下に取らせてほしいんです。「自分で決めた」という自己決定感をしっかりと担保しておいてください。すぐ答えを言われると、自分と違う答えであれば「説得された」となります。でも質問されて自分で答えたことに対しては、人は納得するんですね。だから納得は、この自己決定感で担保されてるんです。

まとめましょう。まずダメな上司は部下を肯定しない、部下と雑談をしない、部下に武勇伝を言いがち、部下に対する育成の熱量が足りない。そして最後、部下に対する質問が少ない。

ご安心ください、これは誰もが通る道ですからね。私もちゃんとくぐり抜けてまいりました。絶対に誰もがくぐり抜けられますから、ぜひやってみてください。

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