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ミドル層が組織成長のキーになる!〜働きがいを高める、一生働きたい職場の作り方〜(全4記事)

やたらと多い自慢話、批判や噂好き…「自己重要感」が低い社員の特徴 管理職が知っておきたい「一生働きたい職場」の作り方

組織の持続可能な成長と革新を実現するカギとなるのが、ミドル層のリーダーだと言われています。本イベントでは、『もう、転職はさせない! 一生働きたい職場のつくり方』著者の田岡英明氏が登壇し、働きがいのある職場の作り方について明かしました。今回は、部下の「働きがい」を高める組織づくりのポイントを語ります。

「働きがい」を高めるヒントは「自己重要感」にある

田岡英明氏:さて、それではミッションとワクワクという情熱をベースに語っていくと。どのように一生働きたい職場を現場に作っていくのか、5つのステップをご紹介していきたいなと思います。

働きがいを組織に育むことがテーマなんですが、働きがいというのは、もう読んで字のごとく、働く甲斐のある状態を作っていくわけですね。その働く甲斐のある状態は、自分の仕事に「取り組んでいてよかったなぁ」と思える状態が作られれば、達成されます。

取り組んでいてよかったと思えるためには、仕事が自身の情熱を傾けられるものであることが大切です。ですので、情熱に関して言うとミッションとか先ほどのワクワク感とかがつながっていきます。



そこにさらに究極のものをお伝えすると、情熱は人間の究極の欲求と言われる「自己重要感」を高めることで得られると、働きがい心理学の中ではお伝えしています。

じゃあ、その自己重要感って何なのか。人は自分自身のことを価値ある存在だと思いたいし、他人からも自分のことを価値ある存在だと思ってもらいたい。そんな究極の欲求を持っていると言われています。深層心理には、自分を認めてもらい、自分の存在価値を確かめたい欲求を生まれながらにして持っているんだと言われているわけです。



我々は自己重要感を満たすために、「がんばっているな」という言葉が欲しいがために、一生懸命仕事をするんですね。あとは奇抜なファッション、もしくはビシッとしたスーツに身を包んだり、ブランド物、最新の高級車を乗り回す。

あとは寄付。我々は自己重要感を満たすために、こんなことも無意識にやっているんだと言われています。

やたらと多い自慢話、気を引くための病気…「自己重要感」が低い人の特徴

自己重要感を満たそうという意識は無意識的なものなので、ふだん意識はしていないのですが、上の4つは人さまに迷惑をかけないこと。下の4つが、マネジメントしているみなさんとしては抑えたほうがいいかなぁということです。



自己重要感が下がった人は、自己重要感を満たすために下のような4つの行動をしていきます。例えば、やたらと多い自慢話です。あとは横柄な態度を取る、マウントを取る、他人をけなす、批判好き、噂好きですね。

このような行動は自己重要感を満たすためにやっている最たる行動だと言われています。そして自己重要感がもっと下がってしまうと、二次利得である他人の同情を引くための病気ですね。

ですので、みなさまの周りにいらっしゃらなければいいなと思いますけど、常に「頭が痛い」「腰が痛い」と言っている人、いないですかね? 過去の経験の中で痛みを伝えると「大丈夫か?」と大事にされる(ことを知っている)、自己重要感が満たされる。

そんなことを無意識に理解していますので、自己重要感が下がっていくと病気を起こすわけです。なので、その方々は仮病ではなくて、本当に痛いわけですね。ただ、病院に行ってみるとなんともなかったと言われるパターンだったりします。

「俺の背中を見てついて来い」ミドル層が育った組織環境

我々ミドル層としては、現場で働きがいを育んでいかなければならないのですが、多くの方が自己重要感が満たされずに生活していると言われています。

やたらと自慢話をしたり横柄な態度を取ってきたり、けなしたり、批判、噂ばっかり言っている。あとは「頭痛い」「腰痛い」と言っている子がいたならば、ぜひ自己重要感を上げる関わりをしていかなきゃならないということも1つ、押さえておいてほしいなと思います。

現場に働きがいを育むことに関して言うと、ミドルとしてチームへの自己重要感を高めていくことを押さえておいていただきたいなと思います。



ただ、その自己重要感を高めていくのは、そう簡単ではないわけです。なぜならば、画一的な価値観で統制されていた職場が、多様な価値観の職場に変わっているからです。みなさんが育った環境は、強くて元気なボスライオンがオスライオンを率いていたような組織でした。

そんなみなさんがボスになって、ふと下を見てみるといろんな動物がいるというのが今の状況です。



こんな状況の中で一人ひとりの自己重要感を上げて、働きがいを感じていただいて、組織成果を作っていかなきゃならないので、マネジメントは非常に難しくなってきています。

ですので左側のような組織では価値観が多様化していません。画一性の価値観なので、「右向け右」と言えばみんな右を向きましたし、「俺の背中を見てついて来い」と言えばついて来たわけですよね。

ただ、右側のような組織においては、「右向け右」と言っても、みんな価値観が違いますから「どっちですか?」みたいな。左を向いちゃう人、上を向いちゃう人、下を向いちゃう人。そして、「俺の背中を見てついて来いよ」と言っても、振り返ってみると誰もいないということが起り得るんです。

上位下達のコミュニケーションは通用しない

コミュニケーションの型の変化と書きましたけど、このように組織での多様性が非常に増してきていますので、ピラミッド型の組織構造のコミュニケーションからサークル型のコミュニケーション構造を作り上げていかなければいけません。



ですので、先ほど言ったとおり、左側のような画一性の組織では、上から下への上意下達的なコミュニケーションでよかったわけですけど。もうそのコミュニケーションは今通用しなくなってきています。

そうするとやはり、このサークル型のコミュニケーションが必要です。サークル型というのはいわゆるNPO法人型なので、組織の目的に高い求心力が必要になります。「我々の組織はこんなことを目指していくんだ!」ということに対して高い求心力があって、多様なメンバーが「それ、いいですね!」とついて来る。

そして、個々人の尊重が非常に大切なので、一人ひとりの強みが組織の目的につながっていく。一人ひとりが感じたい、大切にしている価値観が組織の目的につながっているとか。そんなものをみなさんとしては作り上げなければならないということです。

組織構造をサークル型に変えるのは、まだまだ難しい状況があります。なのでピラミッド構造が残る中でもサークル型のコミュニケーション構造を作っていかなきゃならないということをまずは押さえておいてください。

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