CLOSE

第923回 仕事に役立つABC『年上部下のマネジメントで心掛けたいこと』(全1記事)

つい遠慮してしまう…「年上部下」に接する時のポイント3選 チームで成果を上げるためにマネジメントで大切なこと

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。今回は、年上部下に対するマネジメントの悩みをもとに、接し方のポイントについて解説します。
■音声コンテンツはこちら

年上部下に対するマネジメントの悩み

熊谷翔大氏:今日は、「年上部下のマネジメントで心掛けたいこと」がテーマです。リーダー、マネジメントの役割を担っているあなたに質問ですが、自分の部下・メンバーの中に年上の方はいるでしょうか? いわゆる「年上部下」ですね。

(年上部下をマネジメントしている方は)意外と少なくないんじゃないかなと思いますし、今はそういった立場にない方も、今後そのようなシチュエーションになることは十分考えられるかと思います。そして、私も年上部下を持つ人間の1人です。

今日、このテーマで話そうと思ったきっかけなんですが、先日グロービス経営大学院に通っていた時の同級生の友人と話す機会がありました。近況を聞いてみると、今は10名くらい部下がいて、全員が年上だということで、けっこう大変ですねという話で盛り上がりました。

そこから、「年上部下のマネジメントで気をつけるポイントはあるか?」という感じで話が盛り上がったんですが、最後に共通認識になったのは、「大事なポイントをしっかり押さえることができれば、なんとかうまくやっていけますよね」と、そんな話になりました。

年上部下のマネジメントというテーマに、絶対的な正解はないかと思います。なんですが、「これは外しちゃいけないポイントだよね」という、共通のものもあるんじゃないかと思っています。

私自身も過去に「どうしたらいいかな?」と悩んだ経験もありましたし、そんなところも踏まえて、先ほど話したように友人や知人、先輩から意見やアドバイスをもらうことや、本からヒントを得るように心掛けてきました。

「自分のほうが偉い」ではなく、役割を正しく捉える

ということで、今日は「年上部下のマネジメントで心掛けたいこと」というテーマで、私が大切だなと考えていること、そして実際に日々心掛けていることを3つのポイントに絞ってご紹介いたします。

まず1つ目ですが、相手に対してしっかりとリスペクトの気持ちを持って接しましょう。これは本当に当たり前のことなんですが、年上部下の方は自分よりも年齢が上です。だからこそ人生経験も豊富で長いですし、自分よりも知見・経験をたくさん持っていると思います。

自分より優れているポイントが間違いなくたくさんあるかと思いますので、まずは上司・部下の関係の前に、人生の先輩としてリスペクトの気持ちをしっかり持つ。これはいつ何時も忘れてはいけないと思います。

大前提として、年上部下をマネジメントするよりも前に、リスペクトの気持ちを持って日々コミュニケーションを図る。まず、何よりもこれが大切なポイントだと私は考えています。

続いて2つ目ですが、誰が相手であっても同じように接しましょう。今日のテーマは年上部下なんですが、年上部下にだけ「こうしよう、ああしよう」と考えると、非常にコミュニケーションが取りづらくなってしまうんですね。だからこそ相手の立場や年齢は問わずに、常日頃から、上にも下にも横にも斜めにも、同じようにコミュニケーションをする。

具体的には、小さなことですが、日々のあいさつ、言葉遣い、相手の忙しさや状況に応じて相談・依頼を持ちかける。こういったことは、相手によって振る舞いを変えるべきではないと思います。

周りの人に同じように接することができれば、結果的にも年上部下の方から信頼を得るようになったり、コミュニケーションをしやすくなったりするんじゃないかなと感じています。

そして最後に3つ目ですが、上長である自分の立場を自覚してやるべきことをやりましょう。これも当たり前なんですが、つまりどういうことかといいますと、リーダーやマネジメントを担う自分に責任と権限があって、意思決定する役割があるんだなと自覚する。そんな意味です。

決して自分のほうが偉いということではなくて、役割を正しく捉える。そんな意味だとご理解ください。

年上部下に「いかにして頼っていくか」と、前向きに考える

1つ目・2つ目でお話しした、「相手へのリスペクトを持って、誰に対しても同じように振る舞う」ができれば、最後は年上部下に対しても、伝えるべきこと・お願いするべきことはしっかりと伝えてお願いする。これが間違いなく必要です。

正直なところ、勇気がいるアクションだと思います。でも、それをしなければ、リーダーやマネジメントの立場で仕事を進めることはできませんし、チームとしても健全な方向には行きません。

周りの他のメンバーも、リーダーであるあなたの振る舞いを見ているはずです。年上部下に対して、言うことをズバッと言うのは難しいんです。あと、気持ち的にも「何か思われたら嫌だな」とか、心配になるというのが本音ですよね。

でも、しっかりリスペクトして、配慮をした上ではっきり伝えて、それでもうまくいかないのであれば、ある程度仕方ないと割り切ることも必要だと思います。遠慮して伝えないよりも、自分がやるべきことをしっかりやる。リーダー、マネジメントにはそんな行動が求められるかと思います。

ということで、年上部下のマネジメントで心掛けたいポイントを3つお伝えしました。まず1つ目が、「相手に対して、しっかりとリスペクトの気持ちを持って接する」。2つ目が、「誰が相手であっても、同じように接する」。そして3つ目が、「上長である自分の立場を自覚して、やるべきことをやる」です。

私個人としては、年上部下の方がいると、組織運営をしていく上で頼りになる場面がたくさんあると感じています。どうしても、「年上部下のマネジメントは難しいな」と思いがちなんですが、マイナスに捉えていくともったいないですよね。「いかにして頼っていくか」というふうに、前向きに捉えたいなと私は考えています。

3つのポイントが少しでも参考になっていれば、頭の片隅に置いてもらえるとうれしいなと思います。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 採用候補者にリーチするポイントは「企業名」だけじゃない 知名度の低い中小企業が自社ブランドを確立するためのヒント

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!