2024.12.03
企業の情報漏えいで最も多いのは「中途退職者」による持ち出し 内部不正が発生しやすい3つの要素
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佐古雅亮氏(以下、佐古):こんにちは。本セッションは基調講演として、「どうして私は企業内起業家として目覚めたのか?」をテーマにお話をうかがっていきたいと思います。
それでは、まずはゲストのご紹介でございます。株式会社ECOTONE代表取締役社長、Welluluメディア編集長、博報堂ミライの事業室ビジネスデザインディレクター、堂上研さま。
堂上研氏(以下、堂上):おはようございます。よろしくお願いいたします。
佐古:新規事業家、守屋実さま。
守屋実氏(以下、守屋):よろしくお願いします。
佐古:本セッションのモデレーターは佐古が担当させていただきます。では、堂上さん、守屋さん、よろしくお願いいたします。
堂上:よろしくお願いします。
佐古:第1回のこのカンファレンスも、実はこの3人からスタートしました。
守屋:そうですね。
堂上:懐かしいですね。
佐古:そうなんです。(前回とは)1つだけ違うところがあって、堂上さん、創業おめでとうございます(笑)。
堂上:ありがとうございます。今日はそのあたりの話をじっくりお話しします。よろしくお願いします。
佐古:よろしくお願いいたします。今日(の講演内容)は「企業内起業家としての目覚め」ということなんですが、このセッションテーマを設けさせていただいた背景としては、やはり日本には起業家が少ないという事実がある。
今、映写させていただいている「TEA」というのは、100人いらっしゃったら何人ぐらいが起業的な活動をしているのかを表す指標です。
やはり日本は「少ないね」とよく言われて、特に経済産業省は起業家というピッチャーを輩出しようということで、例えば出向起業をやられたり、とにかく日本を挙げてピッチャーを増やしていこうとされている。
今回ご参加いただく方々も組織のマネジメントをする立場の方で、新規事業の推進をしていくことを考えると、自社社員の起業家精神をどう育んでいくのか、すごく苦労されている方もいらっしゃると思います。
佐古:今回は1人の起業家のエピソードから、企業内起業家を生み出す上で参考になるものをお届けできたらなということで、セッションを設けさせていただきました。では、まずはお二人から自己紹介をお願いしたいと思っております。堂上さん、よろしくお願いいたします。
堂上:よろしくお願いします。あらためまして、おはようございます。株式会社ECOTONEという会社を立ち上げました、代表取締役の堂上と申します。よろしくお願いいたします。
僕の背景としては、広告会社、博報堂に入らせていただいて十何年間広告マーケティングをやってきたのですが、10年前ぐらいから僕は「事業を作る仕事をしたい」と思って、事業作りにチャレンジしてきました。その間にいろいろ紆余曲折あって、今日はその話をさせていただきます。
僕自身は、企業内起業家としてスタートするタイミングでございます。どんな事業をやるのかという話なんですが、最近は「ウェルビーイング」という言葉を聞いている方もいらっしゃると思いますけれども、僕らは「ウェルビーイングの共創プラットフォーム事業」と呼んでいます。
その背景に、実証実験をずっとしてきた「Wellulu」というウェルビーイングのメディアがあります。博報堂の中でメディアの事業を立ち上げることにすごくハードルがあって、さらには我々が1年半実証実験をやってきた中で、いろんな苦労話もあったんです。そんな中で、1年半で500以上の記事を書きまして、今は月間25万人が来てくれるメディアに育ちました。
堂上:実際にWelluluは、どういう人たちに来てもらっているのかもご紹介させていただければと思います。(年齢層は)10代の後半から40代の前半までが8割ぐらい、男女比は1対1ですね。
博報堂の過去の調査では、だいたい40代、50代でウェルビーイングじゃない人がめちゃくちゃ増えるんですね。特に男性です。
佐古:我々ですね(笑)。
堂上:我々です。そのへんの人たちがなんでウェルビーイングじゃなくなるのか、そしてウェルビーイングになるためにはどういうことを仕掛けていかなくちゃいけないのか。ウェルビーイングな人、企業、街を紹介するメディアを我々が作ることで、よりウェルビーイングな人を増やしていこうということでスタートさせていただきました。
今、企業のみなさまからは「人的資本経営」の話だったり「組織をどう運営していくのか?」というご相談をいただいたします。生活者自身は、「食」「睡眠」「運動」というわかりやすいウェルビーイングの世界観だったり、「子ども」や「ペット」などの家族、ウェルビーイングの世界はどんどん広がっていっています。
事業の話で言うと、ウェルビーイング・トランスフォーメーションという言葉もあったりするんですが、今、僕らはそういった事業共創をサポートさせていただいています。
みなさんは「ウェルビーイングに資する事業を開発しよう」「顧客をどうやってウェルビーイングにしていくのか」ということを考えられることが多いと思います。
ウェルビーイングなものをどうやってマネタイズしながら、ビジネスにしながら進めていくのかを我々がサポートしながら、そこでできた事業を、またWelluluで紹介するという、その仕組みを開発しました。
一緒にウェルビーイング共創社会を作っていく仲間をどんどん募っている仕事をしていますので、これを皮切りにぜひみなさんでご一緒できればなと思っています。今日はよろしくお願いいたします。
堂上:では、守屋さんお願いします。
守屋:はい。僕も自己紹介をさせていただきますね。僕は「新規事業家」と名乗っているんです。ある特定の物事で専門性を持とうとすると、だいたい1万時間ぐらいがんばるとその分野で専門家になるよねと、なんとなく世間相場で言われていると思います。
