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【困った部下へのマネジメント】最強の対処法 5選(全1記事)

職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、職場にいる「困った部下」へのマネジメント方法について紹介します。

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上司と部下の間で“常識のズレ”が起きるわけ

伊庭正康氏:今日のテーマはこちらです。あなたの職場に、常識の通用しない困った部下はいないでしょうか? そんな人に対する悩みを解決する方法を5選、紹介していきます。

問題なのは、もはやあなたの常識が通用しなくなっているのか。それとも部下や後輩の常識がずれているのか。そこを知らないと、必要以上に部下に迎合してしまったり、必要以上になんだかわからない常識をかざし、関係が悪くなってしまうなんてことはよくあります。

ということは、いったいどこに問題があり、そして何が客観的な常識なのかを抑えておく必要があります。今日はそれをお話しします。

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さぁ、ではいきましょう。先ほど言いましたように、常識が変わっていることが問題なのか。それとも部下や後輩たちの常識がずれているのか。ここを押さえておかないといけないという話をしました。

お互いの私見、つまり主観ではなく、明確に基準を定めることが必要なんです。誰もが納得する基準がないと、ボタンの掛け違いが起こって当たり前。

じゃあ、この基準はどこに隠れているのか。そうなんです、隠れているわけじゃないんです。もう世の中にあるんです。まず、これを知らずしてマネジメントはできないと言っても過言ではありません。

言われたことしかやらない「受け身すぎる部下」

実は(すでに)国が言ってくれています。経済産業省が「社会人としてこの力がないと、自分らしいキャリアはもはや歩めないですよ」と言うように、社会人基礎力を知らずしてマネジメントはできないんですよ。

これはなんでか。そうなんです。この基準で社会人をやらないと、あなたはどこでも通用しませんよという基準があるんです。3つの分野で12個の力があるんですが、今日はこれを使って基準を揃えていきましょう。

ランキング形式で困った部下の5位から1位までご紹介し、最後に、じゃあどうすればいいのかという話も具体的な話をしていきます。

こんな部下はいませんか? 第5位。完全に受け身すぎる部下。言われないとやらない。言われたことしかやらない。工夫を求めると「指示をしてほしい」と言う。学生じゃないんだからと思いたくなりますが、部下からしてみれば「教えてもらっていません」と言うんでしょうね。どちらが常識なんでしょう。



社会人基礎力は明確に示されていて、3つの力があると申しました。1つが、前に踏み出す力。2つ目が、チームで働く力。そして3つ目が、考え抜く力。



その1つ目の前に、踏み出す力についてしっかりと書かれているんです。私がふだん新人研修でやっているやり方を紹介しますので、もし良かったら職場でもやってみてください。

上司が100回説教するより効果のある方法

まず、困った部下だけではなく、困った部下といわゆる普通の部下、常識のある部下をミックスします。2人でも3人でもけっこうです。その上で、この社会人基礎力の項目を出します。

出した上で、今回のケースで言うと主体性が低い部下がいるわけですよね。集まってもらって、「これが社会人基礎力で経済産業省が言っている、社会人として必要な力なんだよね」と、こうするんです。

「今日みんなと考えたいのは、前に踏み出す力、とりわけ主体性、物事に進んで取り組む力。そして3つ目の実行力、目的を設定して確実に行動する力。この2つの観点でGood/Poorを考えたいと思っている。Goodはイケてる社会人。Poorはイケていない社会人。このGoodな社会人とPoorな社会人の行動を、みんなで考えてほしいと思っている」。

すると、研修なんかでは明らかに、どう見てもPoorな人もGoodに引きずられて1つの見解ができるんですね。上司が100回説教するより、よっぽど効き目があります。自分たちの同僚はそう考えるわけですから、そちらに引っ張られます。

そして「いいね。Goodがこうで、Poorがこうね」「じゃあ、我々はもっとできることがないかを話し合ってみよう」と言って話し合い、「こういったことをやるべきです」という気づきを与えるんですね。これをやると、Poorな部下もGoodに引きずられます。ぜひ押さえておいてください。基準が揃っているでしょう。

「社会人として必要なことはこれ」と、国が言っています。これはめちゃくちゃ説得力がありますよね。

なんでも自分でやりたがる、納得しないと動かない……

第4位。できもしないのに、なんでもかんでも1人でやろうとする。いますよね。1人でがんばるものの、結局はできない。なんでも自分でやりたがる。先輩に聞けば早いのに、聞くのが恥ずかしいと言って聞かない。もちろん部下にも言い分はあるんでしょうね。でも、その言い分は周囲にとって決して良くないわけですよ。



