2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
できるリーダーは知っている!リーダーシップとマネジメントの違い!できる上司がやっていること(全1記事)
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伊庭正康氏:どうもこんにちは、研修トレーナーの伊庭です。「誰もを魅了するリーダーに、ちょっとはなってみたいなぁ」と思ったことはありませんか? できる方であれば、心のどこかで思ったことがあるかもしれません。僕もありましたが、そう簡単になれないんです。
でも、どうしてなれないのでしょうか? それは、リーダーシップとマネジメントを明確に使い分けていないからです。「え? どういうこと?」と思われたと思います。今日は10分で、誰もを魅了するリーダーになる入り口に立っていただくようにいたします。簡単ですので、お付き合いください。
さあ、では進めていきましょう。では、1つ目、「マネジメントとリーダーシップの違いを明確にしておく」ということです。「いや、一緒でしょ」と思われたかもしれません。まったく違うんですよ。言ってみれば、「ちゃんとしなさい」「あれは持ったの?」「これは持ったの?」と言うお父さんがいたとしましょう。これはこれで必要ですよね。
でも一方で、「人っていうのはね、こういうふうに優しく、人生でこのように考えたほうがいいよ」と、人生のことを教えてくれるお母さんがいてもいいですよね。どっちも必要なんですよ。
さあ、ここで今マネジメントのリーダーシップの比喩をしました。「あれをしなさい」「これをしなさい」「あれは大丈夫?」というのは、実はマネジメントです。「人生とは、人に対して優しくないといけないよね」というのはリーダーシップ。つまり、思いを届けているわけですよね。
ここで定義を申し上げますと、マネジメントというのは、「目的に対してきちんと結果を出すこと」を言っています。一方でリーダーシップとは、「人をモチベートしながら、ある方向に導く力」を言っています。
こちらの図をご覧ください。研修で私が紹介している図になりますが、縦軸がパフォーマンス、右軸がメンテナンス。
実はこれは、リーダーに必要な2つの軸を言っています。パフォーマンスは、結果を出すための力。つまり、マネジメント。横の軸はメンテナンスで、人と組織をメンテナンスする、モチベートする。それがまさにリーダーシップになります。
縦軸がマネジメント、横軸がリーダーシップ。この2つの力には、全部で9つのセルがありますよね。研修では、この9つの右上に行くように、1日でこのセオリーを紹介していますが、さすがにYouTubeで1日かけるわけにいきませんので、今日はあるポイントを紹介します。でも必ず役立ちますので、お付き合いください。
まず、マネジメントとリーダーシップは、このようにまったく違うということだけ覚えておいてください。どちらも必要です。
では2つ目、マネジメントの基本、縦軸の成果を出すための基本は「天国の4文字」とあえて言わせていただきます。ということは、地獄の文字もあるんですね。これも紹介します。
まず結果を出すために、絶対やってはいけない地獄の10文字。「マイクロマネジメント」です。「あれはやった?」「いつやるの?」「誰とやるの?」「右から左に動かしておいてね」「左から上に動かしておいてね」「そこ、3歩で行ったほうがいいよ」。
なんかうるさいですよね。これを「マイクロマネジメント」と言いますが、やり過ぎで過干渉、いや過保護と言ってもいいかもしれません。「もうそれ以上やめて。出ていくぞ」と思いたくなりますよね。こんなことをされたら、やはり従業員は出ていきます。なので、これはやっちゃいけません。
じゃあどうするか。やるべきは天国の4文字、「PDCA」です。「P」は「Plan」、「D」は「Do(実行)」、「C」はやりっぱなしにするんじゃなくて、きちんと検証をして「Check」ですね。そして最後の「A」は「Act」、改善策をやる。
一番重要なのは「C」と「A」なんです。何が大事かというと、やりっぱなしにしたら、そりゃおもしろくないんですよ。ちゃんと検証する時間が必要なんです。だから、改善策を考えればおもしろくなります。
こちらをご覧ください。また縦軸・横軸の図が出てきました。一番レベルが低い赤いところが「PDCAを回す」というものなんですよ。
でも、ほとんどの管理職の方は、「C」と「A」が甘くなっていませんか? そうですよね。「あれはできた?」「これはできた?」というチェックはしたとしても、「そうか。できなかったのか。じゃあ、できなかった要因を一緒に考えようか。じゃあどうすればうまくいくかな? うーん、こんなことをしたらうまくいくかな?」と、未来に向けて改善策を考える時間を持てているかなんですよね。