僕は19歳の時に初めて先輩が作った会社に交ぜてもらって、そこから新規事業をやっているので、1万日以上はやっています。日と時間だと日のほうが長いので、一応、やっている量としてはけっこうやっている口じゃないかと思います。
それを1行のキャッチコピーにすると、今見ていただいているこの算数になります。「55=17+23+15」というのは何が書いてあるのかというと、「55」は年齢です。その年齢を3つの数字で割っているんですが、これは年数で割っているんじゃなくて、立ち上げた事業の数で割っています。
「17」が社内起業の数で、「23」が独立起業の数で、「15」が週末起業の数です。僕は別に連続起業家じゃないので、誰かが事業をやっていて、そこに共感すると「交ぜてください」とお願いをして交ぜてもらっている立場なので、別に僕が立ち上げたわけではないんですね。
ただ、創業時に参画したメンバーは「創業メンバーである」という思いや共感を持っているじゃないですか。自分なりには、たくさんの新規事業に参画できた人生であると思っています。
守屋:今、言ったようなことをロゴにするとこんな感じです。いろいろとたくさん並んでいて、ただこのロゴを見るだけでは「この人、何やっているんだろう?」という話なので、よくわからないじゃないですか。もうちょっと違う見せ方をすると、こんな感じかなと思っています。
「新規事業家のフライホイール」と書いてあるんですが、僕は大学を卒業してミスミという会社に就職したんです。その祖業から始めて、「新規事業をやります。一意専心、力戦奮闘します」とすると、何らかのかたちで成功か失敗をするんですが、そうするとまたさらに「挑戦したい」という意志や熱量を持つ。
その時にたまたま出会いがあって、それが社内起業。大企業かもしれないし、独立起業、スタートアップかもしれなくて、そこでまたがんばると何らかの成功と失敗があって、グルグルグルグル回っています。それが、さっき言ったような「55=」という算数のかたちになっていたり、新規事業家という肩書に込めた自分の人生だったりします。
それを本にもまとめてみました。いろんな本を書いています。ただ、これらの本の中には、別にテクニカルなことはあまり書いていなくて。自分が本当にやりたいと思う、夢中になったことを商売にしたほうが、本人が楽しいというのもあるんですが、そもそもそのほうがうまくいく。
「夢中になっていないビジネスの立ち上げって粗方ヤバいよ」ということがずっと語られている本を何冊も出しているんですが、同じようなことが書いてある。そんなような人間だったりします。以上ですね。
堂上:よろしくお願いします。
佐古:堂上さん、守屋さん、よろしくお願いいたします。
佐古:お二人も、もう付き合いは長いんですよね?
守屋:そうですね。
堂上:もう7、8年ぐらいですかね?
守屋:うん。
堂上:実際はもっとですかね? でも、それこそ守屋さんのお話にありましたように、僕らが博報堂という広告会社から新規事業を生もうと思った時に、僕はまったくの素人だったわけですね。事業を作る上で、どういう人たちに相談すればいいのかを模索している時に出会ったのが守屋さんです。
守屋:そうですね。
堂上:博報堂の中で一番最初に守屋さんにお願いしにいって、「博報堂の新規事業を作っていく上でのアドバイスをお願いします」と頼みにいったのが、ちょうど8年、9年、もっと前かもしれないですね。それぐらいの付き合いです。
佐古:今日は気心知れたメンバーで楽しくやろうと思います。よろしくお願いいたします。
堂上:ありがとうございます。
佐古:今、映写しているのが最初のセッションテーマです。ここはぜひ堂上さんのエピソードも含めておうかがいしたいんですが、「どうして起業家に?」というテーマですね。
堂上:わかりました。ここ10年の中で、僕自身がいろんな新規事業の相談を受けるようになってきたのもあるし、守屋さんを含めて博報堂の中で新規事業を生もうとして、いろいろ試行錯誤しながら失敗を繰り返してました。
その中で僕がたどり着いたのが、「企業内起業家」はなかなか生まれにくいなというのが、一番課題に感じたことなんですね。
堂上:博報堂の歴史で言うと、「ミライの事業室」というものを5年前に立ち上げさせていただきました。守屋さんとお話をさせていただいて、「新規事業を生むためには出島組織を作らなくちゃいけない」という話があったので、博報堂の広告の仕事から一歩出たところで、新規事業だけに専念できるような場所を作ろうとしてミライの事業室が立ち上がりました。
立ち上がった時は、守屋さんと「やったね」みたいな会話をさせていただきながら、「ここからスタートするんだ」と思いました。5年間、それでも僕の中で、産みの苦しみというか、なかなか事業が生まれにくい状況があったのです。そこで、自ら企業内起業家になるぞというのを、ちょうど700日前に決めたことが背景にあったりします。
佐古:そうですか。
守屋:このあたりを、今日聞いているみなさんが参考にしてくれるといいなと思っているんです。同じようなことに向き合っている人って、たくさんいると思うんですよね。
佐古:いっぱいいますね。
守屋:会社の中で(新規事業を)生むぞと言って、「じゃあ、やるぞ」と思ったら生ませてくれないと感じちゃうシーンがあったり。「生むぞ」と言っている本人も、実は夢中になる何かがなくて、ただ「生むぞ」と言っているだけだったりとか。真っ直ぐは突き進めなくて、いろいろと迷うこともあると思うんですよね。
そういう時に堂上さんは、まさに今、本当にグーッと行っている最中の方なので参考になるじゃないですか。
佐古:そうですね。
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