だから、ここでまた社会人基礎力を登場させます。主体性、実行力の他に、前に踏み出す力には「働きかけ力」というものがあるんです。これは他人に働きかけ、巻き込む力です。



「なんでも1人でやりたがる」ということが今の問題なのであれば、ここについてGood/Poorを話し合い、伸びしろを確認する打ち合わせ、ミーティングをすることがおすすめです。これも使えそうでしょう。

第3位。「納得をしないと動きません」という部下。います。私も新人研修をしていて、概ね6割から7割は「納得しないと動けない」と、最初は言います。でも、今からご紹介するワークをすると「動きます」というふうに変わるんですね。また社会人基礎力の力をお借りしますが、こういった部下はいませんでしょうか?



自分の考えにこだわり過ぎる。相手の真意をつかもうとしない。相手の言葉の表面的なことを捉えて、「それはおかしいですよ」なんて言っちゃう。真意を捉えない。考えが相容れないなら会社や上司をディスり、そして辞めてしまおうとする。

これはもう本当にイケていない症状ですが、ないわけじゃないんですよ。じゃあどうすればいいかというと、また社会人基礎力の他の力を使うんです。

学生と社会人とで異なる「納得するポイント」

私はなんて言いましたか? そうです、まだ他にも力があります。「チームで働く力」なんですね。チームで働く力のうち、傾聴力、柔軟性、状況把握力において、GoodとPoorの行動を出してみよう。そして伸びしろを考えてみない? というふうになればいいんですね。



傾聴力というのは、相手の意見を丁寧に聞く力。柔軟性というのは、意見の違いや相手の立場を理解する力。そして状況把握力は、自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力。まずはこの3つで話し合ってみると、どうでしょう。すると、またPoorがGoodに引き寄せられるんです。

このあたりを押さえておいても損はないでしょう。だって、納得しないと動けない(部下は)多いですよね。そしてプラスαでもう1つ、納得しない部下に対して「納得しないままに動け」というのはさすがに雑なんですよね。

「納得のポイントを変えたほうがいいよ」と言うといいと思います。学生のうちは納得をして動くのが1つの常識だったかもしれないけれども、社会人の場合は納得するポイントが違うのだと言うんです。(納得するポイントとは)どこなのかというと、社会人はいったんやってみて、結果、進捗を見て納得をするということですよね。

なので、納得をして間違えていることもあるけれども、納得をせずにやった結果、納得いく結果もあるわけですよね。ですから、結果から逆算をするんです。結果を見ながら納得をするので、まずはいったん動いてみて、ということをお伝えしてもいいでしょうね。

ストレスに弱い部下に対してどうフォローするか

第2位。ストレスに弱すぎる。これもよくマネジメント研修で相談をいただきます。「うちの部下はストレスに弱すぎるんです」「すぐに休んじゃうんです」。体調が悪ければもちろん休んでください。体調を最優先でお願いします。でも、そうはならないように持っていきたいですよね。



こんなことはないでしょうか? 失敗をすると必要以上にネガティブに落ち込んでしまう。嫌われるのが怖いので、無理をしてがんばって体が悲鳴を上げてしまう。さらに無理をし過ぎているのでミスを繰り返し、また自己嫌悪に陥り、職場に通えなくなってしまう、なんてこともよく聞きますよね。

これは本人の問題というよりは、何かこちらでサポートをしてあげたほうがいいことも多いんですよね。まずは、またGood/Poorで「どういった行動を取ればいいのか」を確認していくといいでしょうね。



チームで働く力を見ていくと非常におもしろいんですが、一番上は発信力、自分の意見をわかりやすく伝える力。例えば、ストレスを感じていて無理をしているのであれば、自分のことを遠慮して言っていないケースが多いんです。その場合は、「ちゃんと伝えようぜ」ということに気づいてほしいですね。

そしておもしろいのは、チームで働く力に含まれているのが、一番下にあるストレスコントロール力。そう、ストレスをコントロールする力も、実はチームで働く上では重要なんだと。