例えばこんな感じです。伊庭くんという部下が「営業で10件の訪問をしたんだ」と言ったら、「そうか。伊庭くん、10件商談をしたんだ。すごいじゃん」「そうなんだ。契約が1件だけだったのか」。
「聞いていい? あと9件を失注した要因は、どんな要因があったの?」「そうか。6割がライバル会社さんに流れてしまったんだ。他は?」「そうか。予算が足りない。あとはニーズがなかった。なるほどね。ということは、どこを潰せば、10件中、例えば3件とか4件とかをご契約いただけるんだろうね?」。
「なるほどね。そうか。ライバル会社に流れているうち、実はきちんと提案できてないところがあるんだと。じゃあそこにちゃんと提案できるように、トレーニングしていこうか」「オッケー。じゃあトレーニングをして、明日からまた、トライしてみようか?」「お願いします」。楽しくなりそうですよね。
今のは、左下の最低レベルのやつです。だから、今私がやったことがもしできていなければ、あえて言います、すぐにマネジメントの勉強をしないといけません。もっと具体的には、PDCAの回し方を勉強しないと部下が不幸になりますので、ぜひ今のうちにこれはやっておいてください。
でも、今日の動画は、今リーダーをしている方だけじゃなくて、これからリーダーを目指す方に向けてもお話しをしていますので、まず今私が言ったPDCAを、きちんと覚えておいてください。
実は以前にそんな本、『計算ずくで目標達成する本』を書いたんですよ。「社内表彰40回以上。リクルートで叩き込まれた『3ヶ月クォーター制』全解剖! 伊庭正康」。この帯とかタイトルは、全部出版社さんが書かれるので、私は「これをやってください」と言ったわけじゃないです。
私が書きたかったのは、PDCAをしっかりと回す力というところですので、もしよかったら見てやってください。
では3つ目。これはめちゃくちゃ重要です。「メンバー・後輩のやる気を高める方法」。これは絶対覚えておいてください。それがこちらです。またこのマトリックスが出てきました。
ちょっと右にずれましたね。レベル2がやってまいりました。これは何かというと、一人ひとりの部下・メンバーを本気にするメンテナンス。つまり、リーダーシップを歩んだところになります。
まず、やってはいけないことです。 PDCAを回すといっても、2年目、3年目の人に具体的に指示、確認、指示、確認ばかりやっていたら、そりゃやる気は出ません。新人ならばいいですけど、2年目、3年目の人は、やはりもっと自分で考えたいんですよ。
じゃあどうすればいいか? 簡単なことを言いますね。意見や考えを、あえて聞いてあげてください。「どうしたらいいと思う?」「何があったらいいと思う?」。これを聞くだけです。
こう思われたと思います。「部下が正解を持っていないこともありますよね」「正解を言わないこともありますよね」という質問をよくいただくんですけれども、簡単です。それも質問で気づかせることはできます。
「この観点で考えたらどうかな?」「時間が制約されているという観点で考えたらどうかな?」「ライバル会社もいるという観点で考えたらどうかな?」「お客さまの立場から考えたらどうかな?」と、観点はいくらでもありますよね。その観点から気づかせる質問をすればいいだけなんですよ。
「右の観点から見たら」「左の観点から見たら」「右の観点じゃなくて上の観点から見たら」、部下は気づきながら歩いていきますよね。腕を引っ張って、「こっちや、こっちや」ということじゃなく、部下が自分で歩いていけるようにしていただきたいんですね。これがコーチングの入り口になります。
コーチングは、もっとちゃんと体系立ったものがあるんですけども、ここはコーチングをやらなくても、質問で気づかせてあげることができますので、まず質問をしていく。そして、間違いを言ったら、観点で気づかせてあげる。そんなことをやってみてください。
「もう少し詳しくコーチングのことも知りたい」という人は、『できるリーダーは、「これ」しかやらない』という。16万部ぐらい売れている、私の中ではベストセラーの本なんですけど。この中の「GROWモデル」そのコーチングをやっていますので、よかったら見てやってください。
そして、『できるリーダーは「命令しない」「教えない」』。こちらは最新刊になっているんですが、こちらの本でも、部下に質問で気づかせるというテクニックをいっぱい載せていますので、もしよかったらこちらの本もよろしくお願いします。
さあ、まとめていきましょう。「リーダーシップとマネジメントとの違い」について、3つの話をしました。2つ目が、「PDCAをしっかりと回しましょう」。そして3つ目が、「質問で導く力を身に付けましょう」。この3つでした。ありがとうございました。
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