「どういうこと? 我慢しろということですか?」というと、そういうことではないんです。ストレスの発生源に対応する力。つまり、先ほどこう言いました。

嫌われるのが怖いので、無理をしてがんばる。自分の伝えたいことを伝え、そしてストレスの発生源である業務負荷に対して、相談をすることも必要ですよね。こういうことを含めて、きちんと対応する力が必要ですよということです。

また、例えば先輩方からの指導があまりにもハード過ぎて、心が萎えてしまうということがよくありますよね。そんな時は先輩に対して言うのが難しければ、その上司に対して「今、実はこういう指導を受けているんですけれども、どのように受け止めたらいいものでしょうか?」と相談をすると、受け止め方のヒントをもらうこともできる。

場合によっては、もし先輩の行き過ぎている指導があるのであれば、指導が入るでしょう。そのあたりは、ちゃんと働きかける必要があるということなんですね。これもストレスコントロール力に入ります。

逆算で明確にスケジュールを組んでいる人は約2割ほど

さぁ、第1位はなんでしょうか。ドン! 段取りが悪すぎる。例えばこういった部下はいませんか? 時間に遅れる。間に合ったとしても、いつもギリギリ、バタバタ。さらに忘れ物が多い人もいますね。そして、当たり前のように残業をしている人。これって何なんでしょうね? これは段取りを問題にしたほうがいいです。



社会人基礎力の3つ目のジャンルに「考え抜く力」というものがあります。その中の1つの力に計画力というものがありますが、これは課題の解決に向けたプロセスを明らかにし、準備をする力。



ちょっと言葉が難しいので、意訳をしますね。結果から逆算をしてスケジュール化をしているかということなんです。これは新人の方に限らず、場合によっては管理職自身も危ういところはないでしょうか。

私もいろいろな階層の方に研修をしていますが、逆算で明確にスケジュール化をしている人は、階層問わずだいたい2割ぐらいなんですね。ですから、やっぱり逆算でスケジュールを組むことはすごく重要です。(ポイントは)大きくは2つ。

まずは余裕を持つことですね。例えば「いついつまでにやらねばならない」という指示が下りているのであれば、それよりもちょっと前段階にしたスケジュールを組む。何かあった時のため、特急仕事が入った時のために、何かあった時のために前倒しをすることができているかどうか。

もう1つは、逆算でその結果に向けて必要なことは何で、あまり必要ではないことはどういうことかを確認した上で、スケジュールをちゃんと組んでいく。思ったことに着手していく。あれもこれもやらないといけないということをやると、当然ですが時間はタイムアップになっちゃいます。このあたりは、逆算でスケジューリングしておいてもいいでしょう。

これをぜひ(部下に)気づかせてあげてください。Good/Poorを出してもらって、余裕のことをバッファと言いますが、バッファ、そして何が必要で何が不要かをちゃんと見定めているかということを、ぜひ確認してください。

場合によっては、ちゃんとスケジュールに落とし込んでいるかどうかも、Good/Poorを部下に考えてもらったあとに解説をしてもらってもよろしいかと思います。

部下の状況を整理するための「行動変容ステージモデル」

でも、ここまでお話をしてもこう思われたと思います。「いや、そんなにうちの部下が簡単に変わるように思いません」。それに対してまとめますと、そんなに簡単に人が変わらないのは確かなんです。この「行動変容ステージモデル」というもので整理をするといいでしょうね。



今、あなたが変わらないと思っていた部下は、どのステージにいるかを確認してください。部下が、その問題に対してまだ無関心ということはないでしょうか? これでは当然変わりません。次のステップで関心を持つというタイミングがあります。

次に、関心を持ったのであれば行動前にきちんと準備をする。そしてそのあとに実行して維持をする。最終的には維持なんですよ。あなたが今「うちの部下は変わらないよ」と思われた部下は、どこのステージにいますでしょうか。

もし無関心というステージであるのであれば、まずは関心を持ってもらわねばなりません。そして準備をしてもらわねばなりません。じゃあ、どうするのか。

そうです。今日ご紹介した社会人基礎力を使ってGood/Poorを出し、そしてどういったことをすればいいのかをみんなで考えてもらい、スケジュールに落とし込んでもらう。これが関心と準備ですよね。ぜひやってみてください。

私は毎年いろいろな企業の新人研修をやっておりますが、これをやった新人さんの離職率は低いと言われています。だから、毎年毎年いろいろな企業さまでこれをやっています。これだけではないんですが、これを含めたプログラムを新人研修でやっています。今からでも遅くないと思います。ぜひ職場でやってみてください。

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